今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(11月第1週)のメニューより

●玉蜀黍湯(とうもろこしのかき玉スープ)   78kcal.  塩分1.0g

玉蜀黍湯(とうもろこしのかき玉スープ) [材料]  -6人分-

・コーン缶(クリーム)小1缶(230g)
・卵2個
・中華出し汁4カップ
◎A
  塩小さじ1
  胡椒(こしょう)少々
◎B
  片栗粉大さじ1.5
  水大さじ2

[作り方]

  1. 鍋に中華出し汁とコーン缶を入れて、火にかける。
  2. 煮立ったらAで調味し、Bを加えてとろみをつける。
  3. 割りほぐした卵を加えて、仕上げる。
ポイントはここ
  • コーン缶は230g入りのクリームスタイルです。クリームスタイルは、そのまま使えますので便利です。ただし、コーンの皮も入っていますので、小さな子供、お年寄りのためには、裏ごしで皮を取り除いてあげてください。
  • 中華出し汁は、固形スープの素(チキンか野菜風味)なら1個、粉末状のものでは大さじ1、ペースト状は小さじ1くらいを、水4カップに加えてください。
  • 片栗粉の量がすこし多いので、水でよく溶いたものを、スープをかき混ぜながら、細く流し入れてください。 卵の入れ方
  • スープが煮立ったら火を細くして、割りほぐした卵を流し入れます。卵を加えたら、煮すぎないように。
ちょっと一言
  • 献立を立てるとき、メインの料理に合った汁物を1品考えてみませんか。そんなに大げさに考えず、あり合わせの食材で、味付けを工夫してみてください。生姜汁(しょうがじる)や、胡麻油(ごまあぶら)などを仕上げに少々落としてみては…。
    中国風の料理に合う、つぎのようなスープはいかがですか。

    ◎ベーコンとレタスのスープ
    一口大(ひとくちだい)に切ったベーコンをサッと炒め、水か湯を加え、煮立ったら塩・胡椒で味をととのえ、レタスをちぎって加える。
    ◎豚肉と胡瓜(きゅうり)のスープ
    せん切りの豚肉を炒め、水か湯を加え、煮立ったら塩・胡椒で味をととのえ、青味に細切りの胡瓜をちらす。 

    ベーコンとレタスのスープ 豚肉と胡瓜のスープ

【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■娘の決断

娘の小学校時代のお母さんたちと久しぶりに会う機会がありました。子供たちがそれぞれ別の中学校に通うようになって、3年がたちます。話題の中心はなんといっても、目前に控えた高校受験ですが、もうひとつありました。それは「学校給食」。不味くてどうにかならないか、というのです。

いちばんの不満は、温かい食事がとれないということ。複数の業者が一括して弁当を作って、それを市内の各中学校に配給する制度を採っています。ごはんとおかずは別々の器に分かれ、ごはんは温かいけれど、おかずが冷たい。腐らないように、あるいは食中毒を起こさないように万全を期するため、おかずはわざわざ20℃に冷ましてから配送するといいます。これでは子供たちは食欲がわきません。残したり、なかには箸(はし)もつけないでそのまま返す子供もいるそうです。娘の友達から、"不味くても冷たくても、お腹が空いてるから食べなきゃ"という切実な思いを聞かされました。

これでお母さんたちが黙っているはずはありません。現状はすこしばかり入り組んでいて、全部が全部冷たいわけではありません。パンと丼物はその限りではない。パンはその日に焼いたもの、丼物、これもあったかいごはんの上にのって保温箱に入ってくるから、まあまあとのこと。問題はおかずです。

これにも"温度差"があるのが、お母さんたちとの情報交換でわかりました。弁当を作っている業者の中で、1校が相手だけの比較的規模の小さなところでは(500〜600食)、ごはんもおかずもいつも温かい弁当を持ってきてくれます。他方、複数校に配給している大きな工場(数万食)で作っている弁当は冷たいのだそうです。(製造規模と衛生上の規制に関係あるのかもわかりません)

"それはおかしい!"とお母さんたちは立ち上がりました。市当局に要望書をだして談判に及んだ結果、ローテーションを導入、一定期間で担当の業者が替わるようになりました。 また試食会にも顔をだしました。ところが、それように特別に用意されたものらしく、不味いというわけではありません。家に帰って、おいしかったわよ子供にいうと、そんなはずはないと反発します。そこで、"抜き打ち検査"を試みました。子供のいったことが正しかったのです。おいしくありませんでした。ヨソイキとウチワの「二重構造」を指摘、是正を要求しました。

おかげで、不公平感はなくなりました、味の面でも改善が見られました。でも、やはりどこかヘンです。学校給食だというのに、教育の片鱗も見当たらないからです。

娘たちは小学校も給食でした。「自校給食」、つまり学校に給食をつくる設備がととのい、調理員さんがいて栄養士さんがいました。配膳は子供たちがします。"給食の先生たちが一生懸命作ってくれた食事だから、残さないで食べようね"ということになります。毎日給食室の作業風景に接しているので、その意味がよくわかってくれます。

今日はおいしかった、味がうすかったなど生の声や残り物の具合で、子供たちの反応が直にはね返ってきます。新しいメニューの希望を聞いたり、アレルギーを持つ子の相談に応じたりと、きめ細かい交流から児童たちの摂食状況をつかみ、健康維持につとめることができます。

配膳を手伝う子供たちも、共同作業のたいせつさや食べ物への感謝の気持ちが身に付いていきます。残った物も無造作に捨てるのではなく、学校で飼っている動物の餌にしたり、花壇の花の肥料にリサイクルさせたりと、いくらでも教材になり得ます。

そうしたものが、業者の作った給食弁当では入り込む余地がありません。コンビニ弁当と変わらないでしょう。まだしもコンビニは電子レンジで温めてくれる、といわれるかもしれません。食事が終わっても、全部食べたのか残したのか、また何が食べられなかったのかふたを閉めてしまえばわかりません。手付かずの弁当でも、箱ごと回収して捨てられてしまいます。実際、"食べたくない"と、まったく手をつけようとしない子供もいるようです。 "お金を払っているから何もしなくて大丈夫"、と胸を張る市の担当者がいるというからおどろきます。教育をなんと心得ているのでしょうね。

給食なら自校給食が理想でしょう。「地産地消」も取り入れることができます。でも現状は難しいようです。予算不足が大きく立ちはだかります。であれば、何校分かをいっしょにつくる共同の給食センターの設置はどうでしょう。弁当箱に詰める前に各学校に配送し、もちろん温かい状態で、それを子供たち自身が器に入れて配膳するという仕組みです。

あらたにセンターをつくるのですから、自校給食よりはいいとして相当の予算を覚悟しなければなりません。一括して業者に委託するほうがはるかに安く上がるでしょう。でも解決策がないではありません。都市部のドーナツ化現象が著しい昨今、市内にある学校の統廃合の必要性が叫ばれています。それによって廃校になる校舎の再利用とか、削った予算の割り振りなどで、上手にできないものでしょうか・・・。

じつは、娘が給食のない今の中学を志望する際にくだした判断材料のひとつは、食事でした。先輩たちから、"あそこは給食不味いよ。うちはまあまあかな"などの情報から、"いっそのこと母親に弁当つくってもらえばいいんだ"と思ったのだそうです。娘の食い意地を嘆くべきか、母親への信頼を喜ぶべきか、こちらも判断に迷ったものでした。


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