今 月 の お 菓 子

●シュークリーム

シュークリーム [材料]  ―直径5cm10個〜12個―

◎シュー生地
 ≪A≫
   湯1/2カップ
   バター40g
 ・薄力粉(はくりきこ)60g
 ・卵2〜3個
◎カスタードクリーム
 ≪B≫
   卵黄4個
   グラニュー糖120g
 ・薄力粉35g
 ・牛乳2カップ
 ・バニラエッセンス少々

[作り方]

◎シュー生地

≪練り方≫

  1. 直径18cmくらいの厚手の鍋に湯1/2カップを入れ、火にかけ、バターをとかす。
  2. 沸騰したら、薄力粉を1度に加え、木杓子(きじゃくし)でたえず練るように混ぜる。
  3. 鍋底にうすく、白く生地が膜のようについたら、火からおろす。

    バターをとかす 粉は1度で 鍋底に膜

  4. 荒熱が取れたら、割りほぐした卵を少しずつ加え、木杓子で持ち上げたときやっと生地が落ちるくらいの硬さにする。
  5. オーブンシートを敷いた天板に、直径3〜4cm、高さ3cmくらいに生地をおき、間を4〜5cmあけて10〜12個に分ける。

    卵2個のとき プラス卵白1個分 10〜12個に分ける

≪焼き方≫
    皮の焼き方
  1. 高温(200〜220℃)のオーブンで、8〜10分、生地が充分ふくらんで、皮がはった状態になる。
  2. うすい茶色(狐色)になったら、180℃に温度を下げ、5〜6分、さらに150℃で5〜6分焼き、火を止めて2〜3分焼き止めをする。
  3. オーブンから出し、荒熱をとる。
◎カスタードクリーム

  1. 直径18cmくらいの厚手のステンレス製か、ほうろうの鍋にBを入れ、泡立て器で白っぽくなるまでよく混ぜる。
  2. ふるった薄力粉を加えて、軽く混ぜる。
  3. 温めた牛乳を1/3量加え、木杓子で軽く混ぜ、残りの牛乳を加えて、泡立て器でよく混ぜる。

    白っぽくなるまで 粉を加える 牛乳を加える

  4. 湯せんにかけ、常にかき混ぜていて、とろみがついたら直火で、少し強火で1分間沸騰させる。
  5. 広い器にあけ、上に粉砂糖をかけるか、溶かしバターを流す。

    湯煎にかける とろみをつける 直火で沸騰させる

    表面が乾かないように粉砂糖をふる

  6. 熱が抜けたら、ボールに入れて、バニラエッセンスを加えて混ぜる。
◎仕上げ

  1. シュー皮がまだ温かいうちに、上から1/3くらいのところを切り離し、小さい皮は直径3cmくらいの円形抜き型で形をととのえておく。
  2. 用意したカスタードクリームを、大きい皮の方に皮のふちまで絞り出し、ふちの周囲にそってぐるりと飾りのように絞り出す。
  3. 円形に切った皮を上にのせ、粉砂糖をふりかける。

    上部でふたを作る クリームをふちに飾り、ふたをする

ポイントはここ

◎シュー生地
  • 水でなくて、「湯」を用意します。水は湯になるまでに蒸発しますので、水分量が変わってしまいます。
  • バターが完全に溶けてから、薄力粉を一度に加えます。薄力粉が全部の水分を吸収し、バターがその中に平均に細かく分散されることが大切です。
    薄力粉に火が通っていること。かならず、鍋底に生地が白く膜のようにつくまで火の上です。木杓子をよく動かして、こがさないように。もう1つ、粉に火が通ったかどうかの目安として、生地が一つにまとまること。
  • 卵を加える目的は、卵黄の成分であるレシチンの働きで、バターと水の均一に混ざり合っている状態を安定させ、生地のかたさを適度に調節させるためです。そのために、卵は熱凝固しないように、荒熱をとってから加えます。少しずつ加えるのはよく混ざるように、また、入れすぎて生地がやわらかくなり過ぎるのを防ぐためです。
  • 卵の量は2〜3個、Lサイズ2個はたいてい入ってしまいます。3個目の卵は割らないで、カスタードクリームに卵黄を使った残りの卵白を少しずつ加えてみてください。初めてシュークリームに挑戦する人は少し生地が固めのほうが作りやすいと思います。くれぐれも卵白の入れすぎにご用心!
  • 生地を天板に分けるときは、丸い口金をつけた絞り出し袋に入れて絞り出します。口金や袋がない場合は、スープ用のスプーンと、肉用のフォーク、水を入れたコップを用意してください。生地をスプーンでとって天板に山高におき、水をつけたフォークで形をととのえてください。
  • 生地が焼けるのは、中の水分が水蒸気になることにより、生地を押し上げてふくらむので、オーブンの温度は高温にします。水蒸気がオーブンの外に出て、中にこもらないよう、乾燥させることも考え、オーブンの空気孔はあけておきます。
  • 高温で充分ふくらんだ生地を、すぐにオーブンから出してしまいますと、中の熱い空気が外気で急に冷え、しぼんでしまいます。オーブンの温度を少しずつ下げながら焼いて、最後は、火を消してからも2〜3分、そのままにしておきます。それを「焼き止め」といいます。
◎カスタードクリーム
  • 卵黄とグラニュー糖を白っぽくなるまで混ぜますので、かならず、鍋はステンレス、ホウロウ製にしてください。アルミ製では卵黄の色が変色します。
  • 湯煎の温度は、80℃〜90℃くらいにします。鍋底のまわりからとろとろととろみがついてきますので、まん中だけでなく全体をよく混ぜてください。
  • 湯煎では100℃を超えませんので、直火にかけて沸騰させて小麦粉に火を通します。くれぐれもこがさないように。
  • 浅くて広い器にあけて、熱を抜きます。ただし、空気に触れると硬くなってしまいますので、表面全体を粉砂糖か溶かしバターでおおい、空気を遮断します。こうすると、表面の色は変わりますが、バニラエッセンスを加えて混ぜたとき、なめらかに混ざります。
◎仕上げ
  • 完全にさめてから切ろうとすると、割れやすいです。少し温かさの残っているうちに、切ってください。切り方は、仕上げ方でいろいろです。
  • クリームの詰め方も、お好みで仕上げましょう。カスタードクリームだけでなく、生クリームを混ぜたり、ちょっとリキュールを加えたり・・・。
  • 粉砂糖をふりかけると、とてもかわいらしく仕上がります。
ちょっと一言
  • シュー生地は、“バートシュールフー”と呼ばれ、バター、水、小麦粉に熱を加えながら作ります。この生地をオーブンで焼くと、皮の表面がこんもりふくれ、中が空間になる特徴があり、そのふくらむ原理はつぎのようなことです。
    生地を天板に絞り出し、熱を加えると、天板についている部分の生地中の水分がまず沸騰し水蒸気となり、その蒸気により、まだ蒸発の行なわれていないやわらかい上部の生地が押し上げられます。泡立てずに加えた全卵は、生地に粘性をあたえ、粘着力のある膜が作られ、そのため蒸発が行なわれると、蒸気の内部圧力はこの膜を押し上げ、中が空洞になってふくらむのです。
  • シュー生地は、他の大部分の生地とちがい、砂糖が主材料ではないため、仕上げに皮の中にクリームを詰めたり、ソースをかけたりして味をつけます。したがって、その組み合わせるものにより、オードブルにもお菓子にもなり、応用の広いものです。

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