今 週 の レ シ ピ

・お正月料理に加えてください

●花れんこん、雪の輪れんこん

花れんこん 雪の輪れんこん [材料]

・れんこん1節(ひとふし)100g位
  酢大さじ1
◎甘酢
  酢大さじ3
  砂糖大さじ3
  塩小さじ1/2

[作り方]

  1. れんこんは皮をむき、花や雪の結晶の形にととのえる。
  2. 2〜3mm厚さに切り、水にさらす。
  3. 熱湯に酢を加え、れんこんをサッと茹(ゆ)で、湯を切って甘酢につける。
ポイントはここ
  • ハスは直径5cm位で、穴と穴の間が厚いものを選んでください。あまり太いと重箱に入れにくく、穴が大きいものは模様が美しく、入りません。
  • 花れんこんは皮をむき、穴と穴の間を丸く切りとりながら花の形を作り、2〜3mm厚さに切ります。

  • 雪の輪れんこんは皮をむき、穴のうち小さめのもの4つ位の外側を2〜3mm切りとります。穴を切りとってない方を下にして、静かに2〜3mm厚さに切ります。切りとってない穴の外側を、一枚ずつ切ります。

  • れんこんはアクがありますので、冷水につけ、数回水を取り替えてください。
  • 熱湯に酢を加え、さらしておいたれんこんを入れます。沸騰がおさまります。つぎに沸騰したらすぐにザルにあけ、湯を切ります。熱いうちに、用意した甘酢につけます。
ちょっと一言
  • 甘酢につけたれんこんは、2〜3mm厚さで、シャキシャキ歯ごたえのあるのが私は好きです。厚く切らず、火を通しすぎないように気をつけています。
  • 酢の物として重箱に入れたり、焼きもの附け合わせに添えてもよいでしょう。
  • 散らし寿司(「春山ずし」参照)の具として使うこともできます。
  • 形をととのえた時に出てくるレンコンのかけらは、水でよくあくを抜き、「松風焼き」の中にニンジン、椎茸などといっしょに入れてください。シャキシャキした歯ごたえがおいしさにつながります。
【野口料理学園】
塩 ひ と つ ま み

■バタークリームは可哀想

今年もクリスマスのケーキ作りが終わりました。生徒さんからは、「市販のケーキよりおいしい」と好評でした。理由はわかっています。市販のケーキの多くは植物性生クリームか、生クリームにそれを混ぜたものを主に使います。ここのように、バタークリームを植物性油脂を混ぜずにバターのみを使って作るのと違うからではないでしょうか。

今年初めてケーキ作りに参加したジュニアクラスの兄妹も、バタークリームを指ですくって、思わず、「ウメー!」。二日前、出来合いのスポンジケーキとホイップクリームを買って家で「作った」そうですが、味のちがいにびっくりしていました。こどもの「舌」は、二重の意味で正直です。おいしいものを利きわける感覚の鋭さと、それをストレートに表現する率直さと。

お世話になった方に、クリスマスケーキをごちそうしました。大の甘党と聞いていました。うちのケーキは初めてです。
「へぇー、バタークリームのケーキを食べたのは何年ぶりでしょう。懐かしいだけではなく、やはり、こっちのほうが断然おいしいですよね」
お世辞もあるでしょうが、ことのほか喜んでくれました。

その奥さんからも聞かれました。
「どうして、今はバタークリームを使わないんですか?」
そうなんですよね。おいしいとわかっているのに、どうしてでしょう。そこで、わたしなりに考えてみました。

まず、作る側から。
まっさきに挙げられるのは手間の問題です。生クリームを買ってきます。それを八分立てにし、砂糖を入れてさらに泡立て、しっかりしたクリームの状態にします。ものの10分もあれば大丈夫です。

バタークリームの場合は、買ってきたバターをクリーム状にすることからはじめます。夏の暑い時なら放っておけば溶けますが、冬は40℃くらいの湯せんにかけます。さらにそれをハンドミキサーで泡立て、空気をたっぷり入れてやります。白くなったところで蜜を加えますが、その蜜も用意しなければなりません。蜜は砂糖に水を加えて煮れば出来上がります。でも、バターに加えるには完全に熱が抜けてからです。

このように、バタークリームとして使えるようになるまでには最低1時間近くが必要です。生クリームのほうでは、スポンジケーキに塗り終え、デコレーションも済んでとっくに仕上がっています。手間(工程)とともに、ひま(時間)もかかるというわけです。

つぎに、食べる側から。
「先生、ケーキは冷蔵庫に入れておいたほうがいいんですか?」
生徒さんもこう聞いてきます。生クリームはそうしたほうがいいですが、バターは冷やすと固まってしまいます。おいしさを閉じ込めてしまいます。「バタークリーム」なのですから、「クリーム」の状態にして食べるのがいちばんおいしいのです。

クリスマスケーキをお店で買ってきたとします。すぐに食べようとしないで、冷蔵庫にも入れないで、まず暖かい部屋に1時間ほどおきます。バターが緩んでクリーム状態になって、スポンジと馴染んだところで食べるのが最高です。

この「食べごろ」というのが、案外知られていません。今ほど暖房設備がととのっていなかった住宅事情の影響もあるでしょうが、「バタークリームのクリスマスケーキはパリパリしてておいしくない」の印象が広まり、定着してしまったのかもわかりません。

また、「バターはカロリーが高くて…」と思っている方も少なくないでしょう。これも「誤解」です。マーガリンと比べても、ちょっと低いくらいです。人工的なマーガリンより、自然食品のバターのほうがいろいろな成分が混じっている分、カロリーは下回ります。そしてこの「自然食品」であることが、バター独得の「風味」を作り出しているのです。

バタークリームは可哀想です。「正しい知識」をもって食べていただくと、よりおいしいことが分かっていただけると思います。来年はぜひ、「バタークリーム」のクリスマスケーキをお召し上がりください。


§【ご意見、ご感想をお寄せください。ご質問もどうぞ。】 ichiban@kateiryouri.com


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