今 週 の レ シ ピ

・ベーシッククラス(10月第3週)のメニューより

●醤爆鶏丁(鶏肉の味噌炒め)    239kcal.  塩分1.7g

オータムサラダ [材料]  -6人分-

・鶏肉200g
◎A
  塩小さじ1/2
  酒/醤油各大さじ1
  卵白1/3個分
  片栗粉大さじ1
・油通し用油3カップ
・干し椎茸5枚
・カシュナッツ50g
・炒め用油大さじ1
◎B
  八丁味噌50g
  醤油小さじ1
  砂糖大さじ2
  水大さじ2
  酒大さじ1
  ごま油大さじ1
  水溶き片栗粉小さじ2

[作り方]

  1. 鶏肉…1〜1.5a角に切り、Aで下味をつけ、油通しをする。
    干し椎茸…水で充分もどし、1a角に切る。
  2. 調味料Bを合わせる。
  3. 中華鍋に油を熱し、椎茸を炒め、鶏肉とカシュナッツを加え、Bで手早く調味して仕上げる。

ポイントはここ


ちょっと一言

  • 中国の料理名は、材料、調理法、調味料、切り方などを表わしている場合があります。この「醤爆鶏丁」は、つぎのようなことを表わしています。

    「醤」は中国の調味料で、醤油を絞る前のモロミです。日本の味噌に似ていますが、クセがあります。
    「爆」は炒める一つの方法で、高温の油で鳥獣肉などを瞬間的に炒めあげます。手早くするほど上手にできます。
    「鶏」は鶏肉を表わしています。
    「丁」は材料の切り方です。さいの目切りを表わし、サイコロのように切ることです。
    したがって、「醤爆鶏丁」は、「鶏肉をさいの目に切り、醤という調味料で、手早く高温で炒めあげる料理」となります。

  • 最近は、各国の特殊な調味料も、以前よりは手に入るようになりましたが、日本で家庭料理として手軽に挑戦してもらいたいと思い、「醤」の代わりに「八丁味噌」を使ってみました。独特の風味と色が、「醤」に近い味わいを出してくれます。

    「八丁味噌」は、愛知県岡崎市の名産。大豆を麹(こうじ)にして作る豆味噌で、濃い赤褐色をした硬い味噌です。米味噌や麦味噌とことなり、熟成に時間がかかります。特有の香りと渋み、濃厚なうま味があります。


≪組み合わせメニュー≫
    ◎干しエビと春雨のスープ
    ◎もやしと玉子の和(あ)え物
    ◎サツマイモのアメがらみ
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■招かれざる客 
  • 先週は不正入学について話しましたが、「不法行為」にも遭っています。この6月の下旬でした。その若者は都合3回、当教室に足を運んだことになります。最初の「訪問」は入口のドアに貼ってある「料理学校のケーキ屋さん」のポスターを見たからのようです。中に入るなり、「なんだ、ここにゃ、ケーキはねえのケ」(甲州弁です)と聞いてきました。陳列ケースがならんだふつうのケーキ店と思ったのでしょう。そこで、店といってもHP内にある「架空店舗」で、注文はすべてインターネットで受けていますと受付が説明すると、スーッと靴を脱いで、奥でお稽古をしていた私たちに近づいてきました。
    6〜7人はいたと思います。「冷やし中華かケ。俺は、料理なんだって作れるぞ」。ニヤついた言葉も態度も、実に馴れ馴れしいのです。胡散臭いけれど、どこかコドモコドモして、警戒心を起こさせるほどのことはありません。私をのぞいた全員未婚の娘さんたちの白い視線を浴びても、闖入者は平気です。20才前後、いまどきの茶髪で、とび職風の裾までふくらんだカラーズボンをはいて、仕事帰りといった風情です。「あら、そうお。体験入学というのがあるのよ、よかったらどうぞ」こちらもクダケタ調子で合わせます。ふた渡りくらい見回した後、その"茶髪兄ちゃん"は受付で案内書をもらって帰っていきました。

    翌日、おなじ時刻に現れたのです。その日のお稽古は6時はじまりで、すでに終わって誰もいません。「今日はやらんのケ」「もう終わったのよ」「なーんだ」。「この辺に住んでるの?」「まーね」。2度目のせいか、もう違和感はありません。後片付けをしていた私と、二言三言交わしただけでこの晩も去っていきました。
    翌日の午前11時頃、みたび姿をあらわしました。三日連続です。午前中にお稽古があるのは曜日によってですから、あきらかに時間割を調べてきています。このクラスは月1回の専攻科、もう10年以上も通っている年配の奥さん3人組で、お稽古というより、「おしゃべり会」のような親しみと楽しみをもった集まりです。前二夜と勝手がちがったかして、ずけずけ上がりこんできた"茶髪兄ちゃん"でしたが、すぐに入口に近い受付カウンターへともどって、前のイスに腰掛けていました。そしていつの間にか、いなくなりました。
    イヘンに気づいたのは、月謝袋を返すときでした。カウンターの内側にあった現金6000円がなくなっているのです。あとで遅れて来た一人分は、そのままカウンターの上に手付かずで無事でした。袋から抜き取る手間と時間を惜しんだのでしょう。盗られる現場は見ていませんが、状況から推して、茶髪兄ちゃん以外に考えられません。なんということでしょう。気を許したつもりはありませんが、油断があったのでしょう。あの馴れ馴れしさにしてやられました。なんのために3度も顔を出すのか気付くべきでした。後の祭りです。たいした金額ではないにしても、悔しくてしかたありません。

  • 数日して、近くの交番の前を通ったとき、盗難届けを出したのです。すぐさまパトカーで警官二人がやってきました。事情を聴取し、カウンターの辺りを巻尺で計ったりと、その大袈裟でものものしさにびっくりしました。外貌やら手口やら説明すると、どうやら他でも被害に遭っている様子です。なるほど、同一犯という裏付けにも、こうした詳しい現場検証は必要なのだと納得しました。

  • 3ヶ月がたちました。9月の最終金曜日、例のおしゃべり会の集まりです。お稽古中、警官二人がやってきました。あの茶髪兄ちゃんが捕まったというのです。自白した窃盗の中に、こちらのも入っていましたので報告にきましたと。盗られた当の奥さんたちの、わざわざお稽古日を選んだように吉報がもたらされるとは、なんという偶然でしょう。しばし、歳を忘れてキンキジャクヤクしました。
    さいごに警官がのこしていった言葉に、また爆笑です。「お金はもどってきませんが、その分も刑務所に入れておきますから…」。6000円分の刑期って、どのくらいかしら?

§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 掲示板  ichiban@kateiryouri.com


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