今 週 の レ シ ピ

当学園は今週(8月11日〜8月16日)は夏休みのため休講となります。

 [特集] ナス・なす・茄子 その2

●ナスと帆立貝のソテー  72kcal. 塩分0.5g

ナスと帆立貝のソテー [材料]  -6人分-

・ナス小3個
・帆立貝柱(ほたてかいばしら)大3個
  塩/胡椒(こしょう)少々
  小麦粉小さじ2
・生椎茸(なましいたけ)6枚
・バター大さじ3
◎A
  塩小さじ1/2
  胡椒少々
・浅月(あさつき)3本
・くし型レモン6個

[作り方]

  1. ナスは小さ目の乱切りにし、水を通し、水気をよく切る。
  2. 帆立貝柱(ほたてかいばしら)は5〜6個に切り、塩・胡椒(こしょう)で下味をつけ、小麦粉をまぶす。
  3. 生椎茸(なましいたけ)は、ナスと同じくらいに切る。
  4. フライパンにバターの半量をとかし、帆立貝柱を焼き、とり出す。
  5. 残りのバターをとかし、ナスを炒め、やわらかくなったら生椎茸を加えて、軽く炒める。
  6. 帆立貝柱をもどし、Aで調味し、小口切りの浅月(あさつき)を加えて仕上げる。
  7. 貝の器(うつわ)に盛り、くし型レモンを添える。
ポイントはここ
  • ナスは、1本70〜80gくらいのもの3本(200〜250gくらい)用意してください。小さ目の、皮のやわらかい新鮮なものがお勧めです。
  • 帆立貝柱は、放射状に6個くらいに切ります。小さい場合は4〜5個用意し、1個を4等分くらいに切ってください。切り分けた1切れは、ナスと同じくらいがいいでしょう。
  • 生椎茸は茎をとり、かさの部分だけを使います。かさの部分は、ナスくらいの大きさに切ってください。
  • フライパンに半量のバターを入れてから火にかけ、バターが半分くらいとけたところで、小麦粉をまぶした帆立貝柱を加えます。こがさないように手早く炒め、貝柱の表面の色が変わったらとり出します。火を通しすぎると、貝柱が硬くなりますので気をつけてください。
  • 残りのバターを、フライパンにとかします。ナスはなかなかやわらかくなりませんので、こがさないためにも、弱火でゆっくり炒めます。
  • 生椎茸は軽く炒め、すぐ帆立貝柱をもどし、Aで調味します。塩は計量スプーンではかって、手のひらにとり、指で全体にふり入れ、均一に味をつけるよう心がけてください。
  • 浅月(あさつき)は全体に混ぜ合わせてもいいですし、貝の器に炒めたものを盛り付けたあと、上からふり掛けてもいいでしょう。
ちょっと一言
  • 生椎茸のかわりに、シメジ、マイタケ、エリンギなどをナスくらいの大きさに切って使ってもよいでしょう。
  • よく冷えた辛口の白ワインにピッタリのオードブルです。この夏、ぜひ試してみては!

●なすの辛子醤油  21kcal. 塩分0.9g

なすの辛子醤油 [材料]  -6人分-

・なす6個(450〜500g)
・大根5aくらい
・しその葉5枚
◎辛子醤油
  ねり辛子小さじ1
  醤油大さじ2
  酒大さじ1

[作り方]

  1. なすはヘタをとり、縦(たて)半分に切る。
  2. 熱湯に、切り口を上にしてなすを入れ、皿を落としぶたにして、5〜6分茹(ゆ)でる。
  3. 鍋に水を入れてから皿をとり出し、手早く氷水になすを入れ、冷やす。
  4. まな板に、切り口を下にしてなすを並べ、上から重石(おもし)をかけて水気を切る。
  5. 大根・しその葉のせん切りといっしょに、縦4等分くらいに切ったなすを盛り付け、辛子醤油を添える。
ポイントはここ
  • なす1個70〜80gのもの5〜6個茹(ゆ)でる場合、直径24a深さ10aくらいの鍋に、半分くらい湯をわかします。
  • なすは縦2つ割りにし、かならず切り口を上にして熱湯に入れます。皮が上にならないように気をつけながら、皿でふたをします。私は直径20aくらいのスープ皿を3枚使います。3枚もと思われるかもしれませんが、1、2枚では煮立っている熱湯の中から、なすが皿を押し上げて出てきてしまうことがあります。なすが空気にふれないように、念のため3枚にします。

    切り口を上に 皿で落としぶた

  • 茹で時間は、なすの大きさにもよりますが、1個80gくらい6個あるいは100gくらい5個で、5〜6分です。足りなくても多すぎても、なすの色が悪くなります。
  • 氷水を、大き目のボールにたっぷり用意します。
  • 茹で上がったら、鍋を流し台にもっていき、水を流し入れます。手を入れられるまでになったら、皿をとり出し、手早く氷水になすを入れます。完全に熱が抜けるまで、とり出さないでください。
  • まな板かバットの裏になすを、切り口を下にして並べます。上から重石をかけて、水気をとります。すこし傾けて、出てきた水が流れるようにします。やわらかく茹でてますので、手でにぎって水気をとろうとすると、つぶれやすいのです。

    水を入れる 手早く氷水に 重石をかける

  • 大根は、桂むきにしてせん切りにし、冷水につけ、水気を切ります。しその葉もせん切りにして、同様に冷水につけ、水気を切ります。
  • なすの水気が切れましたら、縦に細長く4本くらいに切ります。
  • ねり辛子を醤油と酒でといて、辛子醤油にして添えます。好みで、調味料を混ぜながら食べてもよいでしょう。
ちょっと一言
  • 「茹でなす」は、茶色いものと思い込んでいませんか。暖かい空気にふれないように茹でると、なす本来の紫色が美しく仕上がります。熱湯には何も入れません。なすの下処理も必要ありません。この方法を知って茹でなすを作るのが楽しくなったという声を、たくさん聞きます。ぜひすぐに試してください。家族の驚き・喜ぶ顔を頭に描きながら…。

●茄子(なす)の四川風炒め  155kcal. 塩分0.8g

茄子(なす)の四川風炒め [材料]  -6人分-

・茄子3個(220〜250g)
・胡瓜(きゅうり)1本(100g)
  揚げ油適宜
・豚ひき肉150g
◎A
  ニンニク1片
  生姜(しょうが)1片
  豆板醤(トウバンジャン)小さじ1
・炒め用油大さじ1
◎B
  醤油大さじ1.5
  酒大さじ1
  砂糖大さじ1
  酢大さじ1
  中華出汁(だし)1/2カップ
  片栗粉(かたくりこ)大さじ1
・日本葱(ねぎ)のみじん切り大さじ1

[作り方]

  1. 茄子はヘタをとり、縦に放射状に8等分に切る。
  2. 胡瓜(きゅうり)は6〜7a長さに切り、茄子と同じように縦に切る。
  3. 170℃くらいの油で茄子、胡瓜を揚げる。
  4. Aのニンニク、生姜(しょうが)をみじん切りにし、豆板醤(トウバンジャン)を混ぜる。
  5. Bを合わせる。
  6. 強火にかけた中華鍋に炒め油を熱し、豚ひき肉を炒め、途中からAを加え、さらに炒め、肉に完全に火を通す。
  7. 3の茄子と胡瓜を加えてひき肉と混ぜ合わせ、Bを加え、ひと煮立ちさせる。とろみがついたら、日本葱のみじん切りを加えて仕上げる。
ポイントはここ
  • 茄子・胡瓜とも、縦に放射状に切ります。火の通りや、味のからみ方が同じになります。
    茄子は切った後、ボールの水につけてすぐ取り出し、よく水気を切ります。

    放射状に切る 茄子を水につける すぐ取り出す

  • 油を170℃くらいに熱し、まず茄子を揚げます。温度が低いと、茄子の色が悪くなります。茄子に火が通ったら、胡瓜を入れます。胡瓜は油の中を通す程度で、茄子といっしょにとり出し、充分油を切ります。

    茄子を揚げる 胡瓜は油を通して取り出す

  • 香りA「にんにく」「生姜」「豆板醤」をよく混ぜ合わせて炒めた時の香りを四川料理では「魚香」といいます。海のない四川省では「魚」への憧れからおいしいものを作る香りに「魚香」とつけたとか・・・

    四川料理の「魚香」の材料 3つをよく混ぜる

  • 中華鍋は強火にかけ、炒め用油を熱し、まず豚ひき肉を炒めます。香りAを熱した油に入れるとこげやすいので、先に豚肉を炒め、途中からAを加えて、さらに炒めます。

    肉に火が半分位通ったらAを加える Aを炒めて香りを出す

  • 茄子と胡瓜を加え、ひき肉と混ぜ合わせたら、あとは手早くBを加えます。Bには、片栗粉が入れてありますので、よく混ぜてから加えてください。強火ならすぐとろみがつき、つやよく仕上がります。

    茄子と胡瓜を加える Bで味を付ける 葱を加える

ちょっと一言
  • 香りAと、味付け調味料Bの組み合わせは、いろいろな材料に応用できます。茄子、胡瓜のほかに、人参(にんじん)、玉葱(たまねぎ)、キノコ類、ピーマン、また豚ひき肉のかわりに、鶏ひき肉、合挽肉(あいびきにく)を組み合わせると、色合いも味わいもちがったものになります。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■3本の輪ゴム

床に置いてあったテレビのリモコンを、うっかり踏んでしまいました。バリッと変な音です。大丈夫かな? 操作してみると、テレビがつきません。やはり故障したようです。乾電池がおさまっているケース部分の一部が欠けて、中の電池が見えています。端子の接触がうまくいかないようです。

今度ほどでなくても、これまで何回となく落としたり、蹴飛ばしたりしてきました。よく壊れなかったものだと不思議でさえあります。乱暴に扱ってきたつもりはありませんが、便利さにまかせてゾンザイだったかもしれません。文字通りリモコン=遠隔操作、手の代わりとなって動いてくれます。ところが、いつのまにか逆転していました。

テレビの真ん前にいるのにリモコンを捜しているのです。捜すヒマがあったら、直接本体のスイッチを押せばいいのに。そんな経験ありませんか? 今回、壊れた(壊した)おかげで(?)、そのことに気づきました。なんのためのリモコンでしょう、本来の使い方を忘れていたようです。

じつは、もうひとつ似たようなことがありました。ケータイを充電中、これもなにかモノをぶつけたかで、卓上充電ホルダーを壊してしまいました。新しいホルダーを買ってこないと充電できないと放置していたら、あとで娘が、充電終了というではありませんか。そんなはずは?とみると、電話機本体の底部にある接続端子に充電用のコードが差し込んであります。ホルダーにセットしなくても、直接コネクターを挿入して充電できるのです。ナーンダ、そうだったのか(自分の無知をさらしてしまいますが)。

卓上ホルダーは、本来の充電機能には関係ありません。ただコネクターから直接では、ほったらかしにしているようで行儀が悪そう。ホルダーに立てかけると、いかにもお上品でカッコいい。それだけのちがいのようです。体裁を気にする「見せかけグッズ」、なんとも日本的なオプションです。

「必要」と「便利」の境界があいまいです。もしくは混同していることが周りにすくなくありません。「必要」はなくてはならないもの。「便利」は、「あればよし」。なければないでかまわない。「あったら便利かな」の世界です。その隙間に、「横着」が忍び込みます。「必要は発明の母」、「横着は無駄のはじまり」というわけです。高級な注文服をオートクチュールといいますが、私は無駄で高くつく物を「横着ツール」(!?)と呼んで、極力遠ざけるようにしています。

料理でもおなじようなことがあります。たとえばドレッシング。ビンに入っているものをわざわざ買っていませんか? そんな必要はまったくありません。簡単に自分で作れます。しかも、画一的でない自分好みの味で、でき立ての新鮮なものを味わうことができます(「ドレッシングって自分で作れるんだっ!」)。

ほかに濃縮調味料(天つゆ、そばダレ、清汁、煮物用など)、各種のタレ(焼肉用、浅漬け用、中華味付け用など)、ルー(カレー、ハヤシ、シチュー類など)、こうしたものも、買ってくるものだと思い込んではいませんか。ちゃんと自分の手で作り出せるのです。できると知りつつも、めんどうだから、あるいは作り方を知らないからそうしてきた。そういう方は、ぜひこの機会に試してみてください。

壊れたリモコンですが、電池ケースの回りに輪ゴムを3本ほどかけたところ、再び操作できるようになりました。しぶとく、まだ使うことにします。この輪ゴムに、「横着ツール」の自戒を込めました。「三本の矢」ならぬ、「3本の輪ゴム」です。


§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 掲示板  ichiban@kateiryouri.com


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