| 塩 ひ と つ ま み |
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■お守り●「えっ、ケータイ持ってないんですか!?」
かなり驚かれます。今どき、ケータイを持っていない人間なんているのかしら。相手のびっくり顔がそう言っています。口にこそ出しませんが、奇人変人の類とでも内心思っているに違いありません。「だって必要ないもの」と、馬耳東風の私。正確には「持ち歩いていない」、「家に置いてある」ですが。昨今、ケータイが普及するに反比例して、公衆電話がめっきり減りました。生活圏内では、それがどこにあるかだいたい頭に入っていますが、東京・横浜など大都市や知らない町では、探すのに苦労します。さすがにそんなときは、いざというときのために文字通りケータイを携帯します。でも数人で行動する場合は皆さん持っていますから、必要な時は借り受けます。ケータイだけなら小型で軽いのですが、スマホとなると少し大きめでズシリと重いため、できる限り身軽でいたいのです。
●人口20万に満たない中都市に住む私など、ケータイもスマホも不要です。「自宅自営」で出歩くことは少ないですし、固定電話とパソコンがあれば大抵のことは事足り、不便を感じることはまずありません。ただし、2つのケースを除きます。
ひとつは、役所や銀行、大病院など大きな組織に電話を入れる場合です。固定電話では内線がなかなかつながりにくい。ケータイならピィ、ピーと押せばすぐです。もうひとつは、インターネットで金銭授受に関わる手続きの場合、スマホの電話番号とアドレスが必須のときがあります。固定電話では用をなさないのです。こんなことから、私のケータイの契約は、前記2つ目の除外ケースが必須と分かるまで、ずっと電話機能だけでした。機種と契約をスマホに切り替えたのはつい最近、1年も経っていません。
もともとケータイ歴は長いのです。娘の小学生の頃からで、30年も前です。夫婦共働きの場合、緊急連絡用としてケータイ所持が学校から求められました。共働きといっても自営で「職場」はおなじなのに、規則だからと持たされました。
ケータイは主人と共有でした。が、同じく滅多に使うことはありませんでした。頻繁に登山に出かける主人なので持たせましたが、仮に途中で遭難したとしても(?)山腹から電波は届かないでしょうし、その頃の電波事情は、山頂からでもつながらないときのほうが多かったので、じきに携行しなくなりました。だからケータイは緊急時のお守りのようなものでした。●ケータイが必需品だったときがあります。2016年からの2年間と、2022年からの2年間です。JICAボランティアでブラジルにおりました。スマホが必携で支給されました。仕事で使用するほか、治安の悪いところでしたから、いつなんどきどこで何が起きるかわかりません。事務所との連絡を密にとって安否情報の交信は欠かせません。肌身離さず持ち歩いていなければならず、定期定時連絡のほか抜き打ち的に所在場所を確認されたりするなど、安全対策は徹底していました。
公共交通機関、わけてもバスの利用は、市内バスであろうと長距離バスであろうと極力避けるのが鉄則。遠距離は飛行機、近距離はタクシーです。贅沢なようですが、安全重視です。迅速・簡単・格安にして安全確実、運転手の身元もしっかりしたウーバーが優先されました。必然的にスマホの出番となり、ポルトガル語仕様のアプリに悪戦苦闘する私を見捨てることなく、遺憾なく「本領」を発揮してくれました。
「本領」の意味を説明します。
ウーバーを呼ぶ際は、人目に触れてはいけない。衆人環視の中、どこに引ったくり犯の目があるかしれません。狙われたら、スマホどころか金品、命まで盗られかねないからです。安全第一を考え、人目をしのんで(人目をはばかって、人目を盗んで…いろいろ言い方があるものですね)メールする必要があります。これも鉄則です。料金の自動支払いまで含めて、小型で自在なスマホはまたとない相棒でした。●さて、帰国後はブラジル時代とは打って変わり、既述したように「スマホの持ち腐れ」状態、埃(ほこり)を被っています。たまさか、バッテリーの残量確認のためONにしてチェックする程度です。といって、スマホが嫌で遠ざけているわけではありません。便利さは十分に承知していますから、必要とあらば、いつでもお出まし願いたいと考えております。
【野口料理学園】
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