今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラスのメニューより

●ナスの赤ワイン煮    206kcal.  塩分1.8g

ナスの赤ワイン煮 [材料]  -6人分-

・ナス中6個
・片栗粉(かたくりこ)大さじ3
  ◎詰め物
    豚ひき肉200g
    日本葱(にほんねぎ)1/2本
    卵1個
    塩小さじ1/2
・焼き油大さじ2
  ◎煮汁
    砂糖大さじ2
    醤油大さじ3
    赤ワイン大さじ5

[作り方]

  1. ナスは2cmの輪切りにし、中心をくり抜いてサッと水洗いし、水気を切る。
  2. 豚のひき肉に日本葱のみじん切り、卵、塩を加えてよく混ぜる。
  3. ナスの穴の水気をふき取り、片栗粉をまぶし、2のひき肉を詰める。
  4. フライパンに油を熱し、ナスの両面を焼く。
  5. 厚手の鍋に煮汁を合わせて、4のナスを入れて煮込み、ツヤよく仕上げる。
ポイントはここ
ちょっと一言
  • 昭和30年代、女性雑誌の主催で、「山梨県の郷土料理コンクール」があり、母(前園長)が応募して「最優秀賞」をいただいた料理です。盛り付けは、焼き皿に1人前として数個盛ってあっただけでした。
    審査委員長・多田鉄之助先生(と記憶していますが)から、「ナスと豚肉はとても相性がいい。それを山梨のワインで煮たアイデアはすばらしい」と誉めていただいた、と母はとてもうれしそうでした。
    それから柊(ひいらぎ)会(「味わう人生」その6)(「味わう人生」その7)や、全国料理学校協会が主催の郷土料理講習会や展示会で、より山梨らしさを演出するため、ナスをブドウの粒に見立て、つるや葉もいっしょに大皿に盛り付けるようになりました。家でブドウを栽培している生徒さんに頼んで、ブドウのつると葉をいただき、枯れないように大切な花束のようにして持ち、全国各地へ出かけていきました。
  • じつはこの料理は、アドバンスクラス5月第4週目のメニューに入っています。先週のレシピとして載せたかったのですが、ブドウのつると葉が間に合いませんでした。そのことを、アドバンスクラスで話したところ、生徒さんの一人が、わざわざ届けてくださいました。おかげさまで、新鮮なつると葉で写真がとれました。感謝です。
  • くり抜いたナスの身は、使っていたフライパンで油で炒めてから、ナスを煮上げたあとの残っている煮汁に、赤ワインをたして煮てみてください。肉詰めとはちがって、あっさりとした味わいもいいものです。
  • また、味噌汁の具として使うこともできます。
≪組み合わせメニュー≫
    ◎ナスと油揚げの味噌汁
    ◎イカとトマトの酢味噌和(あ)え
    ◎小鯵(こあじ)の南蛮漬け
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■たかが停電

この夏、関東に大停電が起こると警告が出されています。ご存知のように、東京電力管轄の新潟、福島にある17基の原発のうち、16基が安全点検で停止しています。冷房装置がフル稼働する夏場に、電力不足が起きて停電をもたらすだろうという予測です。

食生活への影響を考えてみました。なんといっても、まっさきに困るのは冷蔵庫でしょう。常時つけっ放しにしていますし、夏はいちばん必要とする時期でもあります。停電がどのくらい続くか定かではありませんが、開け閉めをひかえれば、真夏でも1時間程度は持つのではないでしょうか。それと、あらかじめ冷凍室で凍らせておいた保冷剤を入れておくと、冷蔵状態はもうすこし持続します。昔ながらの氷の冷蔵庫の原理です。

さらなる自衛手段としては、冷蔵庫への依存を減らすこと。つまり、必要な物を必要な分量買って、食べるだけを作り、そして食べ切ることです。ストックをおさえて、冷蔵庫に入れるのを極力すくなくする。こうすれば、食品を無駄なく使うことができ、たとえ残っても、大量でないかぎりある程度の冷蔵効果は維持できます。

調理面で見てみましょう。電気はなくともガスがありますから、それほど深刻さはありません。さすがに電気の自動炊飯器や電子レンジはアウトです。かわりにガスの炊飯器がありますし、鍋を使って炊くことができます。電子レンジも、ないからといって多少の不便さは感じますが、万事休すということにはなりません。

でも、ガスの使用が禁止されているマンションや、自分からガス器具を使っていない家庭があります。シーズヒーターやハロゲンヒーター、電磁調理器での調理は一切できなくなります。この場合は、卓上コンロで代用するか、外食または出来合いを買って中食(なかしょく)するかで解決します。ただし、レストランやスーパーも停電で営業不能も考えられますから、前もって冷蔵不要な物を買い置きしておく必要があります。

対処法は、電気がいつ、どのくらいの時間止まるかにかかってきます。
「停電」には、不意に起こるものと、予告されるものとがあります。予告停電はおもに送電線や電柱の替えなど工事によるもので、場所や日時等の内容が事前に知らされますから、それなりに対応できます。

不意の停電は、文字通り予告なしに突然襲ってきます。台風、地震、竜巻、落雷など自然災害による不可抗力と、火事や事故のほか、凧(たこ)をひっかけたり烏が悪さをしたりと人為的(?)ミスによる送電ストップがあります。これに、送電の鉄塔を倒したり、海底ケーブルを切断したりする物騒な犯罪行為が加わったりで、停電のタネは尽きません。

いま懸念されている停電は、これらの「複合型」といってよいでしょう。前もって供給不足がわかっている予告停電ではあるけれど、100%起きると確実視されているわけではありません。可能性は非常に高いが、絶対ではないのです。しかも、いつ、どの程度の規模か特定できないということは、不意打ちもおなじです。

似たようなことがありました。かの「2000年問題」です。さいわい何事もなく終わりましたが、こちらは大本のコンピューターに狂いが生じて、電気はおろかガス、水道、通信なにもかもが地球規模で大混乱するかもしれないという途方もない想定でした。

それに比べれば、「電気」「関東」「夏」とかなり絞り込まれているうえに、節電に励めば、回避も可能なりと但し書きがついていますから、「2000年問題」同様、杞憂に終わるかもしれません。

昔はよく停電しました。不意の停電は日常茶飯事。台風や落雷にはつきもので予告停電のようなもの。台所の不便さも、暗闇にも慣れっこでした。「危機管理」ができていた、というよりは、今ほど電気の恩恵を受けていなかったために、あまり不都合を感じなかっただけのことです。

近頃は、不意も予告も停電そのものが珍しくなりました。たとえストップしても、即刻復旧して気づかないほどです。そこでこんどの関東大停電ですが、まだ1ヶ月ほどあります。急襲を恐れおののくより、前向きに考えてみたらどうでしょう。

電気が断たれたぐらいでヘコタレナイように、訓練を兼ねて鍋でご飯を炊いてみたり、一夜、家中の電気をストップして、ローソクの灯りで夕食をとるなど「模擬停電」を試みるのも一計です。大停電を機にアウトドアライフをはじめようとか、ダイエットを決意するいいチャンス、でもかまいません。たかが停電です。電気がこなくても、ものともしない気構え・心構えを持ちましょう。

大停電の背後には巨大地震が見え隠れします。停電ぐらいでは済みません。ライフラインがズタズタになり、命の保証さえ危ぶまれます。しかも大停電より先に襲ってくる可能性もあります。その破壊力(恐怖)を思えば、電気の一時的な中断で動転しているヒマはないのです。


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