今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(5月第1週)のメニューより

●千草汁   8kcal.  塩分1.4g

千草汁 [材料]  -6人分-

・トロロ昆布15g
・日本葱(にほんねぎ)1/3本
・青じそ3枚
・生姜(しょうが)15g
◎A
  出し汁4カップ
  塩小さじ1
  醤油(しょうゆ)大さじ1

[作り方]

  1. 日本葱は、4〜5a長さのせん切りにして、さらす。
  2. 青じそはせんぎりにして、冷水でさらす。
  3. 生姜は皮をむいておろす。
  4. お椀(わん)にトロロ昆布と1.2,3を盛り、Aを合わせて熱した汁を注ぐ。
ポイントはここ
  • 日本葱は4〜5a長さに切って、縦(たて)に割り、外側の白い皮の部分を細いせん切りにします。さらし方は二通り。葱の辛味や香りが好きな人は、冷水に入れておき、よく水気を切って使います。葱のぬめりや辛さが苦手な人は、ふきんで包んで、水道水をかけながらもんでください。
  • 青じそは、写真のように巻き、葉先から細く切り、冷水でさらします。

    葉を横に巻いていく 冷水にさらす

  • 生姜特有の香りと辛味は、皮目にいちばん含まれています。包丁で皮を厚くむいてしまうと、生姜本来の効果がでません。おろし生姜やみじん切りにするときは、割箸(わりばし)の角を使ってこそげ取るように薄く皮を取ってください。 材料をお椀に盛る
  • お椀に具を盛っておき、食卓に出す直前に、熱くした汁をまわりからそっと注ぎ入れます。飲むときに、全体を混ぜてください。
ちょっと一言
  • トロロ昆布と味の合う具を組み合わせて、いろいろな千草汁を楽しみましょう。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■箱庭バードウォッチング

結婚披露宴の終わりに、退場する参列者たちを花嫁花婿が見送るシーンがあります。お礼方々ちょっとしたものをプレゼントしますが、それにマドレーヌが使われます。それも自分で焼いた手作りのマドレーヌを。先週、生徒さんが、結婚式の前日に一日かけて200個作りました。先月も別の生徒さんが150個作り、来月はもう1人の生徒さんが同じように200個のマドレーヌを焼きます。

マドレーヌを焼くと、型からはみ出た部分、せんべいの耳のようなカスが出ます。200個分ともなると、両手にあまるほどの量になります。それをどうするか…、庭に播きます。おすそ分けとして、鳥さんたちのエサになります。

庭といっても10坪少しの狭い空間ですが、数種類の鳥が飛来します。スズメ、鳩、ヒヨドリ。この3種が常連です。彼らはエサを探すのが日課ですから、食べるものがなかったり、探すことができなくなったらそこで生は終わります。こちらはパンくずやお菓子の切れ端を放り投げているにすぎませんが、鳥さんにとっては命をつなぐ大切な食糧です。そして、確実にそこにエサがあるということはたいへんなことなのです。

マドレーヌのような高カロリーはごちそうです。播くと、あっという間に集まってきます。時間を特定してやっているわけではありませんから、見張り役がいるかのようです。われ先に食べようとするのですが、三者三様、やはり力関係によって順番があります。力関係はその図体からきます。一番は鳩ですが、いつもヒヨドリと拮抗します。

ヒヨドリはとてもアグレッシブです。泣き声からして強烈で、家では「ギャー」もしくは「ギャーギャー」と呼びならわしています。大きさで鳩に劣るものの、エサ争いでは一歩も引きません。鋭い泣き声と、尾羽を打ち震わせて鳩を威嚇します。1度など、ギャーに追いかけられた鳩が、ガラス戸に衝突してあえなく昇天、遺骸を庭に埋めました。

ヒヨドリは単独でも来るし、10羽以上群れをなしてくることもあります。まとまって来ると、狭い空間ですから不気味に感じることがあります。庭木が荒らされる心配もあります。この鳥は3種のなかでは唯一、「余裕」があるというか、底意地の悪さ(?)を持っています。エサを前に、食べないでそばに停まっていることがあるのです。スズメや鳩、それに他のギャーが食いにかかると、ソレッとばかり飛び立って追いまわすのです。縄張り意識が強いというか、意地が悪いのです。

鳩は、我が家では人気がありません。嫌われる理由はいくつかあります。その第一はフンです。大量の排泄物は庭の土の上なら肥料になりますが、塀といい屋上の欄干といい所かまわず落とします。ことに、物干し場は困りものです。

第二は大食漢であること。じつによく食べます。鳩はつねに1羽か2羽。徒党を組むことはありません。たくさんエサをやったところで、鳩にしたら1羽分の食い扶持にもあたるかどうか。狭い餌場ではかえって共倒れになるでしょう。

感心するのはあの図々しさです。鳥といえるのでしょうか。このくらい怯えない、警戒心の薄い、無遠慮な鳥をほかにしりません。可愛げがないのです。平和のシンボルと見なされていますが、たんに人間を怖がらないだけのことです。

これと好対照なのがスズメです。臆病で、いつも10羽前後仲間と連れ立ってきます。チチチッという囀(さえず)りもほどほどで耳に心地よく、色といい形といい派手なところはまったくありません。邪魔にならず、空気のような存在です。

当たり前すぎて、なんの変哲もないスズメが私はことのほか好きです。いぶし銀の魅力とでもいいましょうか。新緑に躍動する姿もいいし、夏の朝は囀りが清涼感をもたらし、秋は秋で落ち葉が舞い散るようにハラハラと地上に降り立って目を楽しませてくれます。冬は極致というほかありません。シンと静まり返った雪の中で聴く鈴の音のような囀りと、一面の銀世界で目立たなく健気に動き回るスズメはまさに一幅の水墨画です。春夏秋冬見飽きることがありません。

本当ならスズメだけに来て欲しいのですが、彼らは非常に小心です。鳩やギャーギャーがいないと寄り付かないところがあります。ただし、鳩は大食いなだけに、エサはすぐなくなる心配があります。牽制してくれるギャーが必要です。またギャーだけだと、追い立てを食らっておちおち食べていられません。鈍感な鳩の下では追い払われない代わり、他の危険から100%安全は保障されません。

スズメにとっては鳩もギャーもいてくれたほうが都合がいいようです。2羽がバトルを演じている隙にちゃっかり漁夫の利を得たり、一口大でないものは、一旦口にくわえて適当な場所へ移動してからゆっくり食べるという知恵も持っています…。

たかだか箱庭のバードウォッチングですが、そこで繰り広げられる野鳥たちの食の営みには、思わず時を忘れて見入ってしまうことがあります。


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