今 週 の レ シ ピ

・ベーシッククラス(7月第3週)のメニューより

●鯖(さば)の香り漬け(中国風)    264kcal.  塩分1.9g

鯖(さば)の香り漬け(中国風)の写真 [材料]  -6人分-

・鯖(さば)1尾(500〜600g)
  醤油大さじ1
  酒大さじ1
・片栗粉
・揚げ油
・日本葱(にほんねぎ)長さ10a
・ニンニク1かけ
・唐辛子1本
◎漬け汁
  醤油大さじ3
  砂糖小さじ1
  酒大さじ2
  酢大さじ1

[作り方]

  1. 鯖は筒切りにし、醤油と酒に漬け、15分位おく。
  2. 葱、ニンニク、唐辛子は、みじん切りにする。
  3. 漬け汁を合わせて、2を入れておく。
  4. 1の鯖に片栗粉を薄くまぶし、唐揚げにし、3の汁にアツアツのところを漬け込む。

ポイントはここ


ちょっと一言

  • 魚の「筒切り」は、腹側を切らずに、内臓を取り出したあとが空間になり、そこが「筒状」になっているところから名付けられました。筒切りにする魚としてはほかに、飛び魚、鮭、鯉、鮎(あゆ)など、胴の丸い魚に多く用いられます。
  • この香り漬けは、鯖のほかに鯵(あじ)、鰯(いわし)、虹鱒(にじます)、ワカサギなどでもおいしく調理できます。魚の種類によって下準備、調理時間がかわります。
  • 暑い夏でも冷蔵庫に入れておけば、1週間位おいしく食べられます。唐辛子とニンニクが、防腐剤の役割を果たしてくれます。

≪組み合わせメニュー≫
    ◎茄子(なす)の四川風味炒め
    ◎春雨と豚肉の和え物(あえもの)
    ◎杏仁(しんれん)豆腐
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■買い水、もらい水 
  • 梅雨明けを目前に、連日30℃を超える猛暑が続いている。当然のこと、体が水分の摂取量をふだんより多く要求してくる。常飲はもっぱら水道水。水は買ってまで飲みたくない、というのが頭にある。さいわい甲府の場合、カルキ臭はそれほどでもなく、十分飲用に堪え得るが、たまに東京でおなじつもりで飲もうとして鼻をつまむことがある。近ごろ、「水は買って飲むもの」が定着しつつあるようだ。
  • 「日本人は、安全と水は無料で手に入ると思い込んでいる」と、イザヤ・ペンダサンが『日本人とユダヤ人』の中で喝破したけれど、現代日本人はそのどちらにもコストをかけて惜しまないようになった。同書の出版は1970年だが、さすが慧眼のペンダサンも、のちに自説がひっくり返るとは想像もできなかったのではないか。治安は悪化の一途をたどり、公共物や会社・店舗だけでなく一般家庭までが警報システムで安全を買うようになった。"水商売"に限ると思われていたミネラルウオーターが、自販のペットボトルなどだれでも買って飲んでいる。水道水の場合、料金を払っていたわけだから厳密にはタダではない。子供の時分、まわりは湧き水だったり井戸水を使っていた。文字通り、自然水(もらい水)が無料で手に入ったものだ。
    環境汚染による水質低下で、条件にめぐまれないと湧き水も井戸水も安全でなくなった。頼りの水道水もほんとうにまずくなった。消毒処理の度合がすすんで、引きかえに味が落ちたのだろう。また、地震・台風などによるライフライン寸断に対処して水を備蓄するようになり、とくに2000年問題(Y2K)では、原因が自然災害だけではないことを学んだ。
  • そのミネラルウオーターの生産量が、山梨県は日本一である。2000年の全国生産量89万4300キロリットルのうち、山梨県は43万6500キロリットルとほとんど半分近く(48.8%)を占める(ちなみに輸入量は19万5300キロリットル)。県別では、2位兵庫(14.7%)、3位長野(6.0%)を断然リード。36社が37銘柄を生産・出荷している。
    多くのメーカーが山梨県に生産拠点を置くにはわけがある。源流を擁する山塊に恵まれているからだ。富士山、南アルプス、八ヶ岳、秩父、御坂山系など、いたるところから湧水している。なかでも「忍野八海」「八ヶ岳南麓高原湧水群」「白州・尾白川」は、日本名水百選に選定されて、県外からわざわざ汲みにくるほどだ。かの漂泊俳人・山頭火が清里高原で、「行き暮れてなんとここらの水のうまさは」と詠んだのもムベナルカナ。
  • ところで、南アルプスに仙丈ケ岳という山がある。3033mの堂々たる高峰である。私見によれば、この山と富士山には共通点がある。水筒なしで登れることだ。五合目からの富士山は水場が一ヶ所もない。かわりに山小屋が門前町のように連なって、所持金さえあれば、「買い水」で頂上まで着ける。仙丈ケ岳のほうは、北沢峠の大平小屋から藪沢新道のコースをとる。道はやがて沢と合流、渓流沿いに高度を上げていく。水流が細いながら広大な藪沢カール近くまで続いて水には困らない。馬ノ背ヒュッテ、さらに上がった頂上直下の仙丈小屋にも水場がある。いずれにしろ水筒は不用。終始、最高の天然水で喉をうるおしながらの贅沢登山である。3000m級でこれができる山はめったにない。
  • 水に関して言えば、日本はまだまだ贅沢で稀有な部類に入ろう。世界は、水不足に悩む国であふれている。水はあっても、飲用に適しないところも少なくない。まずいながら蛇口からの水がそのまま飲め、少なくなったとはいえ「もらい水」の清流や水源を有し、さらに「買い水」を輸入に頼らずに自前で用意できる日本という国は恵まれている。ナカンズクその最大の供給地・山梨に住める喜びは、至福といわずしてなんといおう。(小笠原)

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