今週のレシピ

・ブライダルクラス(6月第1週)のメニューより

● 肉じゃが(中華鍋で作る)   158kcal.  塩分 1.8g 
 肉じゃがの写真
 [材料]  -6人分-

・じゃがいも500〜550g
・豚肉100g
・いんげん100g
・炒め油大さじ2
◎味付け調味料
  醤油大さじ4
  砂糖大さじ3

  [作り方]

  1. じゃがいも…新じゃがを用意し、皮をむき、大き目の乱切りにする。
    豚肉…薄切りを用意し、一口大にきる。
    いんげん…すじを取り、4〜5a長さに切る。
  2. 中華鍋を火にかけ、炒め油を熱し、強火で豚肉を炒め、色が変わったらじゃがいもを加え、さらに炒める。
  3. じゃがいもの切り口に油が5_位しみ込んで透き通ったら、いんげんを加えて軽く炒め、弱火にして味付け調味料を加えよく混ぜる。
  4. 中華鍋より少し小さ目のボールをふたにして、3分おき位に開けて中身をよく混ぜ、じゃがいもに竹串がスーッと通ったら煮汁をからめるように仕上げる。
 
ポイントはここ

  • 最近はいろいろな作物の栽培方法が工夫されたり、気候が少しずつ変化していることもあって、じゃがいもに関しても、「新じゃが」の登場が大分早くなっています。この方法は、今が旬! ぜひ挑戦してください。
  • 新じゃがの皮は、爪で削りとれるほど薄いものです。包丁で「むく」というより、「削り」とれます。また、金たわしでこすったり、計量スプーンで削ることもできます。
  • 肉類は豚肉・牛肉・鶏肉などのさまざまな部位や形状をお好みで選んでください。ちょっと脂身のあるところがおいしいと思いますが。
  • 水を一滴も使わなくても、じゃがいもがホクホク煮くずれしないで仕上がるこの方法のポイントは、つぎの2つ。
     @じゃがいもは、切り口から5_以上油がしみ込んで透き通るまで充分炒めること。
     A材料を完全におおってしまうボールをふたにすること。

      切り口が透き通る   ボールをふたにする

    調味料だけを加えることで、浸透圧により、調味料を薄めようとしてじゃがいもから水分が出てきます。新じゃがはたくさん水分を持っていますから、ビックリするほど出てきます。その水分が蒸発してボールに当たると水滴になり、また中華鍋の中にもどり、材料を少しずつ柔らかくしてくれます。この繰りかえしで煮あがります。

  • 水がビックリするほど出てくるといっても、じゃがいもをおおってしまうほどではありません。したがって弱火で3分位たったら、ボールをとって上下をかえすようにフライ返しでよく混ぜてください。だいたい3〜4回で均一に味がつき、柔らかく煮えます。
  • 竹串がスーッと通っても、まだ煮汁が残っているようでしたら、その煮汁をからめるように少し火を強くして中華鍋をまわしてください。
 
ちょっと一言

  • 肉じゃがといえば家庭の味、おふくろの味の代表。「新じゃが」がなくなっても作りたい、という話も聞こえてきます。わが家は、つぎの方法で一年中調理しています。
    @じゃがいもを減らし、そのぶん玉葱を加えます。たとえば、じゃがいも300gとしたら、玉葱200g。玉葱の水分を利用するわけです。Aいんげんは冬には「冷凍食品」を使っています。凍ったままのいんげんを、4〜5a位にポキポキ折って、じゃがいもを炒め終えたら加えます。
    この方法を参考に、「皆さんの家の肉じゃが」の味を作りだしてください。 ボールを外す写真
  • 6月に入り衣替え。ほとんどの生徒さんが半袖の服を着てきます。腕(手首からひじ)の裏側はとても柔らかく敏感で熱に弱いところ。中華鍋のふたとして使うボールをとって中の様子を見たいとき、気をつけないと強い蒸気でヤケドをしがちです。
    どう気をつけるかというと、まず側に人がいないことを確かめて、フライ返しで手前からボールをおします。反対側の、ボールが中華鍋を離れたところから強い蒸気がでます。その蒸気が全部でてしまったら、ボールのふちを持って取りのぞきます。
    ボールを外す手には、かならず手袋型の鍋つかみを使ってください(厚手の布でつかもうとすると、指先に蒸気が当たります)。
  • ボールのふたを外しにくいから、平たい普通のふたではどうですかとよく質問がありますが、ボールの丸い形が大切で、水蒸気がボールのドーム状の内側を水滴となって流れることに意味があります。
  • 「(鍋で煮る)肉じゃが」も参考にしてください。
≪組み合わせメニュー≫
  ◎茹でキャベツの中華風酢の物
  ◎きゅうりとハムの中華風スープ
  
【野口料理学園】

塩ひとつまみ

■切れない包丁

  • 「弘法、筆を選ばず」。料理の世界でいえば、名人はたとえ切れ味の悪い包丁を使っても、ちゃんとした料理を作る、でしょうが、そうはいかないようです。名人ほど包丁を選びます。ナマクラな包丁は握る気もしないでしょう。名人といわず一般の主婦でも気持ちは同じです。ただし、そこまでは。その先が大きく分かれます。包丁を研(と)ぐか、研がないかで。
  • 包丁は切れなくなったら取り(買い)替えるしかない、そう思ってはいませんか? 親戚の話ですが、近所の奥さんから、「あなたのところの包丁、どうしてそんなに細いの」と聞かれたそうです。手入れを怠らず、しょっちゅう研いで10年は使っていたシロモノ。当然、研いでいるうちに刀身は細くなっていきます。実はその奥さんは、包丁を研ぐことを知らなかった。いえ「研ぎ方」ではなく、包丁が研げるものであることを。切れなくなった包丁はどうするのか問うたところ、「捨てるのもなんだから置いてあるわよ」。見たら、10本以上はあったそうです。
  • 生徒さんでもいました。「先生、長持ちする包丁ってありませんか?」。聞けば、1本7〜8000円する包丁を、2年ほど使い、切れなくなったら買い替える。もっと長く使える包丁はないかしらというわけです。この生徒さんは研げるのは承知していたけれど、まさか自分で研げるなんて思わなかったというのです。捨てずに、やはり取ってあるということなので、「全部持ってきなさい。研いであげます」と思わず言ってしまいました。
  • 昔は、鍋・釜・ヤカンの類は修繕して使ったものです。金物屋さんに持っていけば丁寧に直してくれました。包丁もきれいに研いでくれました。軽トラで物干し竿を売りにくるくらいの頻度で、鋳掛(いかけ)やさんもまわってきました。いま人口20万の甲府市で、「刃物研ぎます」の木札がかかっている金物屋さんは、私の知るところでは1軒だけです。金物屋さんそのものがめっきり少なくなりました。砥石を買って自分で研ぐにしても、なかなかむずかしいでしょう。万事に忙しいご時世ですから、面倒くさがってやらないでしょう。手も汚れますしね。家に砥石を用意している人は珍しいほどです。
  • なかには熱心な人がいます。どんな包丁をそろえるか、それから尋ねてきます。私はつぎのように勧めています。最初から一括してセットは買わず、自分の料理の腕や内容に応じて揃えていきなさいと。1本だけなら牛刀です。肉、魚、野菜が切れる万能型。2本目は菜切り包丁、皮むきやせん切りに威力を発揮します。3本目にペティーナイフ、フルーツ・お菓子用です。この3本あれば、たいがい用が足ります。あとは、魚を下ろしたいなら出刃包丁を、パン食をよくとる人はパン切り包丁という具合に順々に揃えていくのです。
  • それにしても、包丁を研いでいるときの気分はたとえようがありません。「魔力」といっていいでしょう。シャーッ、シャ、シャーッ、シャ、押して引くチョー単純作業ですが、無心で没頭してしまいます。心の中のざらざらしたもの、すさんだ気持ちが削ぎ落とされていくのがわかります。エクスタシー(?)ともいえる、得体の知れない一種独特の清浄作用です。「病みつき」になります。だからといって、夜中に出刃を研ぐのだけは控えておいたほうがよさそうです。

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