今 週 の レ シ ピ

当学園は今週(2月9日〜2月14日)、バレンタインケーキ特別講習のため休講となります。

 [特集] ワイワイ仲良くホームパーティー T

≪「家庭料理が一番!」の気持ちを大切に≫シリーズ
   T.普段着の心で
   U.「作る」にも参加を!―その1(5月掲載)
   V.「作る」にも参加を!―その2(7月掲載)
   W.持ち寄れば、楽しさ倍々!(10月掲載)

 T 普段着の心で

気軽に集まってするホームパーティーほど楽しいものはありません。何度でもやりたいものです。だからといって、時間もお金もかけて豪華にやってしまうと大変。1回こっきりで後が続かなくなります。継続させる秘訣は、「きばるな」ということ。背伸び、高望みはせず、自分の身の丈でやることを心がけましょう。大切なのは、「普段着の心」。一家団欒(だんらん)の食卓そのままに、おもてなしをするのがコツです。

☆こんなメニューはいかが?

ワイワイ仲良くホームパーティー
1.五色野菜の和風サラダ
2.(鍋で煮る)肉じゃが
3.鶏のさらさ揚げ
4.湯盛りうどん






1.五色野菜の和風サラダ    36kcal.  塩分1.3g

五色野菜の和風サラダ [材料]  -6人分-

・キャベツ3枚
・紫キャベツ3枚
・大根10a
・ニンジン1本
・キュウリ1本
◎かけ汁
  酢大さじ4
  醤油(しょうゆ)大さじ1
  砂糖小さじ1
  塩小さじ1
  胡麻油(ごまあぶら)小さじ1

[作り方]

  1. キャベツ、紫キャベツは、ごく細いせん切りにし、別々に冷水につけ、水気をよく切る。
  2. 大根、ニンジン、キュウリは「スライサー」などのせん切り器を使い、ごく細く切り、別々に冷水につけ、水気をよく切る。
  3. 大皿に1と2をきれいに盛り付け、かけ汁を添える。
ポイントはここ
  • キャベツ、紫キャベツは包丁で頑張れば?!、ごく細いせん切りにできます。大根、ニンジン、キュウリを長さ10a位のごく細いせん切りは、むずかしいかもしれません…。このごろ流行の(?)「スライサー」の「ごく細いせん切り用」を使ってみてはいかがですか。もし薄切りしかできないものでしたら、スライサーで薄切りをし、あと包丁で一生懸命細く切ってみましょう。いずれにしろ、冷水でパリッとさせ、水をよく切って盛り付けてください。
ちょっと一言
  • かけ汁は好みです。ちょっと辛くならラー油、または辛子を加えてみてください。あるいは、さまざまな調味料を食卓に並べ、食べるときに好みの味を作り出してみてください。

2.(鍋で煮る)肉じゃが    218kcal.  塩分1.8g

肉じゃが [材料]  -4〜5人分-

・牛肉200g
・じゃがいも(メイクイーン)500g
・タマネギ中1個
・冷凍えんどう大さじ3
・サラダ油大さじ2
◎煮汁
  出汁(だし)1/2カップ
  砂糖大さじ2
  みりん大さじ2
  醤油大さじ4

[作り方]

  1. 牛肉は、食べやすい大きさに切っておく。
    じゃがいもは皮をむいて、食べやすい大きさに切る。
    タマネギは、薄めのくし型に切る。
    冷凍えんどうは、熱湯で解凍しておく。
  2. 厚手の鍋にサラダ油を熱し、強火でじゃがいもとタマネギを炒める。
  3. じゃがいもの表面が透き通り、タマネギがしんなりしたら、鍋から取り出す。
  4. サラダ油を少々熱し、中火で牛肉を炒め、肉の色が変わったら、3をもどし、出汁(だし)を加える。
  5. 弱火で落としぶたをして煮る。
  6. 竹串がすっと通るくらいじゃがいもが柔らかくなったら、砂糖とみりんを加えて5〜6分煮る。
  7. 醤油を加えて、さらに5〜6分煮る。
  8. 仕上げる直前に、えんどうを加える。
ポイントはここ
  • 牛肉は肩バラ肉、または脂肪の多い方が好きな場合は、バラ肉の薄切りを一口大に切ってください。もちろん、細(こま)切れ肉でも充分おいしくできます。少し脂肪の多いところが、よりおいしいと思います。
  • じゃがいもは「メイクイーン」が煮崩れが少なくて、「男爵」より向いています。 じゃがいもとタマネギの切り方
  • じゃがいもは1辺が3a位の乱切り、タマネギはいちばん厚いところが1a位のくし型切りにします。
  • 「油で炒めてから煮る」煮物は、肉から炒めることが多いと思います。でもこの煮物は、じゃがいもの表面が透き通り、タマネギがしんなりするまで炒めた方が、煮崩れしないでおいしく煮えます。
    炒めた肉の中に、じゃがいもとタマネギを加えてそこまで炒めようとしますと、肉が細かく崩れてしまいがちです。厚手の直径18〜20a位の鍋にサラダ油を熱し、まず強火でじゃがいもとタマネギを炒め(1)、ひと手間かかりますが、一度取り出します(2)。サラダ油を足して、中火で牛肉が崩れないように炒め、肉の色が変わったらポテトとタマネギをまた鍋にもどしてください(3)。

    (1) (2) (3)

  • じゃがいもが柔らかくなるまで、弱火で出汁だけで煮てから、砂糖とみりんの甘味、そのあと醤油で塩味をつけます。じゃがいもに充分味がしみて、おいしく仕上がります。
ちょっと一言

3.鶏のさらさ揚げ

鶏のさらさ揚げ 2年目2月第2週「鶏のさらさ揚げ」参照。


4.湯盛りうどん

湯盛りうどん 茹(ゆ)でたうどんを、熱湯に入った土鍋に入れ、火にかけ、ワカメやキノコ類などを入れて、一度煮立ててから食卓へ出す。
薬味として大根おろし、万能ねぎの刻んだものなどをたっぷり添える。好みのつけ汁を用意する。


ちょっと一言

  • うどんに鶏のさらさ揚げをのせて、「かき揚げうどん」にしてはいかがですか。うどんのつけ汁を天汁(てんつゆ)がわりにして、さらさ揚げを食べてもおいしいですよ。
  • 他に薬味として生姜(しょうが)、ユズ、ワサビ、辛子、切りのりなども用意すると、いろいろな味が楽しめます。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■見たことあるでしょ? 

知り合いの料理屋の女将さんがいっていました。
―このごろ、卵を割れない人がいるんですよね。

すき焼きのウケに卵を落としますが、その卵が割れないというのです。親指をグシャッと中にめり込ませてつぶしてしまう。力を入れる要領というか、加減がわからない。ふだん、卵など割ることはないのでしょうね。

なんでもアリの時代です。この程度のことは驚くに値しないかもしれません。とはいってもやはりビックリ。ここまできているんだなあと、思わないわけにはいきません。
「リンゴの皮がむけない」、つまりそのくらい料理ができませんけどよろしくお願いしますと、なかば自嘲気味に入学してくることがあります。これにたいして、

―大丈夫よ、心配しなくて。でも、卵は割れるでしょ?

当然できるものと思ってナグサメます。このあいだまで、そのナグサメのことばは「リンゴの皮、むけるでしょ?」、でした。"いくらなんでも、そのぐらいのことはできるでしょ?"という意味合いの励ましでもありました。

それが使えなくなってきています。ホントにリンゴの皮がむけない人がいるからです。慰めや励ましにならないのです。卵が割れないとなれば、底のラインはさらに下がったようです。"卵は割れるでしょ?"、とうっかり言っては、勉強したいという人の門を閉ざすことになりかねません。

割れるようになっても、その先で立ち往生することがあります。卵の黄身と白身が分けられません。"先生、これって道具ないんですか?"と泣きそうな顔で聞いてくる生徒さんがいます。"手が道具よ"と、やらせるくらいですから。

そうかと思えば、3歳にしてきれいに卵を割ってみせる子がいます。月1回の専攻科(3年目のクラス)に通う奥さんが、生まれて半年、赤ちゃんのときからカゴの中に入れて連れてきていました。大きくなるにつれて、お母さんが習っている間、見よう見真似でできるようになりました。

この子には、お母さんがおもちゃのような「My包丁」(もちろん刃はついていません)を与えて、野菜などをまま事遊びに切らせていました。でも大人が切ったのはフライパンや鍋に入れるのに、自分のは使ってくれないというような不満顔をしていたものです。

あるとき、ハムを切りたいというのでやらせたところ、切れません。刃がないのですから、うまくいかないのは道理です。そこで私は、セラミックのナイフを貸し与えました。ふつうの包丁では大きすぎるし、ちょうどそこにそのセラミックのがあって、大きさといい、柄の部分が葡萄色をしていて、刃も真っ白で可愛らしいと思ったのです。

―猫の手のようにして押さえるのよ。
やってみせると、その通り、彼女は造作なくハムを切りました。さあ、たいへん。切れ味を知ったのです。「My包丁」には目もくれなくなりました。材料をどんどん切ります。以来、お稽古のたびにセラミックのナイフを出してきては使い、見つからないと要求してくるほどです。子供にも分かるのです。あなどってはだめ、「子供だまし」はいけない(!)と思いました。

彼女は幼稚園にあがるまえの幼児、いわば「プレジュニア」です。プレジュニアの子は彼女が初めてではありません。この10年で3人。前の二人のうち、一人は去年二人目が生まれて来られなくなりました。もう一人のボクは小学5年生に成長して、今はジュニアクラスに通っています。

子連れのお母さんは偉いと思います。自分の料理の腕を磨こうとする意欲もそうですが、それだけではありません。もの心がつくかつかないうちに、子供をこうした食環境において料理の楽しさを身につけ、“舌を作って”おこうという考えなのです。

子供にとって調理場は「危険地帯」です。でも子供はなんでもやってみたいのです。危ない、散らかる(汚れる)、壊れるからと、頭から叱ったり拒絶したら、せっかくの芽をつんでしまうことになります。旺盛な探究心やエネルギーを上手に導いてやると、将来の可能性につながります。

味覚の認知については、早ければ早いほどいいかもしれません。赤ちゃんがこの世に生まれて初めてミルク以外の食べ物を口にする、この時期がとても大切な気がします。動物によっては、自分を最初に抱いてくれたものを母親と認識するそうです。それが人間であっても、あるいはちがう生き物であってもそうだといいます。それほど「初め」が肝心ということです。

市販されているそれ用の流動食がありますが、私の場合、娘には自分たちが食べる同じ物を細かく刻んで、味を薄めて与えました。無理強いはしませんでしたが、ニンジンでもモツでも喜んで食べてくれました。「My包丁」のお母さんもそうです。ハンディミキサーを使って、すりつぶしたものをあげたということです。

私はこれからもプレジュニア連れの生徒さんは拒もうとは思いません。あわせて、「慰め・激励のことば」を変えようかなとも考えています、つぎのように。

―卵を割るの(りんごの皮をむくの)、見たことはあるでしょ?


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