今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(7月第4週)のメニューより

●五目冷やし中華そば    433kcal. 塩分3.6g(かけ汁も全部飲みほした場合)

五目冷やし中華そば [材料]  -6人分-

・中華生麺(なまめん)600g
・焼き豚200g
・キュウリ1本
・トマト2個
・モヤシ200g
・卵2個
  片栗粉(かたくりこ)小さじ2
  水小さじ2
◎A
  中華風出汁(だし)100cc
  醤油(しょうゆ)100cc
  酢100cc
  砂糖大さじ3
  生姜汁(しょうがじる)大さじ1
  胡麻油(ごまあぶら)大さじ1
・練り辛子(がらし)好み

[作り方]

  1. 中華生麺をたっぷりの熱湯で茹(ゆ)で、冷水にとり、よく冷やして皿に盛る。
  2. 焼き豚…食べやすい大きさに薄切りにする。
    キュウリ…板ずりをし、縦2つに切り、5〜6cm長さの斜めの薄切りにする。
    トマト…薄めのくし型切りにする。
    モヤシ…熱湯でサッと茹でる。
    卵…割りほぐした中に水溶き片栗粉を加え、中華鍋で薄焼き玉子を焼き、巾1cm、長さ5〜6cmの短冊切りにする。
  3. 1の麺に2の材料を彩り、よく盛る。
  4. Aを混ぜ合わせ、冷やす。
  5. 3の麺に4のタレをかけ、好みで練り辛子を添え、よく混ぜて食べる。
ポイントはここ
ちょっと一言
  • 冷やし中華そばの具に、決まりはありません。中華そばと味が合って、彩りよく、栄養のバランスがいいものを用意しましょう。
    ◎具の例:エビ、カニ、イカ、ホタテ貝などの茹でたもの。蒸し鶏、茹で豚。インゲン、オクラなどの茹でたもの。
【野口料理学園】

塩 ひ と つ ま み

■ナンカヘン

ギスギスした世の中です。人間同士、とかくコミュニケーションをとるのはむずかしいものです。先日も、こんなことがありました。

地元のラジオに出演、「夏野菜」のテーマで15分ほど話をしました。
次の日、電話がかかってきました。ラジオで紹介したレシピの分量を聞き漏らしたので、教えてくださいというのです。声の様子から、60代でしょう。お安いご用です。どこそこに住む者ですと、地名は言いましたが、名前は名乗りません。すこし不安がよぎりました。

ラジオでは、3種類のレシピを紹介しました。まず、「牛肉のトマト炒め」からです。
牛肉を何グラム、と言うが早いか、「それはコ−ですね、アーですね」。醤油を大さじいくつというと、「それはわかってます」、「油はないんですか?」(あとから言おうとしているのに)など、だまって聞いていません。さらに、砂糖何gと水何gを言うそばから、「片栗粉はないんですか?」(これもあとから言おうとしていました)。とにかく、先へとすすませてくれないのです。ナンカヘンです。

片栗粉でいえば、肉の下味付けの場合は、味付け調味料を混ぜ込んだあと、炒める直前に入れます。だから、「ああ、この人はあまり料理を知らない」ということがわかります。そのうえ、せっかちというか話の腰を折るというか、人が話すのをじっと聞いていられない性格のようです。

1品、2品とこんな調子できて、3品目です。がまんしていましたが、とうとうたまらず、思わず言ってしまいました。
「まず、私に言わせてください。質問はそれからお願いします!」

電話の応対は失礼のないよう心がけているつもりです。でも、顔がみえないのをいいことに、「何でも答えるのがあたりまえ」的な横柄な口調の人が多いのは残念なことです。経験からいって、ちゃんと名前を名乗って聞いてくる場合、そういう人は少ないように思います。

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お稽古でいまの話を紹介したところ、「私もありました」と主婦のAさんが、自分のナニカヘン談を披露してくれました。

先週のことです。家族4人でファミリーレストランに行きました。Bという、全国的にも知られた中華料理のチェーン店です。後の席でガチャンと大きな音がしたかと思うと、肩に汁がひっかかりました。ご主人の皿の近くには、イカがとんできました。食べている最中です。

店員さんが後片付けしながら器をひっくり返したようです。肩にかかったのはラーメンの汁でした。さいわい誰にもケガはありません。その汁も、ちょっと肩にひっかかった程度で、たいしたことはなさそう。店員さんが、「すみません。いま店長よんできます!」それだけ言って、奥へと引っ込んでいきました。

大げさなと思っていたら、ほかのお客さんから言われて背中をみました。べっとりと、かなりの範囲が汚れています。『洗濯代くらい、出してもらっていいかな』と内心思いました。

ところが、現れた店長の口から出たのは、
―どうしたらいいでしょう?

ハアー???
予想もしていなかったことばでした。ナンカヘンですよね。

気が動転していたのでしょう。それはわかります。でも、被害にあったお客さんを前に、どうしたらいいでしょう?はないでしょう。立場が逆です。責任者のことばとも思えません。20代とおぼしき男性ですが、自分の立場がわかっていないようです。ウェートレスがわざわざ呼びにいった意味も、ぜんぜん理解できなかったにちがいありません。

気まずい空気が流れましたが、気を取り直したかして店長は、Aさんたちの食事代はタダに、洗濯代も渡してくれました。ただし、粗相をした当のウェートレスは、二度と顔を出しませんでした。もう一度あらためて挨拶してくれたら、気が晴れただろうにと残念でならなかったそうです。

この話を聞いていたCさんが言いました。
―マニュアルがあるはずよ。
そうしたトラブルを想定した店員用の、そして店長用のマニュアル本は存在する。それはそうでしょう、これだけ名の知れたチェーン店ですもの。今回その種の対応ができなかったのは、店長も店員も成り立てでトラブル未経験だった。そうとしか思われない、というのがウェートレス経験のあるCさんの見解です。

さいごに、Dさんが学生時代の体験を話してくれました。
都内のホテルでバイトをしていたときです。誤ってコーヒーをこぼしてしまいました。なんと、相手は着物です。蒼くなってその場で動けなくなっていたCさんのところに、スーッとマネージャーが現れました。お客様に丁寧に詫びを入れ、すかさず「分厚い封筒」を差し出しました。

日本で一、二を争う格式と伝統を誇る超高級Tホテル、そこへ来ている正装姿のお客様です。それ相応のモノを包んだと思われます。

敏速な対応はさすがです。しかも当のDさんは、何のお咎めも受けなかったそうです。これもみごとです。対お客様だけでなく、学生アルバイトを含めたトータルできめ細かいマニュアルができ上がっていて、なおかつ、いざという時にスムーズにコトが運べるよう徹底した実地訓練がほどこされているようです。


§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 ichiban@kateiryouri.com


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