型がなくても「布巾」一枚で！

●錦巻き

[材料]

		・卵	８個
		・砂糖	大さじ１０
		・塩	小さじ１

　　[作り方]

1. 卵は固ゆでにし、白身と黄身に分けて裏ごしにかける。
2. 砂糖を白身に大さじ４、黄身に大さじ６、塩は一つまみずつ入れ、しっかり混ぜる。
3. ぬれ布巾の上に黄身を平らにのばし、その中央に白身を棒状にのせる。
4. 布巾を使って巻き、そのまま蒸し器で１０分蒸す。
5. １,０〜１,５ｃｍに切り分ける。

ポイントはここ

• 卵は固ゆでにし、急いで冷水で冷やし、殻をむいて、黄身と白身に分けます。熱が残ったままにしておくと黄身の周りに硫化鉄ができて濁ったような薄い緑色のくすんだ色になります。
• 裏ごしにかける時は、まず「白身」、そのまま裏ごしを洗わずに「黄身」。暮れの忙しい時は少しでも洗い物をへらしたいもの！黄身の中の白身はあまり目立ちませんが、白身の中の黄身は間違いなく目立ち過ぎることになります。
• 白身と黄身では砂糖の量がちがいます。それぞれの水分量がちがうので、水分の多い白身の方が少なくなっています。
• 「塩」、くれぐれも忘れずに！
• 「二色玉子」では、裏ごした黄身のふわふわ感を残して仕上げるために、砂糖は「はし」で本当にさっくり混ぜますが、この「錦巻き」は黄身も白身も手でしっかりと混ぜてください。特に黄身は巻くときにくずれないように特によく混ぜます。
• 黄身を伸ばす大きさは縦１６ｃｍ、横１８〜２０ｃｍの長方形に伸ばします。厚みは７〜８mm位でしょう。卵の大きさによって違ってきますが・・・ここでは卵４個で作ってます。従って、縦は１６ｃｍですが、横は１０ｃｍくらいになっています。
• 中央に棒状にした白身を置きますが、両端まで同じ太さにしましょう。どうしても真ん中が太くて、両端が細くなりがちです。
• 巻くときは布巾を使って黄身の両端がつながるように巻いてください。そのまま、蒸し器へ！！
  黄身を広げる 白身は棒状に 布巾で巻いて蒸し器へ

• 蒸し時間は約１０分。混ぜた砂糖が蒸気でとけて黄身も白身もしっかりとくずれなくなります。
• 粗熱がとれたら、布巾をはずし、完全に熱を抜いてください。抜けたら、すぐにラップで巻いて、乾かないようにします。
• 盛り付けるときに厚さ１,０〜１,５ｃｍに切ります。
  布巾を広げてとりだす 厚さ１,０〜１,５ｃｍに切る

ちょっと一言

• 子供のころ、もう６０年近く前になりますが、その頃はまだ今のように「正月料理のセット」などはなく、近所の食料品店で、「紅白羊羹」「豆きんとん」「伊達巻」「かまぼこ」などを単品で売っていました。「錦巻き」はなかったような気がします。母の友人でこの「錦巻き」が大好きで、いつもお正月近くなると、「私の家の分もお願いね」と頼んできます。ある年、「親戚や友達も食べたいといってるから、１０本お願いね！」・・・まだ小学生でしたが、ゆで卵の殻をむき、黄身と白身に分ける手伝い、我家の分を合わせてほぼ１００個！！それから当分、ゆで卵を見るのも嫌でした！！
• 最近は「布巾」を使わなくなっていますが、その代わり、ラップがあります。さらに「蒸し器」は電子レンジにとってかわられた気がします・・・そこでラップで巻いて、電子レンジにかけると、「３分」で出来上がり。いったんラップを開いて熱を抜き、完全に熱が抜けたら、そのラップにまた包んで取っておきます。ただ、ラップに黄身を広げる時、しわが寄ってしまうと仕上がりが筋が目立ってしまいます。ラップに「しわ」ができないように、くれぐれもご注意ください・・・
• 蒸し上がったら、必ず、布巾をはずしてよく熱を抜きます。熱が充分抜けたら、乾かないようにラップに包んで取っておきます。
• 「布巾と蒸し器」より「ラップと電子レンジ」の方が、「時間が短い」、「布巾」では卵のうま味や砂糖の甘さが蒸気にあたっているときに流れてしまいますが、「ラップ」は何も逃しません。便利グッズを利用すれば、「正月料理」も意外に簡単です。全部は無理でも、毎年、一品ずつお得意料理を増やして、「我家のお正月料理」を楽しめるようになってください。
• 重箱に詰める時は、どの料理も同じ、よく熱を抜いてからです。「正月料理」は一日であわてて作ってもおいしく、美しくはできません。気持ちに余裕をもって、もう一つ、計画的に作るように心がけましょう。

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【野口料理学園】