今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(1月第4週)のメニューより

●野菜のクリーム煮    202kcal.  塩分1.1g

野菜のクリーム煮 [材料]  -6人分-
・白菜5〜6枚(300g)
・人参1/2本(100g)
・小蕪(こかぶ)3〜4個(300g)
・玉葱1個(200g)
・イカ大1/2 尾
・炒め油大さじ2
◎煮汁
  水とイカの茹(ゆ)で汁を合わせて3カップ
◎ホワイトソース
  バター大さじ2
  小麦粉大さじ6
  牛乳2カップ
  塩小さじ1
  胡椒(こしょう)少々
・塩/胡椒適宜
[作り方]

  1. 白菜…1辺4〜5aの菱形(ひしがた)に切る。
    人参…4a長さのみかんの袋型に切り、面取りをする。
    小蕪…皮をむいて、1個を2〜4つに切る。
    玉葱…大きめの櫛形(くしがた)に切る。
    イカ…皮をむいて、胴は松笠切りにし、4〜5a角に切り、えんぺらと足は食べやすい大きさに切って、さっと茹でる。茹で汁はとっておく。
  2. 厚手の鍋に油を熱し、野菜を炒め、水とイカの茹で汁を合わせて3カップを加え、野菜がやわらかくなるまで煮る。
  3. ホワイトソースを作り、野菜の鍋に加えて弱火で煮込む。
  4. 塩/胡椒で味をととのえ、イカを加えて仕上げる。
ポイントはここ
ちょっと一言
  • 白菜や小蕪は東洋の野菜ですが、これもホワイトソースでおいしい洋風料理の素材となります。小蕪のかわりに、大根でもおいしくできます。
  • イカのかわりに帆立貝、エビ、ムール貝もいかがですか。一つずつだけでなく、組み合わせても作ってみてください。
≪組み合わせメニュー≫
    ◎ローストポーク
    ◎グリーンサラダ
    ◎レモンシャーベット
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■習うのが恥ずかしい (つづき)

「料理が下手で恥ずかしい」は、いずれなくなるのではと言いました。料理をしないでも暮らしていける現実が厳としてあり、今後もその領域が拡がっていくだろうからです。出来合いのものがあふれていますし、外食する施設も多種多彩に富んで不自由はありません。料理は、「義務」から解き放たれつつあります。人によっては、とっくに「趣味」と理解しているでしょう。

家事で料理と双璧にあった「縫い物」は、その点で一歩先んじているようです。針を使えないようでは女性として恥ずかしかったものです。服や浴衣の仕立てはたいへんとしても、おしめ作りから雑巾縫い、ボタン付け、つぎはぎ、すそ直し…は日常的に行なわれていました。ミシンが普及して、どこの家にもあるようになっても事情は変わりませんでした。

今は、おしめは使い捨てが主流です。雑巾も束で売っているほか、化学雑巾というのもあります。すそ直しやかけはぎ・つぎ当ては、のりが付いたテープや素材をアイロンで温めれば簡単にできます。針・糸は不用です。ボタンにしても、ジッパーやマジックテープが多くなりました。直すのが面倒だと思えば、さっさと新調するでしょう。アジア諸国からの廉価な衣料品が出回って、それを容易にしています。
ミシンや裁縫箱は常備しなくても不便は感じないようです。バッグやポケットにしのばせる携帯用セットがあれば十分なのでしょう。裁縫に関しては、羞恥心の衣装はすでに脱ぎ捨てられているようです。

いまどき何が恥ずかしいといって、パソコンが操作できない、携帯電話が使えない、自動車の運転ができない、ではないでしょうか。かつての習いごとは経験がモノをいいましたから、年配者が若者を指導しました。若い人は年長の人にはそれなりの敬意を払ったものです。

近ごろ、立場が逆転しています。高齢者のほうが教わります。車の運転はもちろんのこと、PCやケータイをマスターするには、まっさきに年齢がハードルとなって立ちはだかります。習得期間や習熟度からいっても若い人にかないません。できないで恥ずかしい思いをしている中高年はたくさんいます。

「料理」も「縫い物」の跡を追うのでしょうか。「料理」は作業別に、下ごしらえ、調理、食(しょく=食べること)、後片付け、に分けることができます。目的は、このうちの「食べること」にあります。あとは、付随の作業といっていいでしょう。割愛することができます。それどころか、すこしでもないほうがいい、が本音でしょう。(調理がたのしい、自分で作りたいという人はもちろん大勢います)

そして今は、これが可能な時代です。外へ行って食べるか、あるいは出前や弁当を頼んだり、外で買ったものをうちで食べるかすれば実現できます。家族団欒の食事は家の中だけとはかぎりません。たのしく過ごして、家族の絆が深まるのはレストランでもおなじことでしょう。

経済的に余裕があって、たのしみが見いだされ、健康が維持されるなら、どこで・なにを・どう食べようと自由なのです。その人(家)の嗜好と諸事情から、責任をもって決定すればいいことです。恥ずかしいと思うことも、思われることもなくなるでしょう。

「料理」は、確実に「縫い物」の跡を追っているように見受けます。でも、おなじような方向ではありますが、同一軌道ではありません。縫い物は、形となってのこります。料理の場合、食べてしまえば跡形もありません。取っておくわけにもいきません。おいしかった、そうですね、とその場で終わる一過性のものです。ところが実際は、結果として生死を左右する「健康」という衣服を身にまとうかどうかです。ここが食のおそろしいところであり、むずかしいところでもあります。

健康は食が一人で背負っているわけではありません。適当な運動が必要ですし、ストレスがたまらないようにしないといけません。互いにリンクはするけれど、やはり生死の鍵をにぎる主役は食べることです。そこから立ち返って考えると、食に「羞恥心」の入り込む隙間は、本来ないのではないでしょうか。


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