今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス11月第2週のメニューより

●カキの清汁(すましじる)

カキの清汁(すましじる) [材料]  - 6人分 -

・カキ12個
・ワカメ戻したもの30g
・ユズの皮少々
・一番出汁(いちばんだし)4カップ
・塩小さじ1.5
・醤油(しょうゆ)小さじ2
・うまみ調味料少々

[作り方]

  1. カキは大粒のものを選び、塩水で丁寧に洗う。
    薄い塩味の一番出汁(いちばんだし)で下煮する。
    汁は布巾でこして、本汁に加える。
  2. ワカメは水にひたし、硬い軸をとり、葉の部分を3cmくらいに切り、カキとおなじように下煮しておく。
  3. カキ2個とワカメを椀(わん)に盛り、清汁を張り、ユズを添える。
ポイントはここ
  • カキの下ごしらえは「牡蠣(かき)フライ」の「ポイントはここ」を参照してください。
  • 一番出汁(いちばんだし)は「鶏ささみの清汁」の「☆昆布とかつお節を使った出汁のとり方」を参照してください。
  • 貝類の清汁では、貝を別に薄味の汁でサッと煮て、その汁を一番出汁に加えます。こうすることで貝の味は清汁にしっかりとつきます。ただし、貝の煮過ぎには注意しましょう!「蛤(はまぐり)の清汁」の「ポイントはここ」参照

    カキの下煮 ワカメの下煮 下煮の汁を加える

ちょっと一言
  • 日本料理の汁物には季節を表す香り、「吸口」があります。秋も深まる頃、黄色のユズが出てきます。薄く皮をむいて、使ってください。
【野口料理学園】

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塩 ひ と つ ま み

■目に狂いはなかった

60人分のシジミ汁を作るというので、直径40cmの大鍋を出しました。久しぶりの登場です。フランスから取り寄せました。同サイズの浅鍋がもう1個あって、フタは1枚だけ。出番のないときは、2つ重ねた上にフタをのせて保管しています。

おなじフランス製で、20cm・18cm・16cmの3点セットの片手鍋があります。こちらは入れ子式になっていて、フタはやはり1枚です。この場合、身のサイズがちがっても、フタの内側に18cm用16cm用とそれぞれ円周の突起があって、いずれもピタッとフィットするようになっています。まさに大は小を兼ねる、とても合理的です。

鍋というのは、身だけでなくフタの占めるスペースもばかになりません。このように1枚のフタが兼用できて、しまうにも上に1枚のせておさまってくれると便利で重宝します。フランス製は、鍋の身とフタが別々に買えるからそれができます。日本はこうはいきません。離しては売ってくれません。私たちの住環境を考えると、ずいぶん無駄に思えてきます。

保管場所だけではありません。経済的にも問題です。フタをなくしたとか、身をへこまして使えなくなったとかしても、一方だけほしいというわけにはいかないからです。直径40cmクラスの大鍋になると、フタだけで万の単位です。
こうした無駄な例は、ほかにもたくさんあります。(「カゾえる」参照

自衛策として、たとえば靴下だったり手袋だったりは、おなじ色・柄のものを買うようにします。片方がどうかなったら、その方を補充すればいいのです。経済観念のある女性ならやっている人も多いと思いますが(私もそうです)、パンストの場合、ちょっと破れたからといってそのたびに新しいのを買っていたらもったいない。そこだけ切って重ね穿きをしますよね。

この夏、主人は山で着る雨合羽を新調しました。そのあと鳳凰三山だか北岳だかへ行って帰るなり、“やっちゃったよ!”。見れば、買ったばかりの合羽のズボンの裾が、なにかにひっかけてかぎ裂きです。それは派手に破れていました。“下だけでも売ってくれりゃなあ”と残念そうです。私など、「100均」の合羽でよさそうに思うのですが、ゴアテックスとかいう新素材でなくてはダメなのだとか。ケッコーなお値段です。またおなじ色の上下を買ってきました。で、つぎもズボンの方だけイカれたらどうするのかしら? またまた上着だけが残ってしまいますよね。なんて不経済な…。

原則、別売りはしない日本でも、例外があります。それは「中華セイロ」。二つの意味で、フランスの鍋と似ています。身とフタが別々に買えることと、サイズはおなじですが、何段重なろうと、上はフタ1個のせればすむということです。下の蒸気が上まで届きさえすれば、何段だっていいのです。私の場合、三段重ねが多く、肉マン、アンマン、シューマイ、万頭を蒸すときなどに用います。頻繁に使って消耗しても、フタはフタ、身は身で買えるからありがたいのです。

ところで、この中華セイロ、本場中国に負けないほどしっかりしたものが日本で作られているというのです。テレビの人気番組「どっちの料理ショー」で解説していました。なんでも、身を囲む丸い縁の、中が空洞になっていることで熱が逃げにくく、フタの竹の編み方が巧みな名人の職人芸によって、ほどよく蒸気を逃がしてくれることで上手に蒸せるのだそうです。

「へーッ、そんな名品が日本にあったんだ」と感心していると、なんとその中華セイロは、母の代から愛用し、生徒さんにも勧めている馴染みの業者さんの製品ではありませんか! 驚きました。私たちの目に狂いはなかったという、嬉しさと同時に誇らしさを感じました。

【野口料理学園】


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