今 週 の レ シ ピ

・ベーシッククラス(5月第3週)のメニューより

●オープンサンドウィッチ    199kcal. 塩分0.8g

オープンサンドウィッチの写真 [材料]  -6人分-

・フランスパン(バゲット)1本
・マヨネーズソース大さじ3
・辛子バター大さじ1
◎A
  サラダ菜大3枚
  エビ6尾
  キャビア(コピー)少々
  マヨネーズソース少々
◎B
  サラダ菜3枚
  薄切りハム6枚
  茹(ゆ)で玉子1個
  パプリカ少々
  マヨネーズソース少々
◎C
  サラダ菜3枚
  カテージチーズ大さじ3
  パイナップル2枚
  チェリー6個
・パセリ

[作り方]

  1. フランスパン(バゲット)は、厚さ1aの輪切りを18枚作る。
  2. A…マヨネーズソースをぬったパンにサラダ菜をしき、茹でて二つ割りにしたエビとマヨネーズソースをのせ、キャビアを飾る。
  3. B…辛子バターをぬったパンにサラダ菜をしき、薄切りハム、マヨネーズソース、輪切りの茹で玉子をのせ、パプリカをふりかける。
  4. C…マヨネーズソースをぬったパンにサラダ菜をしき、カテージチーズとパイナップルをのせ、チェリーを飾る。
  5. 大皿にA、B、Cを盛り、パセリを添える。

ポイントはここ


ちょっと一言

  • サンドウィッチの基本は、「サンドウィッチの盛り合わせ」(初年度4月第1週)を参照してください。その起源からも、2枚のパンで具をはさむ物、しいて言うならば、「クローズド・サンドウィッチ」。その一方のパンをとりのぞき、具がわかるようにしたものが「オープンサンドウィッチ」です。「クローズド」の場合は、具を平らにはさむことが大切です。それにたいして、「オープン」は具が見えますから、おいしさとか材料のバランスはもちろん、彩り・形などにも気をつけてください。かわいらしく、美しくを忘れないように。
  • サンドウィッチは手で持って食べます。「オープン」は、食べるときに具が落ちないように工夫すると同時に、ある程度しっかりしたパンを使う必要があります。また、あまり大きいと食べにくいので、今回はフランスパンの中で、少し細めのバケットを使います。
  • オープンサンドウィッチの具は、工夫しだいで数限りなくあります。思いつくまま、書いてみます。
    スモークサーモン、カニ、オイルサーディン、アンチョビー、ツナ、ローストビーフ、ローストポーク、ローストチキン、サラミソーセージ、クリームチーズ、チェダーチーズ、カマンベール、ブリ、キュウリのピクルス、アスパラガス、クレソン、トマト、たまねぎ、レモン、オレンジ、キーウイ、バナナ、プラム、桃缶、みかん缶 etc.

もう、ちょっと一言

  • バゲットは、食事のときには3〜4aの厚さに切り、スプーン代わりに肉や魚をのせたり、ソースをつけたりして食べます。日本食でいえば、「白いご飯」に当たると思います。
  • バゲットは結構長いので、残ることもあります。すぐ食べないのなら、保存袋(店でもらえます)に入れて、冷凍するとよいでしょう。次に食べるときは、自然解凍ののち、少し水をかけ、160〜170℃のオーブンで5分位もう一度焼くと、ほんとうに焼きたてになります。フランスパンは、まわりの皮がパリパリで、中がフワフワが最高です。

≪組み合わせメニュー≫(軽食として)
    ◎田舎風野菜のスープ
    ◎冷製チーズケーキ
    ◎エスプレッソ
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■スローフード (5)
  • そこは工場だった。工員が60〜70人。設計士用の台とイスを生産している。日本にも輸出していた。見せてもらった日本の有名代理店のカタログに、製品と製作所名が載っていたから間違いない。その工場で工員として働かせてもらうことになった。
  • パドヴァには中世に創立したイタリア最古の大学のひとつ、パドヴァ大学がある。アメリカに姉妹校があって、そこから留学生を多く受け入れている。交換教授も数名おり、仕事を斡旋してくれたローマの友だちの父親はそのひとりだった。パドヴァの郊外20キロほどのところに住んでいて、地元では名士で通っている。友人がバイト探しに太鼓判を押したのもうなずけた。
  • はじめは教授宅から通い、まもなく役場に勤める若夫婦の家に住まわせてもらうことになった。食事付き家賃なしという殿様待遇、まったくの厚意からである。工場へは自転車で30分ばかり。朝は牛乳入りのカッフェにクラッカーかクッキーで済まし、社員食堂があって、昼食はそこで。調理師が一人でこなす。セルフサービスだからそれで間に合う。メニューは単一の日替わり定食。パスタとメインディッシュの二皿と決まっている。味といいボリュームといい、私には申し分なかった。デザートはでない。食後は、工場の外にあるバールでエスプレッソを飲むのが常だ。しかも連中の大半は、グラッパという強烈な地酒を混ぜる。コニャックなみのアルコール度と味わいがある。私など、勧められるままグイッと飲んだはいいが、またたくまに顔が赤らみ、体が火照ってどうしようもなかった。昼休み中、そこにたむろしてビリヤード、サッカーゲームを楽しみながら時間をつぶす。
  • 休憩が午前と午後にある。列車の車内販売のように、各種飲料水を積んだワゴンが職場を巡回する。ぶつかり合うビンの音で、来るのが分かる。4,5人ずつワゴンを囲んで10分ほど休憩するが、これには内緒の配達便がある。ひとつは酒。就業中の飲酒は無論ご法度だが、ソコハソレ、運び人(この人物からして酒ヤケの赤ら顔)に鼻薬をきかしジュースのふりをして飲んでいる。顔にでないからいいようなもの、バレたらどうするのか。
    酒とくれば、色。もうひとつはその種の雑誌だ。プレイボーイ誌あたりが多い。これもこっそり手早く渡される。ワゴンが通過したあと、雑誌を小脇に、きまって用足しに行く男がいる。そこそこのトイレタイムを過ごして、次の人間にバトンタッチ。回覧の順番もあるらしい。ちなみに驚いたのは、トイレの様式である。水洗はいうまでもないが、便座式ではない。われわれには使い慣れた、しゃがむスタイルなのだ。長居はできないのだろう、ほどほどのところで切り上げてくる。
  • 技術も経験もない私は、単純作業しかやれない。イスの座り板部分に、ボール盤を使って四隅にネジ穴をあけるのがせいぜい。単純ではあるが、退屈ではない。工員達が、持ち場を離れてわざわざ様子を見にきたり、目配せで励ましを送ってくれたりする。いちばんの慰めは、ピエールの唄だ。いわゆるアカペラというやつでカンツォーネを唄うのだが、なまじの美声ではない。日本なら疑いなしにプロで通る。伸びのあるテノールは、聞き惚れんばかり。そちこちからリクエストが飛ぶ。さらにいっしょになって唄いだす。職場が合唱クラブと化すのはしばしばだ。音痴もここでは恥ではない。リッパな個性として、誰はばかることなく堂々と唄って遠慮がない。
  • ひとりアントニオだけは、こうした輪の中に入らない。まじめすぎるのだ。よく動くし、気が付く。私が見ては日本人並み(?)なのだが、他の工員達からは、仕事オンリーで人生を楽しんでいないととられるのだろう。面白味のない人間として、疎んじられているふしがある。時間が経つと、私にも分かってきた。きまじめに、ただただ働くことが人生の最高善ではないということが。協調性を問うているのではない。同じ働くなら愉快に、同じ生きるなら楽しく、陽気な国イタリアの真骨頂がここにあった。(小笠原) (つづく)

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