今 週 の レ シ ピ

・ベーシッククラス(9月第4週)のメニューより

●ツナの鳴戸    36kcal.  塩分0.5g

ツナの鳴戸 [材料]  -6人分-

・ツナ缶小1缶
・生姜(しょうが)少々
・胡瓜(きゅうり)少々
・大根長さ5a分
◎甘酢
  酢大さじ2
  砂糖大さじ1 1/2
  塩小さじ1/3

[作り方]

  1. ツナ…缶から出してほぐす。
    生姜・胡瓜…細いせん切りにする。
    大根…かつらむきにし、塩水に浸(つ)ける。
  2. 巻き簾(まきす)の上に、かつらむきの大根を10〜12a長さで4枚、少しずつ重ねてならべる。
  3. ツナ、生姜、胡瓜を大根の上にのせ、しっかりと巻く。
  4. 巻き簾のまま軽く絞って水気をとり、6切れに切る。
  5. 切り口を上にして小鉢に盛り、甘酢を添える。

ポイントはここ


ちょっと一言

  • 料理で「鳴戸」というと、渦巻き状のものをいいます。ここでは渦巻きにはなっていませんが、「巻いたもの」という意味で名前をつけました。
  • 大根のかつらむきの失敗したと思われる短いものでも、長さがちょっと足りないときには役立ちます。ただし、巻き簾におくときは、巻きはじめのところへ使ってください。
  • 巻き物を作り終わって、大根のかつらむきが残っていたら、せん切りにして金平煮はいかがですか。かつらむきにしなかった大根の中心部分も、いっしょに使ってください。人参(にんじん)、ごぼうのせん切りといっしょに煮てもおいしいですよ。

≪組み合わせメニュー≫
    ◎きのこの清汁(すましじる)
    ◎サンマの塩焼き
    ◎ハスと牛肉の金平煮
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■安全「保証」 
  • リンゴを収穫した。猫額大の庭に植わる、樹齢30年ほどのリンゴの木である。受粉はおろか、消毒、摘花、摘果、いっさい手をかけない。むろん施肥も。ただ、収穫のついでに邪魔な枝は払っている。それだって「剪定」とはいわないだろう。つぎの実りを考えて切っているわけではないからだ。たぶんに気分次第。隣家に枝が伸びるものだから、クレームがこないようにとの配慮でやっているにすぎない。ほったらかしである。おこがましくて「収穫」だなんて。自然に成った物をとる、ただの「採取」にちがいない。
  • 必然的に虫がつく。鳥につつかれる。大きさもバラバラだ。お世辞にも甘いとはいえない。いわゆる「姫りんご」というやつで、大きくても直径5aをこえない愛くるしい赤い玉が、今年は200個近くも成る賑わいをみせた。だが不揃いもいいとこで、完全無欠のものは片手に収まってしまう。そこで、横っ腹がつぶれてもハデに風穴が開いていても、半身が残っていれば合格とする。無農薬なのだから立派なものである。
  • サラダに添えるにはもってこいだ。皮付きリンゴの赤がみずみずしく映える。ほかはジャムにするか、デザート用に煮るか、リンゴタルトに焼きこむか、結構これで使い道があって重宝する。なによりは、農薬ゼロだけに安心して食べられることだ。ほこりなんか、水洗いさえすれば簡単に落ちてくれる。昨今の過剰農薬や残留農薬の騒ぎを聞くにつけ、これほど安全な果物はありはしない。少しくらい欠けようがつぶれていようが、贅沢というものだ。虫が喰ったりいびつなのが贅沢とは、考えてみれば妙である。見た目より、安全性重視ということなのだろう。
  • そう、どうもわれわれはミテクレを気にしすぎる。「見た目偏重」なのだ。一例を挙げよう。以前、喫茶店にチーズケーキを入れていた。手作りの焼き上がりである。店ではそれをカットしてお客に出す。好評を得、ありがたいことに固定客もついてくれた。ところが、何個かに1個は、返品としてもどってくるのだ。店側にただすと、こう答えた。ケーキの表面に亀裂が入っていると。見た目がわるい、見苦しいというお客さんからのクレームらしい。
    ちょっと待ってほしい。器械で量産しているわけではないのだから、メレンゲの混ぜ方で表面がふっくらし、場合によっては亀裂が入ることだってある。それをすべて失敗作・欠陥品としてはじかれてはたまらない。味にはまったく関係ないのだ。むしろそのひび割れが、手作り感を強調してうまそうに見えるではないか。「お客さんにそう説明してください」と頼んだが、マスターは引かない。お客最優先を理由に、こちらは折れざるをえなかった。いま考えても残念で口惜しい。
  • 「フルーツ王国」甲府盆地は、いたるところに果樹園が連なっている。ジョギング中、しばしば桃・ぶどうの農薬撒布に出くわす。ギョッとするのは、撒布者のいでたちだ。完全武装である。上下のカッパに長靴、マスク、ゴーグル、ゴム手袋と肌の露出部分はまったくない。微量たりとも、農薬の滲入を拒んでいる。素人目にも、これではかえって農薬の毒性を感じとってしまう。よからぬ菌の「消毒」もそうだろうが、主目的は寄りつく虫どもを「殺す」のであるから、人間の体にとってもよいわけはない。
    この光景が頭の隅にあって、皮をむく桃はいいとして、丸ごと口に含むぶどうは、若干ではあるが躊躇をおぼえる。規定量の農薬を使用しているかぎり、健康に害がないとわかっていてもだ。が、それも束の間、口の中に形相が変わるほど甘さが満ちると、たちまちどこかへ消し飛んでいる。
  • 中国産など輸入野菜から、基準値をこえた農薬が検出されて影響はいまだに尾を引いている。つい先日は、無登録の農薬が使われたとして、大量のメロンが廃棄処分を受けた。国内産も安心はできない。こうなると、見た目での判断は不可能に近い。きれいすぎたり立派すぎると、逆に警戒の要ありとなる。リンゴでいえば、虫喰いが安全「保証」の表示かもしれない。用心としては、見た目にとらわれないことである。となれば「ミテクレ絶対」の風潮は、期せずして「正常」にもどりつつあるのではないか。好ましい傾向と歓迎すべきなのかも。今ならば、「ひび入りチーズケーキ」もスンナリ受け入れてくれると思うことしきりである。 (小笠原)
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