今 週 の レ シ ピ

・ベーシッククラス(9月第3週)のメニューより

●波菜丸子湯(ほうれん草と肉だんごのスープ)    56kcal.  塩分1.1g

波菜丸子湯(ほうれん草と肉だんごのスープ) [材料]  -6人分-

・ほうれん草1/3束
◎A
  鶏挽(ひ)き肉100g
  卵1/3個
  日本葱少々
  生姜(しょうが)汁小さじ1/2
  塩小さじ1/3
  酒小さじ1
  片栗粉大さじ1
◎B
  中華風出汁(だし)5カップ(水5カップ、固形スープの素1個)
  塩小さじ1
  酒大さじ1

[作り方]

  1. ほうれん草は茹(ゆ)でて、長さ4a位に切りそろえる。
  2. Aをボールに入れ、よく混ぜる。
  3. Bを鍋に入れ、煮立て、2の肉だんごを入れる。
  4. 肉だんごに火が通ったら、スープのアクをとり、ほうれん草を加えて仕上げる。

ポイントはここ


ちょっと一言

  • だんごは、鶏肉のほかに豚肉や白身魚、エビ、イカなどのすり身で作ってもよいでしょう。
  • 「湯」は、中国料理の「スープ」の総称。またその中の、澄んだスープも表わします。濁らないよう、かならず沸騰させてからだんごを加えてください。

≪組み合わせメニュー≫
    ◎魚の丸揚げ 甘酢あんかけ
    ◎レタスの和(あ)え物
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■コテーカンネン 
  • イタリア人ならスパゲッティ、アメリカ人ならハンバーグ、韓国人ならキムチなど、国とそこの人々が食べる代表的な食べ物をあげるとこうなる。いわゆるステレオタイプというやつだ。じゃフランス人といったら…これがどうしたことか、スーッと出てこない。具体的な料理名が咄嗟に思い浮かばないのだ。ワインやフランスパンでは、世界の料理が泣こう。考え込んで、やっと、ムニエルが出る程度。中国人なら? 餃子かなあ。いや、春巻きとちがうか。麻婆豆腐もある。こちらは迷うほどだ。この伝でいくと、日本人とくれば寿司か。いや、すき焼き。寿司にせまる知名度がある。うどん・ソバだって代表の座を争う有力候補だ。納豆もしかり。地域差があって共通分母にはなりにくいが、これが食べられる食べられないで外国人の日本への馴染み度を測れる。「お茶漬け」だって上位当選まちがいなしの横綱級だ。
  • ステレオタイプというのが曲者で、内と外では見る目がちがってくる。外国で日本といえば、いまだにフジヤマ・ゲイシャの類が少なくない。逆もまた信なり、われわれも冒頭のように、外国人の食に関しておなじような見方をしているにちがいないのだ。イタリア人に言わせたら、ピッツァかラザーニャ、またはエスプレッソかもしれない。ゼッタイに牛肉、と断言するアメリカ人もいよう。彼ら自身の口から聞かないことには本当はよくわからない。でも、聞いたら聞いたで意見百出、ふたつみっつでは決まらない心配がある。ステレオタイプに個人嗜好を入れたら、収拾がつかなくなろう。キムチの苦手な韓国人だっているだろう。広い中国のことだから、餃子も春巻きも食べない地域や民族がいたって不思議はない。
  • 現に私自身に限ってみても、お茶漬けをかきこむ習慣は持ち合わせていない。寿司も嫌いではないが、食べないときがいくら続いても平気である。お寿司屋さんにはもう何十年も行っていないし、いま流行りの回転寿司にも入ったことはない。生まれも育ちも東北で、関西人のようになにがなくてもお茶漬けとか、それでしめないと食事をした気がしないなどということもない。また山間部とて、新鮮な海の魚介に恵まれなかった。刺身を口にしないからといって、禁断症状は襲ってこないのである。
  • ステレオタイプは固定観念である。外側にいて、限られた情報量で勝手に"実像"を形作る。外の人間からは、寿司やすき焼きは知っていても、おにぎりや漬物は見えにくい。フランス人とむすびつくフランス料理が思いつかないのも、単にフランス料理を知らないだけなのだ。つまりフランス料理って、意外に日本の一般家庭には馴染みのないことがわかる。それこそ、フランス料理は豪華にレストランで食べるもの、というのが固定観念になっている。片や中国料理は、われわれの日常のメニューに欠かせないほど浸透した。ラーメンなど日本食なのか中国食なのか判定に困るほどである。
    ただ、ひとたびイメージが固定してしまうと修正がむつかしい。そこが固定観念の固定観念たるユエン。われわれがボルシチを食べないロシア人が想像できないように、寿司を頬張らない日本人などいるのかと問われそうだ。
  • どこの国の人間がどこの国の料理を好もうが、まったく自由である。たとえば「カスピ海ヨーグルト」。近ごろ、日本人の間に急速に広がっている。ついこのあいだまで、日本人が家庭で自家製ヨーグルトを作って食べるなど、及びもつかなかった。ヨーグルトといったら、チーズとならんで納豆にもひとしい。でも、もはや奇異の眼でみることはなくなっている。
    日本は豊かになった。いながらにして世界中の料理を楽しめる。が、レストランでプロが作る味に舌鼓をうつばかりが能ではあるまい。中国料理が日本の家庭料理になって、多くの中国の文明文化を取り入れたように、外国料理を自分で調理することによって、その国その民族の知恵にふれることができる。実はいま、カスピ海ヨーグルトから、未知の味・トルコ料理の扉を開けようとしているところである。 (小笠原)

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