今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(2月第1週)のメニューより

●牡蠣(かき)の土手鍋   135kcal.  塩分2.0g

牡蠣(かき)の土手鍋 [材料]  -6人分-

・牡蠣(かき)300g
・焼き豆腐1丁
・日本葱(にほんねぎ)3本
・春菊1束
◎合わせ味噌
  赤味噌80g
  白味噌40g
  みりん大さじ1
  酒大さじ1
  砂糖大さじ1
  出汁(だし)大さじ4〜5
・出汁(だし)適宜

[作り方]

  1. 牡蠣(かき)は薄い塩水で洗い、水気を切る。
    焼き豆腐は、4a角1a厚さ位のそぎ切りにする。
    日本葱は、長めの斜め切りにする。
    春菊は、7〜8a長さに切る。
  2. 味噌に調味料を加えて、合わせ味噌を作る。
  3. 鍋に日本葱を並べ、合わせ味噌を土手をきずくようにしき、火にかけて熱くなったら、用意した牡蠣(かき)、焼き豆腐、春菊を加えて、煮ながら食べる。(途中、汁気が足りないようなら出汁をそそぐ)
ポイントはここ
  • 牡蠣(かき)は煮すぎると硬くなり、風味も失われがちです。サッと煮る程度で食べられるよう、「生食用」を買ってください。牡蠣(かき)のあつかいは、「牡蠣フライ」を参照してください。
  • 焼き豆腐、日本葱、春菊ともに、一口大(ひとくちだい)より少し大きめに切ってください。鍋料理の食材は、少し大きめのほうが鍋の中から取り出しやすいでしょう。
  • 合わせ味噌の硬さは、出汁(だし)で加減してください。 味噌の土手を作る
  • 厚手の鉄鍋のまわりに、日本葱を立てかけるようにたっぷりと並べ、その葱を土台にするように味噌の土手を作ります。火にかけ、味噌の土手をくずしながら、牡蠣やその他の材料を煮ながら食べます。
  • 合わせ味噌は、少し多めに作っておき、別に用意した出汁(だし)といっしょに煮ながら味を調節してください。
ちょっと一言
  • 「土手鍋」(または「土手焼き鍋」ともいう)は味噌あじで、海の幸とくに貝類を食べるものをいいます。牡蠣(かき)が有名ですが、ほかにホタテ貝、ハマグリ、アサリもおいしくいただけます。こんにゃく、セリ、三つ葉なども牡蠣によく合う材料です。
  • 味噌あじには、ほかに豚もも肉、ごぼう、日本葱、春菊で鍋をたのしむことができます。
  • 「土鍋」のふちに味噌の土手を作って火にかけ、中央に出汁を入れ、煮立ったら味噌をくずしながら材料を煮ていく方法もあります。
≪組み合わせメニュー≫
    ◎わかさぎの香り漬け
    ◎ハスと牛肉の金平煮
    ◎白菜のおひたし
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■つよ〜い味方

「<リンゴの皮むき>脳の前頭前野を活性化」

こんな見出しの記事(毎日新聞)が、ネットに載りました(1月2日)。
茨城県つくば市にある、独立行政法人食品総合研究所の発表です。

「前頭前野」とは、額の後ろ側にあって理性や記憶、計算など高レベルな活動をつかさどる器官だそうです。痴呆症患者や、いわゆるキレル子供の行動分析と関連がある。つまり、危険な刃物を使って、リンゴの皮を微妙に動かしながら皮をむくという複数の動作を同時進行させることによって、その前頭前野のワーキングメモリー(一時記憶)を活性化させているというのです。

"ヘェー"と思いつつも、"やっと…"の感をもちました。リンゴの皮をむく程度(?)で脳が活性化しボケ防止になるのなら、玉葱や生姜のみじん切りを日常茶飯事こなしている人間には、それはすごい効果があらわれるでしょう。料理では、リンゴの皮むきは初歩の初歩、ほんの入口だからです。(「りんごの皮、剥(む)ける?」参照)

皮むきだけでもバリエーションがあります。メニューや素材によって動かし方、難易度がちがいます。リンゴよりジャガイモの皮をむくのがたいへんですし、職人芸を要求される大根の桂むきなどいろいろです。むくだけではありません。切ったり、刻んだり、刺したり、突いたり、削(そ)いだり、剥(は)いだり、筋を入れたり、叩いたりと包丁の技はそれこそ「四十八手」。しかも「微妙な動作」ばかりです。

それに、料理は「複数の動作」なしには進みません。味噌汁ひとつ作るにも、鍋で出汁(だし)をとり、そのそばでワカメをもどし、日本葱を切って、ときどきは火加減に目をやりながら、仕舞い頃、豆腐を手にもって賽(さい)の目に慎重に包丁を入れる…。しかも味噌汁と同時進行で魚を焼いたり、目玉焼きを作っているなどというのは普通のことです。

記事の中で、同研究所では結論的にこう言っています。
「リンゴの皮むきで頭がよくなると即断はできないが、脳をより多く使うには、初めから皮をむいた野菜や果物を買うより、自分でむいた方がいいし、おかずを買うより、作った方が効果的だ」。

これまで2代、50年以上にわたって家庭料理の意義と大切さを言ってきましたから、今になってやっとという思いがないわけではありませんが、やはり科学的裏付けは自信になります。そしてうれしいものです。

つぎに、"ヘぇー"の方です。これは、「危険な刃物を動かす」ということ。単に手先の運動が脳を刺激するというだけではないようです。鋭利で危ない包丁を上手にコントロールする「緊張感」が、脳を活性化する。この指摘にハッとしました。

切れない包丁を使って、ストレスがたまることがあるからです。よその講習会場へいって、備え付けの切れない包丁を使うときほどイヤなことはありません。逆に、設備がそろっていなかったり、気分がのらないときでも、切れ味のよい包丁が用意されていれば気持ちが晴れるものです。(不快な思いをしないためにも、講習にはかならず自分のを持参します)

まかりまちがえばそれで怪我をするかもしれない。利器が凶器になってしまう。その緊張感がいい、ということです。でも、危険と隣り合わせの緊張感は、「障害物」と取られかねません。バリアフリーのこの頃、邪魔物は取り払うのが風潮ですから、ちょっと意外な感じがしました。

一日中パソコンと向かい合って、声をださず、話もせず、考えることが少なくなって「IT性痴呆」になってしまう若者。また、徹底したバリアフリーの住居に生活して、かえって足腰を弱くしていく高齢者。こういった受身な人たちに、頭を使い、体を動かしもっと能動的な暮らしをしてもらう。そのほうがより健康的で長く生き、創造的な仕事ができます。使わなければ、人間の機能は衰えていくばかりです。

そのために包丁をにぎる。危険な刃物をあつかうときの「緊張感」とは、傷つけまいとする「防衛本能」です。防衛本能とは「生きたい」ということです。料理が、食べものを作るほかに、人間の中に「生きる意欲」を生み出していくというすばらしいことに気がつきました。力強い味方を得た思いです。


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