今 週 の レ シ ピ

・ベーシッククラス(1月第2週)のメニューより

●玉子豆腐    103kcal.  塩分1.0g

玉子豆腐 [材料]  -6人分-
◎卵汁
  卵5個
   ○A
     一番出汁(いちばんだし)1.5カップ
     塩小さじ2/3
     醤油小さじ1/2
     みりん大さじ1
◎かけ汁
   ○B
     一番出汁大さじ4
     醤油大さじ1
     みりん大さじ1
・おろしわさび小さじ2
[作り方]

  1. 卵を割りほぐす。
  2. Aを混ぜ合わせ、1に加えて混ぜ、ふきんでこす。
  3. 玉子豆腐用の流し箱(14cm ×11cm ×4.5cm )に、2の液を流し入れ、浮いている泡を消す。
  4. 蒸気のよく上がっている蒸し器に入れ、2〜3分強火で蒸し、表面が白っぽく変わったら弱火にして10〜15分で蒸し上げる。
  5. 型から出し、好みの大きさに切る。
  6. 鍋にBを合わせ、煮立てて冷まし、かけ汁を作る。
  7. 器に玉子豆腐を盛り、かけ汁をかけ、わさびを添える。
ポイントはここ
ちょっと一言
  • 玉子豆腐の硬さは、卵と出汁(だし)の割合で決まります。「玉子豆腐」として盛り付ける時は、すこし硬めに、清汁(すましじる)の椀種(わんだね)の場合は、すこしやわらかめがおいしいでしょう。
  • 夏には冷たくして薬味とたれで冷やっこ風に、冬には熱々のあんかけはいかがですか。あんの具は、組み合わせでいろいろな味が楽しめます。(例:「エビと舞茸のあんかけ」)


●エビと舞茸(まいたけ)のあんかけ

エビと舞茸(まいたけ)のあんかけ [材料]  -6人分-
・エビ6尾
・舞茸1/2パック
・いんげん30g
◎あん
  A
   一番出汁1カップ
   エビの茹(ゆ)で汁1/2カップ
   醤油大さじ1
   みりん大さじ1
   塩小さじ1/2
  B
   片栗粉大さじ1
   水大さじ2
[作り方]

  1. エビは、から付きのままサッと茹で、からをむく。
    茹で汁は残してとっておく。
    舞茸は食べやすい大きさに切る。
    いんげんは、茹でて斜めのせん切りにする。
  2. Aを合わせて煮立てた中にエビ、舞茸、いんげんを加え、Bでとろみをつける。
  3. 玉子豆腐を6等分に切り、器に盛り、3のあんをかける。


≪組み合わせメニュー≫
    ◎かまぼこ、きのこ、三つ葉の清汁(すましじる)
    ◎焼き魚 付け合わせ:ブロッコリーのソテー、酢バス
    ◎白菜とほうれん草のおひたし
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■起き上がり小法師

ご存知の方も多いと思うが、「植村直己冒険賞」というのがある。世界的冒険家だった植村直己の業績を記念した賞である。人間の可能性に挑戦する、創造的な勇気ある行動を達成した人物に与えられる。昨年、6人目の栄誉に輝いたのは中山嘉太郎さんという人。中国の西安からトルコのイスタンブールまで、9374キロのシルクロードをザック担いで走り抜いたという偉業の持ち主である。ひょんなことから彼と知り合うことになった。

気の遠くなる距離を走るわけで、強靭な体力、精神力が必要なのは言うまでもない。が、人跡未踏の地を踏むのではない。道なき道を行くのでもない。彼が走るところ、ときには数キロ、数十キロの間隔はあるにしろ人家があり、それをつなぐ道路が通じている。海・山・空に、初めてのルートを刻むこれまでの「冒険」とはちょっと違う。

荒涼とした大自然との対峙はもちろんある。それだけではない。政治、経済、文化を含めた人間の全営みの真っ只中を通過する。異なる民族、国家、地域をくぐりぬけ、それぞれ特有のことば、習慣、食べ物の洗礼を否応無く受けていく。拒絶したら最後、旅は終わる。

強力なスポンサーがいるわけではない。大掛かりな物量作戦とは無縁、両肩に可能なだけの荷を担いで走る自己完結型の省エネジャーニーである。が、実際に背負う量はあまりに少ない。10〜12キロどまりが通常。時として14、5キロになることも。生命線である水の量によるのだ。2リットルが基本で、野宿ともなれば5、6リットルは欲しい。これに比べ、食い物はこだわらない。腹におさまればよし。味も二の次となる。

いずれにしろ道の存在が大きな意味をもつ。人家は途切れても車が通ってくれる。見知らぬ運転手が、かけがえのないサポーターとなる。たいていは定期便のトラック野郎である。何十時間か何日かおきに往復するたび、ひた走るランナーが視界に入る。彼ら同士の情報交換もある。水や食い物を差しのべたくなるのが人情だ。道があるかぎり、微かでも糧道は保たれているということだ。連中の厚意なしに完走はおぼつかなかった。そう中山さんは断言する。

誰もがサポートを受けられるわけではない。そんな保証はどこにもない。彼らをその気にさせるなにかを受け手は持っている必要がある。中山さんにはそれがあったのだ。何度か会って話を聞くうち、私にはそれがなにかわかってきた。

この人をみていると、起き上がり小法師がイメージされる。あの、転んでもかならず起きるというやつ。風貌、身体つきがまさしくそれで、性格といい、振る舞いといい、外面・内面すこしも尖ったところがない。全身これ○(マル)、といった具合。一人旅でこれは徳(得)である。両手でもってすくい上げたくなる。図々しくもなければ、卑屈でもない。あくまで自然体。いわゆる、とっつきがいいのだ。胡散臭くて警戒心をもたれたら、道中いつかは誰かと衝突する。
それは逆に無防備ととられる。危険な目にさらされる心配がある。2度ばかり、窃盗に遭って持ち物を盗られたという。どんな旅だろうと危険はつきものだ。むしろ、このスタイルでこの程度の被害で済んだのは僥倖(ぎょうこう)と言えよう。

中山さんの話から、私の中に野望が巣食った。多少とも現地をしり、貧乏旅行の体験を有し、山歩き・ランニングの心得があるなら、おなじように南米を走り抜くことができるのではないか。
ところが、である。彼はシルクロード走破の中間に、アルゼンチンのブエノスアイレスからアンデス山脈を越えてチリに入り、ボリビアそしてペルーのクスコまで4767キロをすでに終えていた。完全脱帽である。

彼を見知ったのは4ヶ月ほど前、帯状疱疹にかかったのがきっかけだ。病院で診察を受け、処方箋をもって近くの調剤薬局を訪れたときである。白衣の薬剤師にどうも見覚えがある。『ランナーズ』という月刊誌に、シルクロード走破の手記を写真入りで連載していたのを記憶していた。私は迷わず声をかけた。以来、「夕食をごちそう」をエサに、たびたび足を運ばせては貴重な体験談を拝聴している。

中山嘉太郎さん。45歳。山梨県一宮町在住。薬剤師。そのうち、みなさんにも面白体験記のおすそ分けができればと思っている。 (小笠原)


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