今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(2月第3週)のメニューより

●ハンガリー風シチュー(グーラーシュ)   273kcal.  塩分1.9g

ハンガリー風シチュー(グーラーシュ) [材料]  -6人分-

・牛肉(もも)300g
  ◎A
    塩小さじ1/2
    胡椒(こしょう)少々
・ベーコンの薄切り60g
・ニンニク1かけ
・玉葱(たまねぎ)2個(300〜350g)
・バター大さじ2
・小麦粉大さじ5
  ◎B
    水3カップ
    トマトケチャップ大さじ5
    パプリカ大さじ1
  ◎C
    塩小さじ2/3
    胡椒少々
≪マッシュポテト≫
 ・ポテトの粉1カップ
  ◎D
    バター大さじ1
    牛乳1/2カップ
    塩小さじ2/3
    胡椒(こしょう)少々
 ・熱湯1カップ

[作り方]

    材料の切り方
  1. 牛肉は2a角に切り、Aで下味をつける。
    ベーコンは1a幅に切る。
    ニンニクはみじん切りにする。
    玉葱(たまねぎ)は三日月切りにする。
  2. 鍋にバターを入れて火にかけ、ベーコンとニンニクを炒める。
  3. 肉を炒め、表面の色が変わったら、さらに玉葱を加えて、しんなりするまでよく炒める。
  4. 小麦粉を振り入れ、よく炒め、Bを加えて、弱火で30分位煮込む。
  5. 肉と玉葱がやわらかくなったら、Cで調味し、さらに10分位煮込む。
  6. マッシュポテトを作る。
    ポテトの粉にDを入れ、一気に熱湯を加えて、軽く混ぜ、ふたをし、5分位蒸(む)らす。
  7. 肉皿にマッシュポテトを円形にしぼり出し、シチューを盛る。
ポイントはここ
  • 牛肉は「もも」を塊(かたまり)でもとめ、2a角位に切ります。「もも」はあまり脂肪分がなく、スネ肉やバラ肉にくらべ、短時間でやわらかく煮えます。
  • 牛肉の脂肪分が少ない分を、ベーコンでおぎないます。バターでベーコンを炒め、脂肪分の白い部分が透き通ったらニンニクを加え、こがさないよう弱火でじっくり炒めます。
  • 肉は、表面の色が変わるまでしっかり炒めます(1)。玉葱を加えて、透き通ってしんなりするまでよく炒めます(2)。
  • 小麦粉を振り入れたら(3)、鍋底にしっかりした茶色の膜がつくまでゆっくり炒めます(4)。くれぐれもこがさないように。この「茶色」が、仕上がりの色の深みにつながります。

    (1) (2) (3) (4)

  • トマトケチャップのかわりに、好みでトマトピューレ、トマトの水煮を加えてもよいでしょう。 パプリカを加える
  • 「パプリカ」は赤色の香辛料で、この料理の色と香りになくてはならないものです。赤色ですが辛くないので、小さじ1から大さじ1の量で加えてみてください。
  • アクが出てきたら穴杓子を使ってアクをすくい、ボールに入れた水で穴杓子(あなじゃくし)を洗います。

    穴杓子でアクをすくう ボールの水で洗う

  • 粉末のポテトを使うと、手軽に「マッシュポテト」が作れます。
  • 円形にしぼり出したマッシュの内側に、シチューを盛るというのではなく、まわりに自然に流れ出すように盛ってください。
ちょっと一言
  • 「パプリカ」は最近、八百屋さんやスーパーで売られている赤、橙(だいだい)、黄の色鮮やかなピーマンに似た形をしていて、生では野菜として食べられます。
    乾燥して粉末にしたものは、香辛料として用いられます。まったく辛くないものから、かなり辛いものまでありますが、日本では辛くないものが売られています。唐辛子やピーマンの香りと、かすかな甘味が感じられます。ハンガリー、スペインが産地です。
  • ハンガリー風シチューは「グーラーシュ」といわれ、牛肉と野菜のシチューですが、なんといっても「パプリカ」の赤色と強い風味が特徴です。
  • 20年位前、ウイーンのレストランで「グーラーシュ」をいただきました。その店のは、牛肉が角切りではなく「細(こま)切れ」、ちょっとピリッとした辛さもありました。ポテトのゆでたものが、山のようにテーブルに出されました。皿にポテトをとり、それにグーラーシュをかけて食べました。「これだわ、 ハヤシライスの素は! だれかが日本のごはんに合うように工夫をしたに違いない」。一口食べて、そう感じました。
    「ハヤシライス」と「グーラーシュ」を作って食べるときは、いつもこのウイーンのことを思い出します。
≪組み合わせメニュー≫
    ◎シーフードマリネ
    ◎クレソンのサラダ
    ◎ふわふわババロワ
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■愛情1週間

先週はバレンタインデーがありました。知られているように、女性から男性にチョコレートを贈る習慣で、昭和33年チョコレート業者がはじめたものです。女性が男性にプレゼントするという「意外性」が注目を引きましたが、ことチョコレートの需要に関していえば、やはりその反対のほうがはるかに伸びそうな気がします。

チョコが好きなのは圧倒的に女性です。プレゼントされたこと自体うれしさを抱きながら、チョコレートそのものが好きという男性は、数の上では比較になりません。そろそろこのへんで「男子禁制」を解いてあげたらどうでしょう。双方向で、チョコレートの売上げはグーンと上昇しそうな気がするのですが。

当教室は1週間、5週目調整のため普通授業はお休みでした。そこにバレンタインケーキの特別講習をふりあてました。バレンタインのケーキは、チョコのあつかいでクリスマスケーキよりはちょっとむずかしいこともあり、毎年2日間位の授業のあいまをぬってばたばた作っていましたから、教える私も生徒さんのほうも落ち着きませんでした。今年はじっくり余裕を持ってできました。おかげで、作りながら、ケーキにたいする贈り手のさまざまな思いが伝わってきました。

A子さん。子供のころから、7つ違いのお姉さんがケーキを作るのをよく手伝わされたそうです。でも、いつもうまくいかなくて手伝いが手伝いにならなかった。いつかは自分の手でイチから作りたかった。A子さんは3人姉妹の末っ子。お父さんが自分の誕生日に、なにもプレゼントなしか? とあからさまに要求します。"お姉ちゃん達の誕生日はおぼえていて、わたしのは知らないくせに"と言い返すと、"じゃ、いらん"とそれっきりになっていたのを気に病んでいました。このケーキで、自分も上手に作れることをアピール、あわせてお父さんとの仲を修復し、家族のみんなにも喜んでもらうのだとか。

Bさんは、ケーキを作るのも初めてなら、料理学校へ来るのも初めてです。4年目のベテランCさんに付いてくるのです。"なにを持っていけばいい?"とCさんに問い合わせのメールが入りました。

「エプロン、それと"愛情"」

冗談のつもりだったのに、なぜかBさんからはなんの反応もなかったそうです。

当日です。Bさんは朝から緊張して仕事も手につきませんでした。教室で粉をふらせると、その手が震えているではありませんか。チョコを塗りおえ、いよいよバタークリームを使ってメッセージを書き入れるときです。緊張がピークに達したのでしょう、怖いほど真剣です。思わずCさんは声をかけました。

「アンタ、息してる? 息しなきゃだめよ!」

息がつまるほどの思いつめた表情は、彼への愛情か、さもなければ単に未体験が重なった初づくしのゆえでしょうか…。

みなさん、できあがると画像撮りのできるケータイでパシャッ。送り先は言わずもがなです。せっかく作ったんだから、きれいなお皿にのせるとかレースペーパーを敷けばと思うのですが、どうも違うらしい。散らかったままの調理台の横で、Vサインをしている姿を他の生徒さんに撮ってもらっています。完成ほやほや「現場から生中継」のほうが、ホントに自分で作った証拠になるというのです。

さいごはDさんです。児童養護施設につとめています。いわゆる虐待をうけた子供たちが暮らしています。彼女の受け持ちは男女18人。おやつ代150円ずつをあつめてバレンタインケーキを作るのです。これまではチョコレートやキットを買っていましたが、Dさんがお稽古に来はじめて、今年はケーキ作りに挑戦です。

本来は15センチのハート型ですが、子供たちにすこしでも多く行き渡るようにと丸型にしました。それでも18人には少なすぎます。私から1個プレゼントさせてもらいました。

仕事はたいへんのようです。職員になりたいという希望者は少なくなく、よく福祉関係の学生が研修にきます。1週間ほどいますが、昼間だけでは幼児が相手で、ふつうの保育とあまり変わりません。本当の意味で研修にはならないそうです。

学校へ通う子供たちが帰ってくると様相が一変します。とくに夜になると、子供たちの不安がつのり、心の傷がいろいろな反応を引き起こします。その対応がたいへんなのです。泊りがけでそうした世話を3日もすると、はつらつとしていた研修生の眼が輝きを失ってくるそうです。子供が好きだから、可愛い・可哀相だからといったナマナカな理由や決心ではとてもつとまらない厳しさがあるようです。

子供は親の愛情に飢えています。親のもとがいちばんいいに決まっています。いつでもそこへ帰っていけるように、施設ではつねに「家庭の暮らし」を心がけているといいます。ぬくもりのある手作りのケーキを食べさせたいという思いが、Dさんから伝わってきました。

それぞれの愛が垣間見えたバレンタインの1週間でした。


§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 掲示板  ichiban@kateiryouri.com


ホーム月別レシピジャンル別レシピこれまでのジュニア 学園案内ケーキ屋さん掲示板