今 週 の レ シ ピ

・ベーシッククラス(5月第1週)のメニューより

●唐草イカの酢みそ和(あ)え    68kcal. 塩分0.7g

唐草イカの酢みそ和(あ)えの写真 [材料]  -6人分-

・イカ1尾
・日本葱細いもの2本
◎A
  みそ大さじ3
  砂糖大さじ3
  出汁(だし)大さじ2
・酢大さじ1

[作り方]

  1. イカは皮をむき、胴の部分の表側に包丁目を入れ、長さ7〜8a、巾1aに切り、熱湯でさっと茹(ゆ)でる。
  2. 日本葱は鍋に入る長さに切り、茹でて、包丁の背でぬめりをとり、長さ3a位に切る。
  3. 鍋にAを入れ、火にかけて練り、火からおろして熱がぬけてから酢を加える。
  4. 小鉢にイカと葱を盛り付け、酢みそを添えて仕上げる。

ポイントはここ

  • イカの皮のむき方  
       
    1. えんぺらのついている側から胴体に指を入れ、軟骨をぬきます。  
    2. 左手で胴体をもち、右手で足を下にぬきます。  
      軟骨をぬく 足とわたをぬく
       
    3. 胴体とえんぺらの間に親指を入れ、上にぬきます。えんぺらを下に軽く引き、止まったら横にはずします。  
      親指を上にぬく えんぺらを横にはずす
       
    4. えんぺらがはずれた所に塩をつけ、親指を身と皮の間に入れて一回りします。それを手がかりに一気に下にむきます。
      塩をつけて一回り 一気に下にむく イカの各部位
       
    ☆足とハラワタは切り離します。眼とくちばしをとりのぞきます。

  • 唐草イカの切り方  
       
    1. 胴をたてに2つに切り離します。  
    2. 胴を、上部を右側に、表側を出してまな板におきます。  
    3. 包丁をできるだけ斜めにして、5_間隔に包丁目をまっすぐ、胴の長さの半分まで入れて切り離します。  
    4. 包丁目の入ったイカを90度まわし、1a巾にたてに切り離します。   
      包丁目を入れる 1a巾に切る 唐草模様
       
  • 唐草模様に切ったイカを、熱湯でさっと茹で、すぐに冷水にとり熱をぬきます。熱がぬけたら、水から上げて水気を切ります。
  • 日本葱は、直径1a位の細いものを選びます。長さは、茹でるのに使う鍋の直径より少し短く切ります。少しやわらかく茹でたら、水にとり、まな板にのせ、包丁の背を横に少しずつずらしながら、中のぬめりを出します。中がぬけださないように、そっと包丁を動かしてください。ぬめりがとれてから、3a位の長さに切ります。
  • みそは、好みのものを使ってください。鍋にみそを入れ、砂糖を加えてよく混ぜ、出汁を加えてなめらかにしてから、火にかけ、必ず煮立ててください。煮立てることで砂糖のザラツキがとれ、つやのある練りみそになります。荒熱がとれてから、酢を加えてください。
  • 小鉢にイカと葱を盛り付け、酢みそがイカにかからないように、唐草模様がわかるように添えてください。

ちょっと一言

  • 料理用に使うイカは、「するめイカ」が多いですが、身は火が通ると硬く、食べにくいものです。
    いろいろな模様をつけるのは、包丁目が入ることで食べやすくなること。つまりイカが、火が通ると一定方向に丸まる性質を利用しています。
  • 松笠切りも、酢みそ和えにしてやわらかくおいしく食べられます。足とえんぺらは、照り焼きにしてはいかがですか。
  • 細い葱のかわりに、万能葱やわけぎも使えます。
  • 酢みそで和えた料理を「ぬた」といいます。山菜のぬたも、おいしいものです。
  • 酢みそに辛子を少し混ぜ、「辛子酢みそ」で和えてもおいしいです。

≪組み合わせメニュー≫
    ◎はんぺんの清汁(すましじる)
    ◎野菜の精進揚げ
    ◎大根と人参の金平煮
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■スローフード (つづき)
  • オリーブオイルが合わなかったのではない。体調をくずしていたわけでもない。出される料理が、うますぎるのである。初めて食べるものがほとんどだったにもかかわらず…。イタリア料理といえばスパゲッティ、それもうどんの変形のようなナポリタンかミートソースぐらいしか知らなかった。パスタの前に前菜があり、そのあとに肉だ魚だのの二皿目、さらにデザート、チーズ、コーヒーという一連の流れにそってつぎつぎ出てくる。しかも毎回メニューがちがうのだ。
  • 恥ずかしながら、ラザーニャなど生まれて初めて口にした。この世に、こんなうまい料理があろうかと感嘆した。「うまい!」「もっと食べなさい」。一皿目のパスタですでに腹がパンパンに張っているが、メインディッシュはパスするわけにはいかない。「おいしいか?」と聞かれれば、正直に「最高!」とこたえる。「だったら、もっと食べなさい」「シィ、グラーツィエ」。断るスキもあらばこそ、食い意地に、折角作ってくれたからとの義理が加担して、胃はとうに悲鳴をあげている。なのにストップがかけられない。
  • 出てくる料理のたびに、ながなが講釈が入る。こちらの理解はお構いなし、由来から作り方から機関銃のごとくまくしたてる。折り返し、今度はそれ以上の量の質問が浴びせられる。日本ってどこにあるんだい? どんなものを食べてる? 何を勉強しているんだ? ここまでどうやってきたの? 赤の広場へは行ったか?…いやはや、つたないイタリア語を駆使しての返答だから、食べる以上のエネルギーを費やす。身振り手振りを総動員、食べても食べても、すぐ後ろを空腹が追っかけてくるようなものである。
  • これに輪をかけるものがあった。ワインである。火に油をそそぐというが、料理とワインが互いに火となり油となり挑発し合い絡み合い、際限なく勢いを増していく。摩訶不思議、雌雄同体か双頭の蛇がからみあったような複合複雑な関係だ。何を隠そう、当時、当方は酒をたしなまなかった。ほとんど下戸。そこで渡航にあたっては、ある特別な訓練をほどこした。「アルコール強化対策」(?)。
    モノの本によれば、ヨーロッパの水はまずくて飲めない。とりわけイタリアではワインは水代わりとか。しかも食事には付き物だ。というわけで、対アルコールの強化にのりだした。本気である。ところがワインはそれほど出回っていない。輸入物は値が張る。日本酒・ビールで代用するが、どのみち短時間でテが上がるわけがない。効果のほどは皆無に帰し、練習なしでいきなり大会本番に臨んだようなものである。失速するのは目に見えていた。
  • 1週間、入れ替わり立ち替わり村の人間が押しかけてくる。ちっぽけな集落にそんなに人がいるわけはない。同じ人物が何度も来ているのだ。似たような質問に飽かずこたえていくうちに、食べすぎ・飲みすぎ・しゃべりすぎ・はしゃぎすぎが渾然一体、おつむも胃袋も攪拌され、必然的に行きつく先は…と相成った(シェルターの意味もあったが)。
  • 超スローな食卓の時間がすぎていく。のんびりにはちがいないが、「静かで落ち着いた雰囲気」、などではまったくない。「喧騒」に近いにぎやかさ。といって、この時とばかりグデングデンに酔っ払う日本式の無礼講とはちがう。構えて特別に行なうのではない。日常が繰り返されているにすぎない。このカラッとした自然体がイタリア式だ。根っからの陽気さがささえている。まさに想像した通りの生活がそこにあった。そして、その中心が「食べること」にあるのは発見だった。
  • 日本から格安コースをとったのは幸いだ。共産圏を突っ切った南欧までの道のりは、気候でも風景でも国民性でも、陰から陽、暗から明、寒から暖、静から動へと変化していく様子がはっきり見て取れた。東欧の人々が、陽光降り注ぐ地中海に強い憧れを抱く気持ちがよくわかる。それは、食の豊かさとものの見事に重なっている。(小笠原) (つづく)
<これまでの塩ひとつまみ>

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