今 週 の レ シ ピ

・アドヴァンスクラス(10月第4週)のメニューより

●海の幸 マヨネーズ和(あ)え

海の幸 マヨネーズ和(あ)え [材料]  -6人分-

・グレープフルーツ3個
◎A
  エビ6尾
  イカ小1/2尾
  ホタテ貝柱3個
  塩/胡椒(こしょう)少々
  白ワイン大さじ3
・ゆで玉子1個
◎B
  マヨネーズソース大さじ4
  生クリーム大さじ1
  Aの蒸し汁大さじ1
  塩/胡椒(こしょう)少々
・セロリの葉少々

[作り方]

  1. グレープフルーツは横半分に切り、実を取り出す。皮は器(うつわ)にする。
  2. エビは背ワタをとる。イカは皮をむき、輪切りにする。
    エビ、イカ、ホタテ貝柱に軽く塩・胡椒をし、白ワインをかけて蒸し煮にする。
    蒸し汁はとっておく。
  3. エビは殻(から)をむく。
    ホタテの貝柱は、4〜6等分に切る。
  4. ゆで玉子は、荒くきざむ。
  5. Bを混ぜ、エビ、イカ、ホタテ貝柱、ゆで玉子を入れ、和(あ)える。
  6. グレープフルーツの器に実を入れ、その上に5をのせ、セロリの葉を添える。
ポイントはここ
  • グレープフルーツの実は、なるべくこわさないように取り出します。
  • 皮の内側に袋がのこらないように、丁寧にとってください。
  • 海の幸は、火を通し過ぎないようにしてください。
  • グレープフルーツの器に、先に実を入れておき、マヨネーズのソースで和えた海の幸をのせます。
    食べるときは、混ぜ合わせてください。
  • セロリの葉のほかに、サラダ菜、トレビスなどを添えてみてください。
ちょっと一言
  • フルーツの皮を「器」にするのは他に、オレンジ、レモン、パイナップル、アボガド、パパイア、ゆずなどがあります。この場合は、器としてだけ使ってみてください。
    りんごは皮付きのまま、(柿の場合は皮をむいて)「器」にし、盛り合わせた料理といっしょに食べてしまうこともできるでしょう。
  • 最近では世界中といっていいくらいのフルーツが、簡単に手に入るようになりました。それぞれの特徴を生かして食卓を演出してください。
【野口料理学園】

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塩 ひ と つ ま み

■ドクターストップ

陸中海岸からサンマ(秋刀魚)がとどいた。この秋、二度目である。水揚げされる魚市場から、直接送られてくる。銀色に輝き、プリプリ脂がのって、新鮮このうえない。刺身から始まって、塩焼き、蒲焼き、手綱揚げ(天ぷら)、中華風の唐揚げにして甘酢あんかけと、この季節にしか楽しめない味を心ゆくまで堪能する。

サンマだけではない。このあいだは、戻りガツオをもらったばかりだ。カツオは7月にもくる。このあと12月になると、デッカイ鱈(たら)がとどく。海の幸のお返しに、こっちからは特産のブドウだモモだスモモだと、山の幸で報いている。

物々交換の相手はブラジル人だ。といっても日本生れのれっきとした日本人。ではあるが、国籍がブラジルということ。ブラジルと日本の両国で資格をもつ医師である。日本に来て(いや、帰って)20年にはなる。もちろんポルトガル語と日本語のバイリンガル。風貌はわたしに似てきわめて日本人的(短躯・短足・胴長、メガネ)ならば、心情も亭主関白で仕事本位と、どれをとっても典型的なわが民族の特徴を有している。

先日テレビで放映されたNHKの「ハルとナツ」は、戦前移住者をあつかった話だったが、戦後にも「波乱万丈」の人間はわんさといる。その1人が彼である。中学1年の途中、13歳で一家とともに渡航した。入植先は赤道にちかいアマゾン河流域である。過酷な気候と労働が待っていた。

村にある小学校1年のクラスに編入し、労働の合間に通学、小さい子らにバカにされながらことばをマスターしていった。長じて国立大学の医学部を卒業、研修医として大学病院で働くかたわら、派遣商社員の子弟が通う日本人小学校でポルトガル語を教えていた。そのときに知り合って以来である。

やがて日本の国費留学生となって杜の都に。ここで、日本の医師国家試験に挑戦する。会話に不自由ないとはいえ、日本語の能力は中1で止まったままである。難しい言い回しや、医学の専門用語には手を焼いたようで、悪戦苦闘中に下宿を訪れたことがあったが、季節は冬で、熱帯に慣れた身体をコタツひとつの部屋でふるわせ、何枚も重ね着しながら猛勉強にいそしんでいる姿を今でも憶えている。捨て身の努力が実を結んでめでたく合格、今やA市の大病院の幹部として重責をなしている。

細君も日伯両国にまたがっている。彼とおなじ場所に家族と入り、二人は幼馴染みとして育った。だが、彼女の方が10年先んじていてブラジルでは先輩格。しかも渡った当時は2歳だから、日本生れながら「ブラジル人度」は彼よりかなり高い。もちろん日本語はぺらぺらで県費留学の経験もある。ブラジルでは薬剤師だった。

家ではブラジル食をよく作るという。食材は、ブラジルから送ってもらっていたが、近頃は日系人の多い町にいってまとめ買いができるようになった。サウダージ(郷愁)を癒すためだけではなさそうで、自分たちのアイデンティティーを確かめ合う重要な装置となってもいるにちがいない。ブラジル、とりわけアマゾンの熱気と湿気の強烈さは、そこに身を置いたものにしかわかるまい。

A市に定住してまもなく、彼も秋のサンマに魅了された。刺身、それも酢みそが最高と、とりつかれたように食いまくった。とうとう食いすぎて、痙攣を起こしたまま病院へ。以来、サンマには“ドクターストップ”がかかっている。自分でもかけているから、二重のロックである。(お)


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