今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(8月第4週)のメニューより

●魚のパピヨット   94kcal.  塩分1.1g

魚のパピヨット [材料]  -6人分-

・魚の切り身(銀ダラ)1切れ80g6枚
◎A
  塩小さじ1
  胡椒(こしょう)少々
・レモンの輪切り6枚
・バター大さじ2
・パセリ少々
・パラフィン紙20×25a6枚

[作り方]

  1. 魚の切り身に、Aで下味をつける。
  2. 用意したパラフィン紙の4ヶ所の角を、すこし丸みをもたせるように切っておく。
  3. パラフィン紙にバターをぬり、魚をおき、レモンの輪切りと1a角くらいのバターをのせる。
  4. パラフィン紙で丁寧(ていねい)に包み、高温のオーブンで10分くらい焼く。
  5. オーブンから出したままで皿にのせ、パセリを添える。
ポイントはここ
  • 魚は銀ダラ、マダラ、カレイなどの白身魚に合う料理法だと思います。
  • 魚をのせて、隙間(すきま)がないように形よく包むために、パラフィン紙をカットします。20×25aくらいの長方形を作り、4ヶ所の角をすこし丸みがあるように切ります。
  • 隙間のないように、また形よく包みます。高温のオーブンにいれますと、隙間なく包んだ中の空気が熱くなって膨張し、蒸し焼きになります。

    紙の上に材料を 隙間なく包む 形よく仕上げる

  • パンパンに膨らんだままを皿にのせ、しぼまないうちにテーブルに出しましょう。
ちょっと一言
  • 「パピヨット」は、フランス語の紙「パピエ」から「紙包み焼き」のことをいいます。味、香りを逃がさないように工夫された料理法です。紙はパラフィン紙をよく使います。水や油で破れない「クッキングシート」でもいいです。(日本料理では和紙を使います。)
≪組み合わせメニュー≫
    ◎パンプキンスープ
    ◎ナスのトマト煮
    ◎海藻サラダ
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■いま、町内のお祭りは…(続々編)

23、24日の両日、恒例の町内のお祭りがありました。わずか67世帯の町内が、20坪程度の神社の境内で行なう、こじんまりした祭典です。一昨年、昨年に続いて、今年も取り上げてみます。

昨年は、和歌山のカレー事件で自粛していた焼きそば屋台を復活させて、お祭りに活気がもどりました。これに自信を得、今年はいよいよアルコールを解禁しようということになりました。お酒を止めていたのは、カレー事件をさらにさかのぼります。町内に住む人たちの親睦を深めるはずのお祭りで、アルコールが却って座を白けさせてしまうという反省から、謹厳実直の会長さんがノンアルコールを提唱して実施されたものです。もちろんご本人は下戸です。

カレー事件がこれに加わって、なんと3年間は、呑むことも食べることもなしのお祭りでした。準備や片付けの最中に出されるお弁当も、自宅へ持ち帰って食べるという徹底ぶりでした。裏方に回る女性軍もすることがなくなって、婦人会も解散してしまいました。

強い反対がなかったのは、やはり一部の酒飲みの迷惑行為にたいする不快感と、カレー事件の影響の大きさであると思います。食事もお酒もないお祭りなんて、お祭りとはいえません。口さがない人からは、"これじゃまるで、お葬式じゃネーカ"と言われかねないでしょう。喧嘩は論外として、祭りに酒は付き物です。こんな「異常」とも思える事態が続いていました。活気を失っていくのは、当然の成り行きです。

会長さんが、昨年代わりました。これによって空気も変わりました。みなさん、どこかで息苦しさを感じていたようです。マジメでキッチリもいいけれど、お祭りくらいはブレイコーでいきたいと。焼きそば復活に手ごたえを得ると、"やっぱりお酒も欲しいよね"、となるのが人情です。

禁酒令を解いて、「悪夢再来」が懸念されましたが、杞憂に終わりました。時は、確実に流れていたようです。亡くなった方もあれば、元気だった方もお歳を召されました。おしなべて往時の勢いはありません。呑みたくても、体がいうことを利かないのです。

35度を越す猛暑が夜まで持ち込まれるなか、それを吹き飛ばすような賑わいとなりました。熱々の焼きそば、香ばしい骨付きフランク、それに冷たいビールのおかげといっても過言ではありません。お祭りと飲食を引き離すのは、やはりどこか無理があるようです。個人的な嗜好もあるでしょうが、お祭りを盛り上げるのに鉦(かね)や太鼓が必要なのとおなじように、お酒は欠かすことができないファクターです。なんといっても「御神酒(おみき)」、なのですから。

禁酒法の時代は終わりました。従来のスタイルが完全復活しました。メデタシメデタシと行きたいところですが、そうもいきません。「正常」にもどってみると、もうひとつの異常が鮮明になってきました。「少子高齢化」です。

反省会でお酒が入って本音が言えるようになって、これが話題となりました。本来なら、お祭りは子供のためにあるものです。ところが、わが町の小中学生の数はわずかに8人。来年は3人高校にあがって2家族5人です。後続が小学生になるまでは数年かかります。子供のいないお祭り(ゼロでないにしても)、これも異常と言うべきです。比べて老人会の会員(65歳以上)は50人と盛況です。これからも増えます。

こうした現実から、お祭りは目に見える形で変容してきています。神輿担ぎはトラックに、注連縄(しめなわ)張りは止めて、神社の幟旗(のぼりばた)も、今年からあらたに、扱いが楽な伸縮自在の真鍮(しんちゅう)にとって代わりました。体力的に負担が大きい作業は、どんどん簡略化ないしは廃止を余儀なくされていきます。

ここまでお膳立てをしても、肝心の子供がいないのではお祭りにはなりません。"子供中心から、年寄り中心のお祭りとして根本から見直そうか"、そんな冗談とも本気ともいえない意見も出ました。飲食なしの異常は原状復帰すればよかったのですが、こちらはこの先どうなるのかよく見えてきません。

伝統行事と子供の存在を通して、地域住民の親睦を図ろうというのがお祭りです。いま、その土台が揺るいでいます。でも親睦の思いが少しでもある間は、「異常事態」におちいっても、どんなに変容を遂げてもお祭りは途切れずに続けられていくことでしょう。そうあってほしいものです。


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