今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(5月第3週)のメニューより

●チャプスイ    198kcal.  塩分1.8g

チャプスイ [材料]  -6人分-

・豚もも肉1枚60g6枚
  ◎A
    醤油/酒各大さじ2
  片栗粉(かたくりこ)適宜
・焼き用油大さじ2
・玉葱(たまねぎ)中1/2個(100g)
・人参(にんじん)30g
・干し椎茸(しいたけ)3個
・さやえんどう30g
・炒め用油大さじ1
◎B
  中華出汁(ちゅうかだし)1.5カップ
  醤油大さじ2
  酒大さじ1
  砂糖大さじ1
  塩少々
◎C
  酢大さじ1.5
  片栗粉大さじ1.5

[作り方]

  1. 豚肉は60gくらいの切り身にし、肉たたきでたたき、Aで下味をつける。
  2. 玉葱は薄切りにする。
    人参はせん切りにする。
    干し椎茸は充分水でもどし、そぎ切りにする。
    さやえんどうは、青茹(あおゆ)でにする。
  3. BとCを、別々に混ぜ合わせる。
  4. 1の肉に片栗粉をまぶし、焼き用油を熱した中華鍋で焼き、皿に盛る。
  5. 炒め用油を熱して、さやえんどう以外の野菜を炒め、Bを加え、沸騰したらCでとろみをつける。
  6. 4の肉に5をかけ、さやえんどうを散らす。
ポイントはここ
ちょっと一言
  • 中国風の甘酸っぱい豚肉のあんかけというと、日本では「酢豚」、アメリカでは「チャプスイ」です。どちらも、人気メニュー!!
    箸で食べる日本では肉は角切りで唐揚げ、一方のアメリカは、ナイフ/フォークですから薄切りのソテー。他国の料理を自国の食文化のなかに上手に取り入れている、好個の例と言えます。
≪組み合わせメニュー≫
    ◎キャベツの中華風サラダ
    ◎レタスとベーコンのスープ
    ◎杏仁(しんれん)豆腐
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■張子の虎

2年振りに友人に会った。「シニア海外ボランティア」で、中米に行っていたという。現地の観光開発と、文化発信のノウハウを指導してきたのだった。ずいぶん逞しくなっていた。見違えるほどである。

当初、海外ボランティアへ応募するにあたり、心配されたのは能力や経験ではなかった。体力である。友人は見るからに肥満体、ために血圧や血糖値で健康診断が通るか危ぶまれた。それが辛うじて受かり、赴任してからは一転、奮闘振りが評価されて、任期1年というのを、現地の強い要請にこたえて2年いることになったのは立派だった。

シニアの場合、40歳〜69歳が年齢層であってみれば、健康体であるかどうかがまっさきに問われる。ところが意外なことに、若さと馬力が売り物の「青年海外協力隊」で、健康にひっかかってしまう若者が続出しているというのだ。

昨秋行なわれた選考では、800名ほどの募集人員に、5000人近くが応募したという。とかく元気がないと思われている今の日本で、海外へ行って思う存分才能を発揮したいという若者が、少なからずいるということは喜ばしい。その志やよし、である。だが、肝心の体力が伴っていないというのでは情けない。

応募者のなかで、健康診断で失格する者が38%にのぼるという。にわかには信じられない数字である。しかもこの先、まだまだ増加傾向にあるというからおどろきだ。若い世代は、身長が伸びて体が大きくなっている。それなのに、走る・投げるなど基本的な運動能力が逆に低下していることはよく指摘されるところである。頑健そうにみえて、中身はそれほどでもない。体格はいいが体力がカラッキシ。これでは張子(はりこ)の虎だ。

失格の原因がすべて脆弱さに帰するかというと、そうではない。いちばんは、なんとアレルギー体質なのである。アトピーやジンマシン、気管支喘息など。ソバ・卵などの食物や、杉花粉、ハウスダストなどからもたらされる。

厄介なことに、このほか自分では気がついていないアレルギーもあるのだという。4割という高い数字は、検査してはじめて分かって涙をのむケースがすくなくないことを示している。

派遣先の途上国は、東南アジア、アフリカ、中南米など衛生環境の劣悪ないわゆる不健康地帯に多い。風土病対策に、数種類の予防接種は必須だ。アレルギー体質ではそれができないことになる。

おどろくことはまだある。この体質はかならずしも体力に関係しないようなのだ。並はずれた運動能力をもった人間でも回避できないということ。現に相撲や柔道といった伝統スポーツ部門の募集では、40名ほどが応募しながら合格者はゼロだったとか。体力、実力は申し分ないのに、あずかり知らないところ(体質)でハネられて、当人たちは納得できなかったにちがいない。

体力なら鍛錬によって向上が期待されよう。が、体質の改善となると容易ではない。アレルギー体質発生のメカニズムを、巷間言われている範囲内で、門外漢の当方が理解しているのはつぎのごとくである。

アレルギーは乳幼児の期間で決定されるという。母乳を与えたり、外に連れ出したりして雑菌に触れることで抗体ができるのに、密閉度の高い家の中に閉じこもって無菌や抗菌にこだわるあまり、却っていろいろな菌にたいして弱い体質をつくってしまう。

さらに、防腐剤や着色剤を多用するインスタント食品が出回り、それが親の代から持ち込まれている。今の若者は、生まれながらにしてアレルギーを背負っていると聞いてやりきれない思いがする。70年代生れの日本人の約9割がアレルギー体質、という驚愕の調査結果を得ている専門機関もあるという。

花粉症が"国民病"の地位に居座ってひさしい。まわりを見渡せばアトピーに悩まされている子供たちが、かならずといっていいほどいる。アレルギーがこれほど蔓延・定着しているのに、いまひとつ危機意識が希薄なのは、"死にいたる病"ではないからか。それがこの先、どんな災厄をもたらすかしれないのに。そうなったらいったい誰が責任をとるのだろう。

青年海外協力隊員になれなかった諸君。希望がかなえられず無念だろう。のみならず、君たちは一生アレルギーを持ちつづける可能性もある。せめて、自分たちの子供にはアレルギーを引き渡してはならない。断ち切るために、前述したアレルギー体質のメカニズムの中で、できることからやって欲しい。そう願わずにはいられない。 (小笠原)


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