今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(6月第1週)のメニューより

●豚肉のクリーム煮   493kcal.  塩分1.0g

豚肉のクリーム煮 [材料]  -4人分-

・豚肉ロース1枚100g4枚
  塩小さじ2/3
  胡椒(こしょう)少々
  小麦粉適宜
・バター大さじ2
・玉葱(たまねぎ)のみじん切り大さじ3
・ブイヨン1/2カップ
・生クリーム1/2カップ
・ブールマニヨン適宜
・塩、胡椒少々
≪付け合わせ≫(トマトプロヴァンサル)
  トマト中2個
   塩少々
  ◎A
    パセリのみじん切り少々
    ニンニクのみじん切り少々
    生パン粉大さじ2

[作り方]

  1. 豚肉は筋切りをし、肉たたきでたたいてから形をととのえ、塩・胡椒で下味をつけ、小麦粉をまぶす。
  2. フライパンにバターを熱し、両面を焦(こ)げ目がつくまで焼き、厚手の鍋に入れる。
  3. 肉を焼いたフライパンへ、玉葱のみじん切りを炒める。
  4. 2の鍋に3の玉葱も入れ、ブイヨンと生クリームを加え、2〜3分弱火で煮込む。
  5. ブールマニヨンを加えて煮汁にとろみをつけ、塩・胡椒で味をととのえ仕上げる。
  6. ミート皿に肉を盛り、とろみをつけた煮汁をソースとして肉にかけ、トマトプロヴァンサルを付け合わせにする。

      ≪付け合わせ≫
    1. トマトは皮を湯むきにし、横2つに切り、切り口に塩少々をふった後、水分をふきとる。
    2. 切り口に混ぜ合わせたAをのせ、200℃位のオーブンで、パン粉に焦げ目がつくまで焼く。
ポイントはここ
  • 豚肉をやわらかく食べるために筋切りをしたあと、肉たたきでしっかりたたきます。少し身がくずれてもかまいません。たたいたあと、もとの形になるように竹串でととのえてください。

    筋切り 肉たたきでたたく 竹串で形をととのえる

  • フライパンで、肉をバターで両面に焦げ目がつくよう強火で焼きます。中まで火が通らなくてもかまいません。4枚の肉を重ねないで、平らにおける鍋(直径20〜24aの浅鍋)に入れてください。
  • フライパンには肉のおいしい焼き汁が残っています。玉葱のみじん切りに吸わせるように、ゆっくり炒めて肉の入った鍋に加えます。
  • 煮込むためのブイヨンは、キューブブイヨン1/4個と1/2カップの水、また、生クリームは、動物性脂肪のものを使ってください。植物性ではおいしさが半減します。

    強火で焼く 生クリームを加える

    ブールマニヨンを手早く加える

  • クリーム状のブールマニヨンを、煮立っている煮汁に入れ、泡立て器で手早く混ぜてとろみをつけます。(硬いままのブールマニヨンは、バターが分離しやすいです)
  • トマトの皮は湯むきにします(「コーンチャウダー」参照)。もし、ほかに湯を沸かす必要がない場合は、へたをとり、フォークを2〜3aさし、その反対側に十文字の切れ目を入れ、直火にかざします。十文字の切れ目が さけてきたら冷水にとります。皮がくるりとむけます。

    直火にかざす 冷水の中で皮をむく

  • パン粉ににんにくとパセリのみじんきりを加えて混ぜ、トマトの切り口の上に、平らにのせます。

    パン粉、にんにく、パセリ 切り口にのせる

    オーブントースターでも焼ける

  • 付け合わせのトマトプロヴァンサルは、2〜3分熱したオーブントースターに入れて焼くこともできます。
ちょっと一言
  • 「ブールマニヨン」は、同量のバターと小麦粉をよく混ぜ、半日〜1日おいてから料理用ソースにとろみをつけるために使います。また、カレー、シチューなどのとろみが足りない時、クリーム状にしたブールマニヨンを手早く溶かすように使うと便利です。少し多めに作り、大さじ1〜2分ずつに分け、冷凍しておくこともできます。

    粉とバターは同量 泡立て器で混ぜる クリーム状にする


≪組み合わせメニュー≫
    ◎コンソメジュリエンヌ
    ◎ニンジンとインゲンのサラダ
    ◎グリーンサラダ
    ◎ワインゼリー

【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■手加減

先週のお稽古は、寄せ玉子の清汁(すましじる)でした。出汁(だし)をとる鰹節を、削り器を使って削ります。
「どなたかこれを」と言うが早いか、「わしにやらしてくれ」と名乗り出たのは、70代の男の生徒さんです。鰹節削り器をとると、まるでカンナにかけるように(方向は逆です)シューッ、シューッとそれは上手に削ってくれました。女性がやるよりずっとスピーディーで、しかも大量に削れました。(下手な人がやると、ガリッ、ガリッという音がします)。

やっている時の楽しそうな顔といったらありません。これまで見せたことのない明るさです。得意満面、生き生きしていました。いかにも手馴れたしぐさは、子供のころからなんども家でやっていたにちがいありません。また、嬉しさの度合いからみて、かなり長い間ご無沙汰だったこともうかがわれました。

先々週の日曜日は、地区の運動会がありました。各町があつまって、小学校の校庭にそれぞれ町のテントを張ります。主人も早朝からかり出されました。主役は熟年者です。テントのポールの組み立てや解体作業では、颯爽とした指揮官となります。順序が完璧に頭の中に入っているようです。若い人はもちろんのこと、4、50代の人でも、作業中ときどき動きが止まってしまいます。そのたびに指揮官に順番を尋ねたり、次の指示を仰いでいる場面にしばしば出くわしました。

まもなく夏祭りの季節がやってきます。町内にある小さな神社でも、伝統の大きな提灯(ちょうちん)を飾り台の上にいくつも飾ります。その飾り台の組み立てが、毎年やっていることながら、なんども滞ったりまちがったり寄り道をしてしまいます(これはこれで楽しく、親睦が深まる面もありますが)。要所要所を撮った写真帖(アンチョコ)を見ながらやっていてもです。そんな時は、立ち会っている長老が、タイミングよく教えてくれます。

年に1回といえば、我が家でも年末のお餅つきがあります。さいごにつく豆餅に入れる大豆や塩、砂糖、ゴマ、青海苔の分量で、「どのくらいだったっけ」と、頭に手をのせて考え込むのが私のお決まりのパフォーマンスです。まったく、毎年やっていることなのにこうなのです。ちゃんと数字を手帳にメモしているのですが、その手帳が見つからないで右往左往することがあるのですから始末に負えません。

運動会やお祭りとか年中行事の段取りは、複数の人間や集団で記憶していれば、忘れるリスクは避けられるでしょう。家単位の場合、家事をあずかる奥さんひとりの頭だけに頼っていると、心もとないものです。たとえば、漬け物。年に1回漬ける梅、ラッキョウ、タクワン、白菜などいろいろあります。おばあちゃんやベテランのお母さんは、塩やヌカミソの分量をいちいち細かい数字で覚えているのではありません。数字はゼッタイではないと知っているからです。漬ける時期はおなじでも、その年の気候は微妙に毎年毎年ちがうものです。暑い年だったり、そうでなかったり、湿度の多い少ないもあります。それに応じて、そのつど分量を増やしたり手控えたりするのです。

頼るのは「手加減」です。頭だけでなく、手すなわち体全体で記憶するものなのです。亀の甲より年の功、経験がモノを言うというわけです。そんな経験をいっぱい持っている達人が年配の方々です。でも、いくら体で覚えていても、使わなければ剥がれていきます。漬け物を漬けなくなった家が増えました。せっかくの達人の経験が生かせる場所が減っています。こうした知恵は、古い道具とともに消えてしまうのでしょうか。モッタイないことです。


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