今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(6月第4週)のメニューより

●トマトスープ    143kcal.  塩分1.4g

トマトスープ [材料]  -6人分-

・トマトホール缶1/2缶(200g=ジュースを含む)
・玉葱(たまねぎ)中1個(150g)
・バター大さじ2
◎A
  米1/4カップ
  固形スープの素1個
  水4カップ
◎B
  生クリーム1/2カップ
  塩小さじ1
  胡椒(こしょう)少々
・クルトン

[作り方]

  1. 米は洗ってザルにあげる。
  2. 玉葱(たまねぎ)を薄切りにする。
  3. 厚手の鍋にバターをとかし、玉葱を炒める。
  4. トマト缶とAを加えて煮る。
  5. 米が完全に煮えたら、ミキサーにかけ、Bを加えて仕上げる。
  6. スープ皿に盛り、クルトンを添える。
ポイントはここ
ちょっと一言
  • 日本でいう洋風の「スープ」(フランスでは総称してポタージュ)は、とろみのないものとあるものに分けられます。とろみの付け方は、「ルー」(コーンクリームスープ、トマト入りクリームスープなど)、「野菜」(パンプキンスープ、ポテトスープなど)、「米」「米の粉」などがあります。
    ヨーロッパの場合、「米」は長粒種で、あまり粘りません。日本の米は粘りがありますので、すこし少なくしました。長粒種でしたら、1/3カップ位使ってください。
    「米の粉」といっても「上新粉」ではなく、フランスにはスープ専用の「粉」があります。もし上新粉で作ってみたい場合は、6人分で30g位、ゆっくりと40分位煮てみてください。米のとろみとはまた違うスープになります。
≪組み合わせメニュー≫
    ◎鯵(あじ)のムニエル
    ◎シーザーサラダ
    ◎ヨーグルトムース
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■児童虐待

知り合いが引越しでいらなくなったものを処分したいというので、児童養護施設(民間)を紹介しました。私どもも6年ほど前、移転にあたって衣類・食器類を寄付したところ、たいへん喜ばれました。子供は活発で成長が早いですから、着る物や食器はいくらあっても足りません。着古し、使い古しでも大歓迎されます。

この施設は、子供(1〜18歳)を親元から離して一時的に預かる場所です。子供は親の手で育てられるのがしぜんですが、事情あってそれが許されない家庭もあります。以前は孤児がほとんどだったのが、最近は片親にしろ親はいるのに育児ができなくて保護されるケースが圧倒的だそうです。

時節柄、不況で親が仕事に就けずに、経済的困窮から施設に入る場合があります。それよりは、親による虐待が原因で連れてこられる子供が大半と聞きました。たとえば、携帯電話の出会い系サイトに手を染めたばかりに家庭崩壊をおこし、もっとも立場の弱い子供にしわ寄せがきてしまう例など、世相が色濃く反映されています。

ぶったり足げにして折檻する、あるいは「お前なんか産むんじゃなかった」など言葉による暴力や、食事を与えなかったり制限するなどの日常化したイジメ。または、一切の面倒をみないで放置する。これらを見かねた近所の人や関係者が相談し、子供を親元から引き離して一時的に施設に避難させるわけです。

虐待によって健全な成長が妨げられた子供は、心身ともに発育が鈍いそうです。身体的に平均より劣っているばかりでなく、知能的にも遅れが目立ちます。九九が充分に言えないなど、IQが60前後ということです。先天的に低いわけではありません。伸びる時期に虐待のせいで伸びることができず、発達が遅れてしまっているのです。

たとえ食事をふつうにとっていても、虐待行為があれば、正常な発育は期待できません。ホルモンのバランスの関係なのでしょう、充分食べているはずなのに少しも"実にならない"。反対に、食べても食べても満腹感が得られないため、過食におちいってしまう。虐待によるストレスが、どれほど強く子供に影響を及ぼすものか、計り知れないところがあります。

その証拠に、施設に入って物理的には虐待から解放され、まともに食事をするようになっても、成長の遅れを取り戻すことはなかなか簡単ではないようです。トラウマとしての深い傷は、癒やしがたいものなのでしょう。

食事というのは、ただ食べるだけでは栄養になりません。おいしい!と思って食べてこそ、血となり肉となる。もっといえば、おいしいと思うだけでなく、複数の人たちといっしょに、たのしい!と思いながら食べると、成長を促進し、より一層の活力を生み出す糧になります。

知り合いによれば、「施設にくる子供はまだ幸せです」と現場の職員は嘆いたそうです。周囲の目がとどかない都会では、虐待があってもそのまま放置される場合がはるかに多く、最悪の事態となって明るみに出るのは氷山の一角だそうです。

施設はあくまで一時的な避難所です。子供は本来は親といっしょに暮らすものです。幼児であればなおのことです。親が虐待や放置を反省し、改善が認められれば、ひと月後でも子供は帰っていきます。他方、何年経っても音沙汰なしで、完全に子育てを放棄してしまったり、何度も行ったり来たりさせる身勝手な親もいるそうです。

頼るべき親から見捨てられた子供は、不憫としか言いようがありません。それだけに無責任な親には憤りをおぼえます。知人に施設を紹介し、ちょっとした社会奉仕のお手伝いをしたつもりでしたが、生々しい現状を聞かされては気が滅入ってしまいます。とはいっても私にできるのは、やはりこのような施設の存在を、少しでもみなさんに知ってもらうこと以外にはなさそうです…。


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