今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(11月第4週)のメニューより

●白菜の中国風おひたし   58kcal.  塩分1.8g (かけ汁ごと全部食べた場合)

白菜の中国風おひたし [材料]  -6人分-

・白菜6枚(400〜500g)
・赤唐辛子(あかとうがらし)1本
・油大さじ2
◎かけ汁
  砂糖大さじ2
  醤油(しょうゆ)大さじ2
  酢大さじ2
  塩小さじ1

[作り方]

  1. 白菜を茹(ゆ)で、水にとって冷やし、スダレで巻く。2a長さに切り、バットに一列にならべる。
  2. 赤唐辛子は種をとり、小口切りにする。
  3. 中華鍋に油と赤唐辛子を入れ、火にかけ、温まったらかけ汁の調味料を加えて煮立て、すぐに1の白菜にかけ、そのまま冷やす。
ポイントはここ
  • 白菜は茹(ゆ)でてから、厚いところはそぐようにして横に包丁を入れて薄くします。
  • スダレに白菜を全体がおなじ厚さになるようにおき、しっかり巻きます。スダレに巻いたまま、しっかり水気を切ります。3a位の長さに切りそろえて、バットに一列にならべます。

    白菜をおく しっかり巻く 水を切る

  • 赤唐辛子は乾燥していると切りにくいので、水に浸してやわらかくしてから輪切りにします。
  • 中華鍋に油と赤唐辛子を入れてから、弱火にかけます。油の温度を徐々に上げて、唐辛子の辛さを油に移します。熱い油に唐辛子を入れるとすぐ黒くなり、辛さより焦げ臭い香りになってしまいます。 熱いうちにかける
  • 調味料を加えて煮立てたかけ汁は、かならず熱いうちに白菜にかけます。バットをすこし傾けて、白菜に充分かけ汁がかかるようにします。充分冷やしてから、盛り付けてください。
ちょっと一言
  • 日本のおひたし風に一品料理として食卓に出したり、前菜の一品として大皿に盛り込むのもよいでしょう。
  • 巻いて一口大に切った白菜に、かけ汁をかけないで器に盛り、白す干しや削り節をのせ、二杯酢、三杯酢の味でも召し上がってみてください。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■大事と大切

何気なく使っていることば、「レシピ」。ちょっと気になって、いつ頃から使いはじめたのか自問自答してみました。"いつの間にか"というのが正直なところです。私の記憶では15年? 20年は遡らないと思うのですが…。

手元にある辞書を調べてみました。「外来語辞典」(角川書店、1978年)には出ていません。25年も前ですから、まあ無理でしょう。「日本語大辞典」(講談社、1989年)にもありません。「電子レンジ」があるのにです。意外でした。14年前です。それよりすこし新しい「類語新辞典」(角川書店、1991年)はどうでしょう。これにも載っていません。

さいごに「広辞苑」に登場してもらいました。1976年と1991年の2冊あります。76年にはトウゼンありません。そして、見つけました。91年のに、やっとです。前掲の「類語新辞典」は同年の5月30日、広辞苑が11月15日ですから、このあいだの半年が載るか載らないかの「潮目」。辞書に載るのは、そのことばが定着したと判断されてのことでしょうから、「レシピ」ということば自体はそれ以前に使われ、広く一般に知られるようになったのが1991年あたりということになりそうです。私のあいまいな記憶も、あたらずといえども遠からず、でした。

では、それ以前なんと呼んでいたのでしょう? これも自問してみました。近い意味で言うと、「作り方」、でしょうか。材料とその分量、調理法を説明したものがレシピですから、的は外れていませんが、それらを全部ひっくるめて「レシピ」としたところが受け入れられたのでしょう。当学園では、「プリント」もしくは「テキスト」と呼んでいました(いまもレシピとテキストは同義に使います)。

レシピを作るには、「濃淡」を考えます。つまり、詳しく書こうとすれば途方もなく長くなってしまいますし、短くしようと思えば、いくらでもちぢめることができます。教室では実習しますから、テキストとしてなるべく簡単に必要最小限のことだけを載せ、あとは各自それぞれ必要に応じて書き込みやメモを入れるようにしてもらっています。

じつは、そのメモ書きがとても重要です。自分なりの独自のポイントがそこに記されるからです。興味が引かれたところを強調したり、弱点になりそうな個所を補ったりするなかで、知らず知らず、誰のでもない自分専用のレシピを作っているとおなじことなのです。

このテキストのあつかいをめぐって、興味深い行動を見ることができます。 授業は最初の30分間、レシピにのっとって実際に作りながら手順を説明します。みなさん、熱心にメモをとります。そのあと実習に移るわけですが、ここで、せっかくのテキストを遠ざけたり仕舞いこんでしまう人をよく見かけます。ぜんぶ頭に入っているのかというと、そうではありません。邪魔だからでしょうか、汚れるからでしょうか。そういう人に限って、手順を聞いたり分量を聞いてきます。そのためのテキストなのです。それに、実習中にも書き足すことがあると思うのですが…。

テキストはつねに手元において欲しいのです。当教室では、いつでもテキストにあたられるように大きく「板書」しています。ですから生徒さんは、テキストを見るという習慣がいつの間にかしっかり身に付くようになっています。

先日、長野県飯田市へ講習にいきました。30人ほどが集まりました。老人福祉関係の栄養士さん、調理師さんたちです。さすがにプロはちがいます。実習に入っても、全員そばにレシピがありました。なにかというと、書いたり覗き込んでいます。料理ができあがるころ、そのシシピは汁や油や調味料がとんだりはねたり、ぬれたり汚れた手で染みをつくったりでくしゃくしゃになっていました。なかには破れているのもありました。レシピをとても大切に(重要視)していることが分かります。あらたにもう一部レシピを差し上げたいと思ったほどです。

だからといって、レシピを乱暴にあつかえという意味ではありません。汚れたり、痛んだりするのをオソレルナということです。汚れて当たり前です。ファイルしてしまっておくのもいいでしょう。大事にするのは大切です。でも大事にするあまり、役割を軽視していませんか。もっともっと使ってあげましょう。使われてこそレシピなのですから。


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