今 週 の レ シ ピ

・アドバンスクラス(6月第2週)のメニューより

で玉子の醤油煮しょうゆに(中国風味)    1個につき 108kcal. 塩分0.7g(「ちょっと一言」参照)

茹で玉子の醤油煮(中国風味) [材料]  -6人分-

・卵6個
  ◎A
    醤油(しょうゆ)大さじ5
    酒大さじ1/2
    砂糖大さじ1/2
    中華出し汁1カップ
    粒山椒(つぶざんしょう)少々

[作り方]

  1. 卵は卵黄が片寄らないように、箸(はし)か木杓子(きじゃくし)で3〜4分転がしながら、13〜14分茹(ゆ)でる。
  2. 水に取って冷やして、殻(から)をむいた茹で玉子を、煮立てたAの中に入れる。
  3. 転がしながら弱火で約10分煮て、そのまま煮汁につけておく。
  4. 煮汁が完全に冷めたら、好みの形に切る。
ポイントはここ
  • 冷蔵庫から出したばかりの卵を、水に入れてすぐ火にかけると、温度差で殻が割れやすいもの。水に入れてから15〜30分はそのままにし、その後火にかけてください。
    最初の3〜4分は、卵を転がしながら茹でると、卵黄が中心に茹で上がります。卵同士がぶつかり合うと割れやすいので、転がすのはやさしくしましょう。
    もし殻にヒビが入ってしまったら、熱湯に酢を大さじ2〜3入れてください。
  • 煮汁は直径18cm位の鍋に煮立て、殻をむいた茹で玉子を入れ、表面がムラにならないよう転がしながら煮ます。弱火で10分位煮たら、そのまま煮汁につけておきます。充分冷めるまで、ときどき転がしてください。煮るときと同様、色ムラができないようにするためです。

    転がしながら茹でる 10分煮る 煮汁につける

ちょっと一言
  • 茹で玉子を煮る出し汁、調味料、香辛料をかえると、いろいろな味が作り出せます。カツオやコンブの出汁(だし)に、醤油味、七味唐辛子で和風、チキンコンソメ、塩、胡椒(こしょう)、さらにバジル、オレガノなどの香草で洋風という具合に。いかがですか。
  • 醤油煮にした茹で玉子の「塩分」は、使った醤油を全部吸収してしまうわけではありません。充分冷めたとき、残っている煮汁から計算してみました。
  • 煮汁は、おわかりのように、残ります。玉子を食べ終わった後、その煮汁は他の煮物に使ってください。私は、ゴボウ、ニンジン、大根、ハスなどの金平煮に使っています。
【野口料理学園】

塩 ひ と つ ま み

■ゴメンナサイ!

東京の某テレビ局から、電話での問い合わせがありました。
―甲府は去年、40度を超えましたよね。そんな暑い中、甲府の人って、どんなものを食べているんですか?

暑さをしのぐ特別な食べ物、涼しさを呼ぶような特殊な食べ方があるのか、という質問です。

もっともな疑問です。なにしろ昨年夏の甲府は40.4度という猛暑、1933年山形の40.8度についで観測史上2位を記録。しかも、39.5度以上の歴代トップテンの中に、これまで5回もランクされて“文句なく”最多、甲府は日本一暑い所と思われて不思議はありません。そこに住んでいる人たちは、夏場いったいどんな物を食べているの?という思いは、当たり前というか、まったく自然で素朴な問いかけです。

もちろん私たちも、甲府が日本有数の暑い土地だと承知しています。でも、対処法としてなにか特別な物を食べているかと問われると、当の私たちもじつは首を傾げてしまうのです。とくにコレといったものはありません。

あえて挙げるとすると、「おざら」、でしょうか。「郷土食」のひとつです。地粉(小麦粉)で練った麺を茹でたあと、氷水にさらし、あたたかいつゆで食べるものです。これにナス、サツマイモ、サヤインゲン、カボチャの天ぷら「精進揚げ」をつけたり、あるいは鶏肉や椎茸、野菜をつゆの具として入れたりします。

「おざら」は食堂のメニューにあります。“夏のほうとう”として、生麺(生うどん)で市販もされているので、家庭で食べることもできます。でも生徒さんに聞くと、名前を知っている程度で、じっさいに食べたことはあまりないようです。(伝統食というのは、すべてとは言いませんが、往々にして知名度が高いわりには食卓にのぼりません。)

私は別の使い方をしています。7月のお稽古に「五香そば」があります。このときに、そばが苦手だったり、「そば粉アレルギー」で食べられない生徒さんに、代わりにこの「おざら」を用意するのです。

「五香そば」は見た目、「冷やし日本そば」です。夏バテしないように、ネギやわさびの薬味だけでなく、「五香」すなわち納豆、鰹節、海苔、ウズラの卵、ネギを添えることで栄養不足にならないようにします。

本来の「ほうとう」もいただきます。冬のものと思われがちですが、一年中食べます。もちろん暑い盛りでも。具がたっぷりで栄養面のほかに、熱々を食べることで涼を呼び込もうというわけです。昔ほど食卓にはならびませんが、強いていえば、この「おざら」と「ほうとう」が山梨特有の暑さ対策の食べ物といえないこともありません。

テレビ局が予想した回答ではなかったようです。昔と違い、いまは全国津々浦々、職場でも家庭でも冷房装置がバッチリ効いた環境があります。冷えたビールもあれば、濃厚なアイスクリームも手に入ります。体を中から冷やすも外から冷やすも望みのままです。

夏を乗り切る、夏バテを防ぐには体を冷やすことだけではないはずです。暑いさなか、いかに健康体でいられるかです。あっさり・さっぱり系にかたよらず、いろいろ万遍なくしっかり食べて、栄養補給を怠らないことです。

甲府は日中はたしかにすこぶる付きの暑さですが、いわゆる「熱帯夜」は、ひと夏に1週間あるかないか、ふだんの朝夕は過ごしやすいのです。ことさら夏用の特別食を用意するには及びません。

空気が澄んでこれからの季節、ナス、トウモロコシ、トマトをはじめ、サクランボ、モモ、ブドウなど夏野菜やフルーツがたくさんとれだします。おまけに盆地を囲む山々、大小の湖沼など言ってみれば「避暑地だらけ」です。これら恵まれた条件にくらべれば、夏の暑さなどちょっとしたアクセント。いえ、やせ我慢ではありません。ヨソの土地の人から羨まれる要素のほうが、はるかに多いのです。
これが結論です。テレビ局の人には、期待にそえなくてゴメンナサイ!


§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 ichiban@kateiryouri.com


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