今 週 の レ シ ピ

◇韓国料理の「ナムル」は、野菜の和(あ)え物のこと。茹(ゆ)でた野菜を使うことが多く、したがって生野菜よりたくさん食べられます。日本人は、野菜の食べ方が少ないといわれています。たくさん野菜を食べる方法のひとつに、「ナムル」はいかがですか。

●ナムル その1

 豆もやし

豆もやし [材料]

・豆もやし200g
  塩大さじ1
◎A
  おろしニンニク小さじ1
  粉末だしの素(韓国風)小さじ1
  塩少々
  胡椒(こしょう)少々
  胡麻(ごま)油大さじ1
  胡麻小さじ2

[作り方]

  1. 豆もやしを鍋に入れ、もやしの高さまで水を加える。
  2. 豆もやしの上に塩をふりかけ、ふたをして、6分間火にかける。
  3. 豆もやしを1回返して火を止め、ザルにあげて水で洗い、水気をよく切る。
  4. 3をボールに入れ、Aを加え、よく混ぜる。
     ※おろしニンニクはチューブ入り、びん詰めなどで売っています。
     ※粉末だしの素は、お近くの韓国食材店で牛肉風味のものをお求めください。


 大根

大根 [材料]

・大根200g
  塩小さじ1弱
◎B
  おろしニンニク小さじ1
  粉末だしの素(韓国風)小さじ1
  塩少々
  胡椒(こしょう)少々
  唐辛子大さじ1/2
  酢小さじ1
  砂糖小さじ1
  胡麻(ごま)油小さじ1
  胡麻小さじ1

[作り方]

  1. 大根は、輪切りにしてからせん切りにし、塩をかけて30分くらいおく。
  2. 水気をよく切り、Bを加えてよく混ぜる。
    ※大根の水気を切るための塩は、入れ過ぎないように。


 ほうれん草

ほうれん草 [材料]

・ほうれん草200g
◎C
  おろしニンニク小さじ1/2
  醤油小さじ2
  砂糖小さじ1
  韓国いわしのエキス小さじ2
  胡麻(ごま)油大さじ1

[作り方]

  1. ほうれん草は熱湯に入れ、一度返して、水にとる。
  2. 5aくらいに切り、水気をよく切って、Cを加えてよく混ぜる。
    ※韓国いわしのエキスは、キムチの味付けに使う調味料です。
    ※くれぐれも茹で過ぎないことです。


 人参

人参 [材料]

・人参100g
  胡麻(ごま)油大さじ2
  塩小さじ1/2

[作り方]

  1. 人参はせん切りにする。
  2. 胡麻油で炒め、塩で調味する。


 ぜんまい

ぜんまい [材料]

・ぜんまいの水煮200g
◎D
  おろしニンニク小さじ1
  胡麻(ごま)油大さじ2
  醤油大さじ2
  砂糖大さじ1

[作り方]

  1. ぜんまいの水気をよく切る。
  2. フライパンにDの胡麻油を熱し、ぜんまいを加え、少し炒め、残りのDを加えて、汁気がなくなるまで弱火でゆっくり煮る。
    ※フライパンは、人参、ぜんまいの順に炒めると、洗う手間が一度で済みます。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■革命児
  • 先日、雑誌記事に懐かしいものをみつけた。『電気釜』。写真も載っていて、Toshiba の商標文字もそうだが、「電気釜」という名称が、たまらなく懐かしい。今は「自動炊飯器」(単に炊飯器)に統一されているらしく、電気釜の名前はすっかり忘れられている。「すいはんき」に比べると、「でんきがま」の語感はストレートというか、野暮ったい感じは否めない。

    それはさておき、電気釜の発明は、戦後の台所革命の筆頭に位置付けられる。第一号が売り出されたのは昭和30年。なにしろ毎朝、寝ている間に確実にごはんを炊いてくれ、しかも失敗なしという夢のような器具だ。私がその存在をしったのは、ずっと後年で高卒後、上京してからである。

  • 煮炊きはかまどが普通だった。なかで、飯炊きは私の役目だった。毎朝、寝床からかまどに直行する。甕(かめ)からオキをとりだし、かまどの中の丸めた新聞紙のうえに重ねて置く。マッチをすって火をおこし、オキがおこったところで薪(まき)をくべていく。前夜、米をといでおいた葉釜(はがま)はすでにのっている。
    この季節だと、火に両手をかざして暖をとりながら、釜がふいてふたをゆらすまでひたすら待つ。時間を計るという感覚も意識もなかった。15分か20分ぐらいのものだったろう。湯気とともに、香ばしいごはんが炊けるにおいが顔をなでると、空きっ腹に猛烈な食欲がわいてきたものだ。

    忘れられないのは、昭和38年の早朝。テレビによる日米初の衛星中継があるというので、眠い目をこすり、いつものようにかまどの番をしながら待っていた。飛び込んできたのは、生々しいケネディ暗殺の報道だった。かまどそっちのけで画面に釘付けになったのを憶えている。だまっていてもごはんが自動的に炊けてしまうなど、考えもしなかった時代である。

  • 電気釜とならぶ台所の革命児は電気冷蔵庫にちがいない。うだるような夏場に、食料や食材が一定期間ではあるにせよ、新鮮な状態で保存できるというのは凄いことである。電気冷蔵庫そのものは戦前からあった。それが一般家庭に普及するのは、やはり昭和30年代以降である。

    子供の頃、「氷蔵庫」というのを見知っていた。母親の実家が小さな旅館を営んでいて、そこの厨房にあったのだ。内側がトタン張りで、中に氷の塊を入れて冷やす。取り出し口のわりに内部が広い。子供の手では奥まで届かなかった。冷気が逃げにくく、暖気が入り込めない工夫だろう。外気温との落差が大きく、ひんやりして気持ちよかった。奥深く、いつまでも腕を入れっぱなしにしてはよく叱られた。いっそ頭ごと入れたいと思ったが、中が真っ暗で、おまけにトタンをはじめ得体のしれない臭いが充満していた。調理済みのものや、半調理のものが食器ごと入れられていたような気がする。
    野菜など、かさばる食材の場所は別にある。台所の床板を数枚はがすと半地下になっていて、漬物とならんで貯蔵されていた。氷蔵庫ほどではないが、ここも外よりはるかに涼しかった。ただ、体ごとすっぽり入るので、上からふたをされたときのことを想像して恐ろしくもあった。

    炊飯器と冷蔵庫、ともに隔世の感がある。今は、生まれながらにして身近にある。あるのが当たり前、ないのが不思議にさえ思われる。そこが「革命児」たるゆえんだろう。前身をしる者は、懐かしむだけでなく、不便をかこった先人の苦労に思いをいたし、現在あることに素直に感謝しようではありませんか。(小笠原)


§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 掲示板  ichiban@kateiryouri.com


ホーム月別レシピジャンル別レシピこれまでのジュニア 学園案内ケーキ屋さん掲示板