今週のレシピ

・ブライダルクラス アドバンスクラス(12月)のメニューより

● もうすぐお正月 その3 ●

<29日から本格的に> 材料そろえて 口取り・焼物・煮物

あらかじめ計画しておいた料理の材料のメモをもって、陽の高いうちに買物を済ませます。暮れの大売出し、店先の賑わいなどの雰囲気で買いすぎないように注意!

[口取り]

★ 伊達巻き玉子 ★ 

伊達巻き玉子の写真 [材料]

・卵5個
・白身魚のすり身50g
・大和いも大さじ1
◎A
  砂糖大さじ5
  みりん大さじ1
  出汁大さじ3
  塩少々
  醤油大さじ1/2

  [作り方]

  1. Aの調味料を煮立て、冷ましておく。
  2. 擂鉢(すりばち)で大和いもを擂り、すり身を擂り混ぜ、割りほぐした卵を少しずつ加えながらよく擂る。
  3. 1を2に加え、さらによく摺る。
  4. 四角の卵焼き器で両面を焼き、熱いうちに鬼すだれに巻き、糸でしばり、冷めてから1aくらいの輪切りにする。


ポイントはここ

  • すり身に加える卵のうち、2個分は1個ずつ割りほぐし、少しずつていねいに擂り混ぜてください。残り3個は一緒に割りほぐし、4〜5回に分けて加えます。最初は少し手間がかかりますが、きめの細かい、均一の味の伊達巻き玉子になります。
  • 四角の卵焼き器は、18a角を使いました。焼き時間は弱火でふたをして10分、返して2分くらいです。 
  • 焼き上がったら鬼すだれの上にとり、最初に焼いた色の濃い方を内側にし、比較的厚みが薄い方に三本包丁目を入れ、そこを芯にしながら巻きます。ただし、厚みがあるので一度には巻けません。4〜5回に分けてだんだんしっかり巻いていってください。

ちょっと一言

★ 二色玉子 ★ 

二色玉子の写真 [材料]

・卵6個
・砂糖大さじ8
・塩小さじ1/4

[作り方]

  1. 卵は固ゆでにし、白身と黄身とに分けて裏ごしにかける。
  2. 砂糖を白身に大さじ3、黄身に大さじ5、塩は一つまみずついれ、さっくり混ぜる。
  3. 玉子豆腐の型をぬらし、白身を平らにのばし、その上に黄身を同じようにのせる。
  4. 蒸し器で10分くらい蒸す。
  5. 12個くらいに切る。

ポイントはここ
  • 砂糖の量が白身と黄身で違うのは、白身は水分が多いので少なく、黄身はパサパサしているので多めに使います。
  • 白身には砂糖と塩をよく混ぜて型にいれます。黄身に使う砂糖は、ふるってサラサラにしてから塩と一緒に軽く混ぜます。黄身のフワフワ感を残したまま、白身の上にのせます。10分蒸すと、砂糖が溶けて黄身の小さな粒がきちんとつながります。

ちょっと一言
  • 固ゆで玉子は、冬の今なら、水から18分くらいです。ゆで上がったらすぐに水にとり、熱を抜き、殻をむいたその手で白身と黄身に分けてください。黄身のまわりをくすんだ色にしないために大切です。その理由は、………書きだすと長くなるので、またの機会に譲ります。

★ ごぼう巻き ★ 

ごぼう巻きの写真 [材料]

・豚ロース薄切り300g
・ごぼう細め2本
◎煮汁
  出汁1カップ
  砂糖大さじ3.5
  酒大さじ3.5
  塩小さじ1/2
  醤油大さじ2
  うまみ調味料少々

  [作り方]

  1. 豚ロースは3oくらいの薄切りにし、肉叩きで叩き、形をととのえる。
  2. 1の肉に合わせて長さをととのえたごぼうを芯にして、肉でしっかり巻く。
  3. 煮汁を煮立て、2を入れ、弱火で1時間くらい煮る。
  4. 煮ながら、アクをとり、煮上がったら両端を切りそろえ、2.5aくらいの小口切りにし、切り口を上にして盛りつける。

ポイントはここ
  • 豚ロースは、スーパーの肉売り場にある「生姜焼き用」の厚さがちょうどよいでしょう。300gで12〜14枚くらいです。2枚を一組にして使い、10〜12a長さのごぼう6〜7本分です。

    2枚1組 肉たたきで厚さを揃える 長方形に整える

    手前から巻いて両端も肉でおおう

  • 使う鍋の直径は18aくらい。6〜7本きちんと並んで、動かずに上手に煮えます。
  • ごぼうがやわらかくなるまでには煮汁がなくなります。ときどき水を足してください。  
  • ごぼうがやわらかくなったかどうかは、竹串を刺して確かめてください。

    きちんと並べる ていねいにあくをとる


ちょっと一言
  • これは「沖縄料理」です。正月料理は鶏肉を使うことが多いので、豚肉料理を加えてみました。
  • ごぼうはそのまま、肉も留めない。ごぼうに肉を巻いて鍋に入れて、ゆっくり煮るだけ! とても手軽です。ぜひ、今年の正月料理の仲間に入れてあげてください。
    (「ごぼうはそのまま」とは、ゆでない、下煮をしないということです。くれぐれも泥を落とし、皮はこそげてくださいネ。そのままというので、泥のついた状態でやろうとした人がありました。念のため…)



[焼物]

★ 松風焼き ★ 

松風焼きの写真 [材料]

・鶏上挽肉300g
◎A
  味噌70g
  生パン粉30g
  酒大さじ2
  砂糖大さじ2
  卵1個
・にんじん50g
・干し椎茸2〜3枚
・照り醤油
・けしの実

  [作り方]

  1. 鶏挽肉を擂鉢(すりばち)に入れ、Aと擂りおろした人参(にんじん)、水でもどして、みじん切りにした椎茸を加え、よく擂る。
  2. 四角にのばし、オーブンまたはフライパンで焼く。
  3. 長方形または扇形に切り、照り醤油をぬり、けしの実を飾る。

ポイントはここ
  • 正月料理を作っていると、野菜の飾り切りのクズがでます(梅花にんじんや亀甲椎茸、地紙筍=ぢがみたけのこ、花れんこんなど)。にんじん、椎茸だけでなく、これら切りクズをみじん切りにして付け加えると、いろいろな味と食感が楽しめます。
  • 重詰めにする場合、扇型や四角に切ることが多いので、無駄がないように、初めから四角に焼くようにします。
  • 照り醤油は、鍋に出汁(1/2カップ)、醤油(大さじ2)、砂糖・みりん(各大さじ1)、片栗粉(小さじ1)を加え、かき混ぜながら火にかけて作ります。

ちょっと一言
  • 昔は冷蔵庫もなく、そのうえ三ケ日は重詰めにした料理を食べるのが習慣でした。松風焼きは野菜など入れずに作り、長持ちさせました。現在はいろいろな味を楽しむ意味から、野菜を加えた味噌味にしてみました。

★ イカのウニ焼き ★ 

イカのウニ焼きの写真 [材料]

・イカ1尾
・塩少々
・練りウニ大さじ1卵黄1/2個

[作り方]

  1. イカは腸(はらわた)を抜き、皮をむき、開いて松笠切りにし、薄塩をする。
  2. 金串をさし、素焼きにしてから、練りウニと卵黄をよく混ぜたものを表のほうにぬる。
  3. 裏面から焼き、ぬったウニが少し乾いてから表面を焼く。
  4. 熱いうちに金串を抜き、4〜5a角に切る。

ポイントはここ
  • イカが焼けていくと、だんだん身がしまって、金串が抜きにくくなり、松笠模様がくずれて、見た目も悪くなります。焼きながら、4〜5回金串をまわして抜きやすくしておきましょう。
  • 焼きあがったイカからは、すぐに金串を抜いておきましょう。
  • イカはそぎ切りにしながら切り分けた方が、見た目もよく、食べやすいでしょう。

★ みかん釜(付け合わせ) ★ 

みかん釜の写真

[材料]

・みかん3個(1カップ)
・寒天1/2本
・水1カップ
・砂糖80g
・食紅少々



  [作り方]

  1. みかんは横二つに切り、皮をこわさないように中身をくり抜き、ふきんに包んで汁をしぼる。
  2. 寒天は水に漬け、やわらかくしてから水気をしぼり、鍋に入れて、分量の水を加えて煮とかし、砂糖を加えて少し煮つめる。
  3. 寒天液の中にみかん汁を加えて、食紅を少々入れ、皮にいっぱいつめて冷やし、固める。
  4. 縦四つ切りにする。

  
ポイントはここ
  • みかん3個をしぼった汁は、少なくとも150cc用意してください。
  • 粉末の食紅は、薄めに水で溶いておき、もとのみかんの色になるまで少しずつ加えてください。
  • 寒い時は、寒天液は水で冷やさなくても自然に固まりますが、弾力のない状態で切った場合に、切り口がくずれやすいものです。みかんの皮に寒天液を流しいれたら、すぐに冷水(氷はいりません)で急激に冷やしてあげてください。

ちょっと一言
  • 切り分けたみかん釜を見ると、皮の上に三角形のゼリーが固まっている…はじめて見る人は、ちょっと驚くかもしれませんネ。タネを明かせば、ナーンダとなるでしょうが、こんなことをきっかけにしていろいろ話が弾んでいくものです。でき合いのお重箱を買ったのではこうはいきません。「ウン万円しました。」「すごいですね。」これで話はとぎれてしまうでしょうから。



[煮物]

★ 筑前煮 ★ 

筑前煮の写真 筑前煮の写真 [材料]

・鶏肉200g
・たけのこ100g
・干し椎茸3〜4枚
・にんじん1/2本
・ごぼう1/2本
・こんにゃく1/2丁
・里芋4〜5個
・水2カップ
◎A
  醤油大さじ3
  砂糖大さじ2
  みりん大さじ2
  塩小さじ1/2

  [作り方]

  1. 鶏肉は薄くそぎ切りにする(1)。
  2. たけのこは穂先を末広切り、すそは地紙切り(2)。干し椎茸は充分水で戻し、軸を取り、亀甲切り(3)。にんじんは梅の花の飾り切りにする(4)。

    (1) (2) (3) (4)

  3. ごぼうは皮をこそげ、洗って、「琴のつめ」のように切り、水から入れて沸騰したら湯を切る。(1)
  4. こんにゃくは大きいままゆでてから、手綱型に切る。(2)

    (1) (2)

  5. 里芋は六角形に皮をむいて1aの小口切りにし(1)、塩で良くもんだ後(2)、ヌメリを洗い落とす(3)。

    (1) (2) (3)

  6. 鍋に水と鶏肉を入れ(1)、煮立て(2)、アクをとり(3)、里芋以外の野菜を入れ(4)、15分くらい煮る。

    (1) (2) (3) (4)

  7. 里芋を加え(1)、Aで調味し、しばらく煮込んで(2)仕上げる

    (1) (2)


ポイントはここ
  • 正月用の煮物として、野菜類を飾り切りにしてみました。惣菜として作る場合は、たけのこ・にんじん・ごぼうは乱切り、こんにゃくはちぎり、椎茸は大きめのそぎ切り、里芋は輪切りでよいでしょう。
  • ごぼうはアクが強いので、必ずゆでてから使います。
  • 里芋のヌメリはゆでるとよくとれますが、ちょっとヌメリが入っているのも筑前煮のおいしさのような気がしませんか。そこで、あえて塩で揉むだけにしました。

ちょっと一言
  • 筑前煮は「いり鶏」「がめ煮」などとも言われ、鶏肉を油で炒めて野菜と一緒に煮る方法もありますが、私は水から鶏肉を煮る方法にしています。煮汁も少し残るように煮て、重箱に詰めず、大きな煮物碗に煮汁ご と盛り付けてみました。

★ さやえんどうの青煮 ★ 

さやえんどうの青煮の写真

[材料]

・えんどう50g
◎A
  出汁大さじ3
  塩少々
  砂糖大さじ1
  酒大さじ1


  [作り方]

  1. えんどうはつるを取り、塩もみし、熱湯で青くゆでる。
  2. Aを煮立てて冷まし、1のえんどうを漬け込んで味をつける。

ポイントはここ
  • えんどうをはじめとして、緑色をきれいにゆでたい豆類は、洗って筋をとり、塩でもみます。それをすませてから、鍋で湯を沸かしてください。湯が沸くまでに豆に塩がよくまわり、緑が鮮やかにゆであがります。
  • えんどうのゆで加減は、爪が入るくらいです。青煮は、煮汁に漬けて味をつけるものです。ゆでた後は火を使いませんので、しっかりゆでてください。
  • 煮汁に漬け込むのは、重詰めを始める頃でよいでしょう。あまり長く漬けすぎると色が悪くなりがちです。

ちょっと一言
  • すべての料理の最後に飾り付けるのが「えんどうの青煮」と私は決めています。今年一年が無事に暮らせたことに感謝しながら、重詰めができる幸せを味わえるのも家庭料理のすばらしさだと思います。


 
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