今 週 の レ シ ピ

・寒い夜、体の中から温まりませんか?

●牛肉と大根の韓国風スープ    93kcal. 塩分1.6g

牛肉と大根の韓国風スープ [材料]  -6人分-

・牛肉150g
・大根250g
◎A
  粉末唐辛子大さじ1/2
  エクジョ(魚醤=ぎょしょう)大さじ1
・胡麻油(ごまあぶら)大さじ1
・水5カップ
・モヤシ100g
・日本葱(にほんねぎ)1本
・ゼンマイ50g
・ニンニク小さじ2
◎B
  エクジョ(魚醤=ぎょしょう)小さじ2
  塩小さじ1
  うまみ調味料

[作り方]

    材料の用意
  1. 牛肉は、少し脂肪のある細(こま)切れを用意する。
  2. 大根は皮をむき、縦(たて)に6等分、2〜3mmの薄切りにする。
  3. 厚手の鍋に胡麻油を熱し、1、2、Aを炒め、水を加え、煮立て、アクをとる。
  4. モヤシ、ななめ薄切りの日本葱、6〜7cm長さに切ったゼンマイ、すりおろしたニンニクを加え、ふたをして弱火で煮る。
  5. Bで調味して仕上げる。
ポイントはここ
  • 牛肉は、脂肪の多い三枚肉だけでは少し脂っぽいでしょう。いろいろな部位が混ざっている細切れの中で、脂肪が少しあるところを選んでください。
  • 直径5〜6cmの大根の場合、皮をむいて縦に6等分位にし、2〜3mm厚さの薄切りにします。もっと太かった場合は、8〜10等分にしてみてください。
  • 鍋は直径18〜20cm深さ10〜15cmのものを用意してください。
  • 胡麻油で牛肉を炒め、表面の色が変わったら大根を入れ、軽く炒めます。粉末の唐辛子とエクジョ(韓国の醤油)を加え、さらに炒め、水を加えます。沸騰するまで強火で煮て、アクを丁寧にとります。

    牛肉、大根を炒める 唐辛子を加える アクをとる

  • モヤシは生のまま加えます。
    モヤシ、日本葱、ゼンマイ、ニンニクを加える 水煮のゼンマイは、洗って水をよく切り、6〜7cm位に切ります。
    ニンニクは、「おろしニンニク」として売られているチューブ入り、瓶(びん)詰めなどを使ってください。
  • 大根がやわらかくなるまでふたをして、弱火でゆっくり煮ます。
ちょっと一言
    韓国の魚醤
  • 調味料として使っている「エクジョ(魚醤=ぎょしょう)」は、韓国料理の食材の店だけでなく、スーパーでも買えるようになりました。「アンチョビーソース」と表示があります。原材料は「イワシ、塩」、イワシを塩漬けにして作られたものです。ほかに「ナンプラー」はタイ国の、「ニョクナム」はベトナム国の「魚醤」です。魚の種類がちがいますが、もし韓国のものがない場合は、これらでもよいでしょう。
  • スープが残ったら、ご飯を入れて雑炊にしてはいかがですか? 寒いとき、とても体が温まります。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■いながらにして

2003年「国際数学・理科教育動向調査」の結果が発表されました。世界の中学2年生と小学4年生を対象とした学力コンテストです。これによれば、世界のトップレベルとされてきた日本の子供は、著しくランクを落としました。週休二日制や学習内容の3割減で「ゆとり教育」をめざしてきましたが、どうやらそれが裏目に出て、学力の低下は誰の目にも明らかとなりました。

小学4年の理科が問題例として紹介されています。
ハカリの上に、おなじ積み木を3種類に置き方をかえてのせた場合、ハカリが示す重さはどうなるか、という問いです。「ぜんぶおなじ重さをさす」が正解ですが、国際平均の正答率72%にたいして、日本は66%とふるいませんでした。形がかわっても重さはかわらないことが、理解できなかったようです。

料理を習っている子供なら、小学4年生以下でも答えに迷うことはないでしょう。コンニャクでもニンジンでも、どうハカリにかけようと重さにかわりはないことを知っています。レシピに材料の重さを明記していますし、頻繁に目方を量るからです。

子供というのは重さに興味を示します。ジュニアクラスの生徒を見ていると、お稽古の合間に、ひょいとテキストや鉛筆、消しゴム、包丁など、側にあるものをのせては目盛りをのぞきこんでいます。手をのせる子もいて、「重い」「軽い」などと遊んでいます。(蛇足ながら、これは手の軽重でなく、ハカリにかかる力の強弱です)

一般の家庭で、ハカリといえばお風呂場の体重計ぐらいでしょう。軽いもの、小さいものを量るハカリはあまり見かけません。教室には2kg用、1kg用のアナログ式とデジタル式を数台おいてあります。

子供たちがめずらしそうに小型のハカリに関心を示すのは、家の台所にそうした軽量用のものが用意されていないからと思われます。ということは、世のお母さんたちは、自分の体重(ダイエット)には敏感でも、食材の重さはそれほど気にならないとみえます。

料理に計量が欠かせないことはいうまでもありません。粉でも液でも固体でもです。たとえばニンジンの場合、100g必要で80gしかなかったとします。でも、足りない分は調味料やなにかでなんとかカバーしてしまいます。ところがお菓子やパンを作るとなると、こうはいきません。強力粉や薄力粉が不足すると、料理のように微調整がきかず、往々にして思うとおりのものができません。きっちり量ることが要求されます。

子供たちにもハカリや量り方のちがいをきちんと理解させます。風袋(ふうたい)と本体の関係です。お皿で挽肉(ひきにく)を量るとします。デジタルのハカリなら簡単です。まず風袋の皿をのせておいてボタンをおし、ゼロになったところで挽肉をおきます。アナログなら、皿をのせて、目盛りをゼロにあわせてから肉をおきます。高学年や中学生にもなると、大人なみに風袋に材料をそのまま加算してすませます。

「国際数学・理科教育動向調査」の成績は、文部科学省や教育関係者に大きなショックをあたえました。「ゆとり教育」の見直しとか方向転換が叫ばれますが、おなじ「ゆとり教育」でも、こと料理に関しては、その必要はなさそうです。おわかりのように、料理の実習は、いながらにして理科の実験に相当し、数学の訓練と応用の場としても充分になりえていると自負するからです。


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